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友達以上、恋人未満

全体公開 1081文字
2018-09-05 10:22:19
Posted by @alter_r8

【某日 / シェアハウス「カキツバタ」内・シャルルの部屋】

報告書を書き終え寄り道をして、自分の部屋に帰ってきたのは結局深夜1時頃
ぱたん、と部屋の扉を閉めてベッドに向かう。兎耳のカチューシャを放り投げて、ぼふん、とベッドに倒れ込んだ
 「………………
 「あ~~~~~~~~~~~~~」
うつ伏せに倒れ込んだまま、両手で頭をがしがしと乱暴に掻く
やってしまった
 「いやあのタイミングしか……えーでも……やっぱ卑怯じゃ……
顔をベッドシーツに押し付けたままぶつぶつと呟く
結局思考はぐるぐるしていて、まとまったと思ったそれは氷山の一角に過ぎなくて
だから私は今も迷っている
 「やっぱり日を置いて……いやでも会えるか分かんないし……あー……
がしがし。フード越しの頭を乱雑に掻いて、ごろんと仰向けに転がる
外から聞こえる虫の音が暗い部屋の中でこだましている感覚がする
なんとなく。眠気があるわけでもないけれど、目を閉じてみた

ふと、脳裏に陸道玖夏と鳴海こだまの姿が浮かぶ
自分に自信のない陸道玖夏と、恋する乙女の顔をしていた鳴海こだま
 (二人とも可愛いな、なんてあの時は思っていたけれど……
目を閉じたまま両手で熱を持った頬を触り、確かめる
今の自分はどんな顔をしているのだろうか
みっともない顔をしていないだろうか
情けない顔をしているのではないか
いや、そもそも次あった時、どんな顔をすればいいのか
何も分からなくて思考が定まらない
どうしよう。どうする。どうすれば

 『シャルルが素敵な人なのは、知ってる』

スゥ、と。嵐のように入り乱れていた思考が落ち着いていく
綺麗な水色の瞳をした少女を、脳裏に思い浮かべて
 (そっか。)
別に、何をする必要もないんだ
いつも通りでいい
彼女が素敵だと言ってくれたのは普段の私なんだから

眼を開く。先程までの弱気な思考はもうない
同時に、一つの名案が思い付く
私にしては画期的な案だ
ベッドから起き上がり、クローゼットへ
しばらく使っていなかったスーツがまだ着れるのを確認して、机のノートパソコンに向かう
 「募集みたことあるけど、どうだったっけなー」
以前の記憶を頼りに、求人ページを開いていき……
 「……お、あったあった!」
喜びの声を漏らしてそのページを開く
返事は保留だけど。振り向いてもらえる努力くらいは、いいよね?



 ……後日
 ビッチと呼ばれ街中に良く出没していた女は忽然と姿を消した
 それと入れ替わるように
 「とこなつ酒造」に美人のアルバイトが入社したとか


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