第12回 フリーワンライ 参加作 企画アカウント様(https://twitter.com/freedom_1write)
お題:豪雨カーテン、プラネタリウム
ジャンル:オリジナル(ブーン系)
@huyutoya
ブーン系とは?
→AA(顔文字)を使用した形式の読み物
→AAそのものは共通して使われるが、作品ごとに個別の性格や設定を持つ(参考例:手塚治虫作品)
オレはいわゆる“晴男”だ。
遠足は曇ったことすらないし、運動会や体育祭は必ずどピーカンな秋晴れだ。
だから。
( ・∀・)「……あ?」
小雨とはいえ、イベント事で雨に遭遇するなんて、思いもしなかった。
( ・∀・)晴男と雨女の相性のようですζ(゚ー゚*ζ
大学の学祭。
天気予報は曇りのち晴れ、所により小雨が降るでしょう。
だが少なくとも、この大学のキャンパス内ではそんなことはあり得ない。何せこのオレという晴男がいるのだから。
その筈、だったのに。
(*゚ー゚)「わっ、雨」
ξ゚⊿゚)ξ「少し待ってましょう」
( ´_ゝ`)「ふむ、ちょうど席が取れてよかったな」
(´<_` )「ああ、流石だな俺ら」
そんな会話があちこちから聞こえてくる。
( ・∀・)(何だってんだ一体)
そりゃ晴男なんて、所詮は迷信の類に過ぎない。
だが物心ついた時から、イベントでは必ず晴れだったのだ。
濡れた服が張り付いて鬱陶しい。
川 ゚ -゚)「何だ、来てたのかモララー」
( ・∀・)「クー」
女の声に振り向くと、中学から大学まで一緒に過ごした、クーこと素直クールの姿があった。
別に合わせたわけでなく、単に成績優秀だったが為に選択肢が常にトップだっただけのことだが。
川 ゚ -゚)「雨が降ってきたから、今日はお前は居ないものだと思ったが」
( ・∀・)「なワケないだろ。この後サークルの出し物あるんだぞ」
川 ゚ -゚)「ふうん。それにしても晴男のお前がいるのにな」
( -∀-)「オレだってまあ、正直びっくりしたけど、結局迷信だったってだけだろ」
川 ゚ -゚)「どうかな」
( ・∀・)「何がだよ」
川 ゚ -゚)「“雨女”でもいるんじゃないか。でなきゃ雨降らしでも」
真面目な顔で、クーはのたまう。
彼女はいつだってこの氷のような表情で、冗談も真面目な話もしてみせる。
( ・∀・)「はん」
川 ゚ -゚)「冗談ではないが」
( ・∀・)「だから迷信だって言ったろ。馬鹿馬鹿し――」
川 ゚ -゚)「ほら、そこ」
オレの言葉を遮り、クーはベンチを指さした。
少女が一人、しょんぼりと雨に打たれて項垂れていた。
彼女が雨女? 何を根拠に馬鹿馬鹿しい。
今度こそ、そう言い切ろうとした時。
( ・∀・)(……あれ?)
雨は降っている。
ベンチは屋根のない場所に設置してある。
なのに、座っている少女には、濡れた痕跡ひとつ見当たらなかった。
( ・∀・)「……え?」
川 ゚ -゚)「ほらな」
( ・∀・)「ほらな、っていやいやいや」
川 ゚ -゚)「話しかけてみればいいじゃないか」
( ・∀・)「『あなたは雨女ですか?』って? そんなこと」
川 ゚ -゚)「こんにちはお嬢さん。あなたは雨女かな?」
ζ(゚ー゚*ζ「え?」
( ;・∀・)「うおおおおおい!」
それじゃただの変質者だろうが!
( ;・∀・)「あ、あー、すみません、コイツちょっと頭のネジが一本二本飛ん」
ζ(゚ー゚*ζ「はい、そうです」
( ・∀・)「」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、ええと、正確にはその、私は人間ではなくて、雨を引き寄せるモノと言いますか、はい」
( ・∀・)「」
川 ゚ -゚)「やっぱりな」
( ・∀・)「やっぱりなじゃないっての」
川 ゚ -゚)「所でさっき、失礼な言葉を言いかけてなかったか」
クーの言葉を無視して少女を凝視する。
濡れてない。
当たった雫は全て、すぅ、と吸い込まれるように消えていく。
ζ(゚ー゚*ζ「あの、あなた達は……?」
川 ゚ -゚)「わたしはクー。こっちはモララー。このモララーは晴男なんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「ああ! そっか、だから小雨だったんだ!」
少女の顔が輝く。
まるで僥倖に巡り合えたかのような。
ζ(゚ー゚*ζ「あ、ごめんなさい、私はデレです。会えて嬉しいです、モララーさん」
( ・∀・)「え」
ζ(^ー^*ζ「私、こういう所に行くといつも雨になってしまって、申し訳ないと思ってたんです。
でも今日はモララーさんが居たから、小雨で済みました!
