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センチメンタル一方通行

全体公開 その他色々二次創作 1150文字
2018-07-09 21:48:52

FGO/以蔵さんと龍馬

Posted by @syuu_29

サーヴァントは幾人もの記憶や願いが形作った現し身に過ぎず、その姿形は霊基へ書き割られた役割に相応しい肉体を得るらしい。
人に喚ばれたわけではないが、サーヴァントとして龍馬が得たのはお竜に見初められたその頃の姿だった。だから鏡に映ったそれ自体にとくに驚きはしなかった。むしろ安堵さえしたものだった。
――カルデアへサーヴァントとして召喚された昔なじみの顔を見るまでは。
先日の帝都でもそうだったが、その黒のインバネスコートは最後に見た頃そのものであった。彼が人を斬るのになじみ、悪びれずに仕事と認めたその頃の、龍馬の知る最後の姿である。
だからこそのアサシンかと納得し、あの才をもってしても剣を冠せぬというその結果は、じわりと龍馬の頭の芯へ滲んだ。生前にはろくに覚えなかった後悔が真綿のように喉を絞めてくる。
……以蔵さん」
けれどそれを求められていないことはすぐにわかった。
呼べば振り向き、ゆるく巻いた襟巻きの内側で、彼は薄い唇を笑みに歪めた。
「おお、ほんまにおったかが。ようわしの前に面ァ出しよったわ」
忍び笑う口元を白々しく隠す指先は、面はゆそうに自身の無精髭をなぞった。あのときは気づかなかったが、指先はささくれていて深爪だ。
警戒する猫のように膨れた癖毛は高く結われ、暗い墨地で誂えられた長着と袴よりもなお深い闇夜の色だ。そうした色味のない姿の中で、襟巻きとそろいの色の目玉ばかりが刃文のようにぎらついている。
しかし先日のように斬りかかってはこない。知っている姿だが、生前とはずいぶん違うようにも思えた。
「何じゃ、幽霊でも見たような顔しゆうが。維新の英雄様とやらがええ面じゃのう」
「うわ、なんだこのくそ雑魚ナメクジ。開口一番喧嘩売ってきたぞ。さては召喚されたのに調子に乗ってるな? リョーマはおまえと違っておセンチな男なんだ、無神経め」
「おまんが言うが?!」
「お竜さん……あのね、煽らないでね」
どうどうと見えない手綱を引くように、お竜をなだめる。けれど彼女は心を透かしたように呆れた顔で振り返る。
「お竜さんはリョーマが呆けているから口を開いただけだぞ。リョーマがおセンチなのは事実だし」
「いや、それは……うん。ごめんね、ありがとう」
以蔵さんも――と苦笑を向ければ彼は目を細めて心底冷えた目を返すだけだった。
「げにまっことええ身分じゃの」
もうえいと吐き捨てて横をすり抜けてしまう彼を引き留められずに背中を見送るしかなくなると、お竜は拗ねたように言った。
「あいつのマフラー絞めてきてやろうか?」
その過保護さに「お気持ちだけで」と笑うしかない。


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以蔵さんの感情抑えてるお仕事モードがみたすぎてこういうことになる(でもしばらくすると龍馬ァ!が出るに1呼符)


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