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2014/8/13 抱きしめるいろいろ(1)

全体公開 1 688文字
2014-08-13 22:04:24
Posted by @satomi8429

TLで流れてきたのが興味深かったので。
とりあえず思いついたぶんだけ。



***

いつも気丈な君が俯く。街灯の白が、頬の赤を遠慮がちに浮き上がらせる。
汚さも醜さも愚かしさも、あなたは全部見ていたのでしょう。
堪えるように震える肩が小さくて、その背中ごと。溜まった雫が落ちる前に。

抱き寄せる/哲也



***

カエルがなくからかーえろ、というお決まりの言葉で子供たちが散った後、ぽつりと残った少年が気になった。あと一刻もすれば太陽は地平に消える。
「早く帰らないとお家の人が心配するのだ」
おらん」
少年は俯いて呟いた。
「お父ちゃんもお母ちゃんも、戦争でおらんようになった」
鼻緒の千切れそうな草履と薄汚れた小さな甲に止まったはずの血が噴き出す。もう慣れたと思ったのに、鋭い鉤爪は未だ現在形で容赦なく抉る。
「ごめんごめんな」
飛び出た肩甲骨、棒切れのような腕。はがれる仮面はそのままに、覆うように力をこめた。

抱き締める/井宿



***

一週間ぶりに自宅に帰ると、頬を膨らませた弟が出迎えた。
引き戸を開ける音にパタパタと床板の鳴る音が続き、次いでのぞいた不満気な顔に笑顔が止まる。栗鼠の頬袋のように丸く膨れたそれは指でつついてやりたいくらい愛らしかったが、それは我慢して恨めしそうな視線を受け止める。
「すぐ帰るっていったのに」
小さな子供の一週間と自分の一週間では体感時間が雲泥の差なのだと今更気づいた。
「ごめんよ、道輝」
腰を落とし両脇に手を添えると、幼い腕が首に巻きつく。
「大きくなったら一緒に行こうな」

抱き上げる/義翔




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