……あ、もう止みそう」
川 ゚ -゚)「ああ」
少女――デレの言葉通り、雨はぱらぱらと余韻を残して引いていった。
川 ゚ -゚)「晴男の面目躍如だな」
( ・∀・)「いや……ええ?」
ζ(゚ー゚*ζ「凄い! 凄いですモララーさん! それにクーさんも、どうして私が雨女だってわかったんですか?」
川 ゚ -゚)「ああ、わたしも似たようなモノと一緒にいるから」
('A`)「よ」
川 ゚ -゚)「コイツだ」
貧相な顔と体つきの男が現れた。
クーの肩に腕を置き、空中に浮かんで。
( ・∀・)「」
ζ(゚ー゚*ζ「わあ、お仲間さん!」
('A`)「おうよ。ドクオって呼べ」
ζ(゚ー゚*ζ「うん!」
川 ゚ -゚)「そらな。分かっただろう、モララー。今日は雨女が居たんだ」
( ・∀・)「…………か」
川 ゚ -゚)「ん?」
( #・∀・)「理解できるかボケええええええ!!!」
この瞬間最大級の罵倒を放って、オレはその場から駆け出した。
後日、クーから詳細に説明を受けた。
あの貧相な男はドクオと言って、何か植物とかが生えやすくしてしまうモノらしい。
クーとは高校の頃に出会って、そのまま一緒にいるのだとか何だとか。
人間にも“引き寄せやすい”体質というのはあるそうで、オレの“晴男”体質もその一種だとその時知ったとか。
クー自身は植物の流れが把握しやすいとかよく分からない説明を受けた。
だから一緒にいるとお互い心地いいらしい。
('A`)「まあ何つーの? ベストパートナー的な?」
川 ゚ -゚)「照れるじゃないかドックン」
('A`)「俺もだよクーにゃん」
川*゚ -゚)「ふふふ」
(*'A`)「あはは」
今までは言われる立場だったが、あえて言おう。
リア充爆発しろ。
いやリアルかどうか分かんないけど、とっとと爆散しろこの二人。
ζ(゚ー゚*ζ「モララーくんっ」
それからだ。
オレの日常に、デレが介入してくるようになったのは。
ζ(゚ー゚*ζ「モララーくん、今日はモララーくんの方が調子いいみたいだね。雲一つないよ」
川 ゚ -゚)「やあ。今日は大分雨だな」
('A`)「よ。何だ、曇りってハッキリしねえな」
正確には、デレとクーとドクオだ。
オレの体質は基本的にイベントにしか効いてないらしい。
だからデレが来ると、大体は雨になった。
その度に申し訳なさそうな顔をするもんだから、つい一度怒鳴ってしまった。
( #・∀・)「あのな、来る度にそんな顔するんだったら、最初から来るな。
来るなら来るではっきりしろ!」
ζ(゚、゚*ζ「……ごめんね、モララーくん」
ζ(゚ー゚*ζ「あの、あのね、私モララーくんに会いたいの。雨じゃない時に会いたいの。
……いっぱい、雨になっちゃうけど、来てもいい?」
( ・∀・)「……好きにしろよ。別に雨だろうが何だろうが、傘差せばいいだけだし」
ζ(^ー^*ζ「――うんっ! ありがとう、モララーくん!」
こうしてオレは晴男の称号を返上し、傘男の異名を頂くことになるのだが、まあどうでもいいことだ。
ζ(゚ー゚*ζ「モララーくん、私ね、プラネタリウムに行きたかったんだ」
( ・∀・)「プラネタリウム? 花火大会の時は晴れてただろ。その時星だって」
ζ(゚ー゚*ζ「んーん、違うの」
( ・∀・)「何が? プラネタリウムなんて、結局夜空の偽物じゃないか」
ζ(゚ー゚*ζ「偽物でもいいの。あのね、夜の中の星も凄く綺麗だったけど、遠いじゃない。
でもね、プラネタリウムは、もっともっと近い距離で、夜空を見られる」
( ・∀・)「……」
ζ(^ー^*ζ「ぎゅって、夜空を閉じ込めて、それを全身で感じられたらいいなって、思うんだ」
( ・∀・)「……流石、人間と違うと感覚も違うな」
ζ(゚ー゚*ζ「もー、モララーくんだって、体質だけ見たら晴男なんだからねっ」
天候一つに気を揉んだり、デレが行けなかった所に行ったり、何かある度に、デレは大きく反応する。
或いは驚きで、或いは好奇心で、或いは悲しみで。
ζ(゚ー゚*ζ
ζ(-、-*ζ
ζ(゚∀゚*ζ
ζ(^ー^*ζ
或いは、喜びで。
気付けばオレの日常は、すっかりデレと共にあるのが当たり前になっていたのだ。
( ・∀・)、「っ」
ζ(゚ー゚*ζ「モララーくん? どうしたの?」
( ・∀・)「や、何か、ちょっとふらついただけだ」
ζ(゚、゚*ζ「だ、大丈夫? 休んでた方が」
( ・∀・)「別に平気だって」
( ・∀・)(……ただの、貧血だろ)
川 ゚ -゚)「最近、顔色が悪いな」
( ・∀・)「……そうか?」
('A`)「おう。なまっちょろい顔が、更にしろーくなってやがるぜ」
( ・∀・)「貧相な顔よりマシだろ、イケメンだし」
('A`)「あーあーあーこれだからイケメンはー」
川 ゚ -゚)「わたしはドクオのその顔も好きだぞ?」
('A`)「俺もクーが好きでいてくれるなら何でもいいぜ!」
( ・∀・)「今すぐ核ミサイルでも落ちてこないかな」
川 ゚ -゚)「モララー」
( ・∀・)「……何だよ」
川 ゚ -゚)「分かってるんだろう?」
( ・∀・)「……」
付き合いは、長い。
幼なじみなんて上等な存在もないから、家族以外じゃクーが確かに一番長いのだ。
――体調に異変をきたす原因は、推測出来ていた。
(続く)
(続いた→後編)
※
元は2ちゃんねるVIP発祥のSS
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