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80.みてくれ/城海

散@booth通販開始
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2018-09-15 10:11:44

城之内くんの地毛は黒派なんだけど、静香ちゃんと同じ系統でも可愛いなぁ(アニメのアレはノーカン)。海馬くんの美的センスは人と少々違うからそこは喜んではいけない所だと思うよw

 中坊の頃、凄く好きだった子が金髪の男と腕を組んで歩いていた。

『金髪の男の子って、それだけで凄くカッコよく見えるから好き』

 オレがこの髪色になったのは一重にあの子の一言からだった。元々地毛が茶色だったから色を落とすのは簡単だった。初めて自分の頭が金色になった時、どこか世界が変わった様な気がした。鏡に映る自分の顔がカッコよくも見えたし、強くも見えるような気がした。

 尤もそんなのはただの気の所為で、オレを取り巻く世界は何一つ変わっちゃいなかった。現にあの子には振り向いては貰えなかった。似合うね、位は言われたかもしれないが。

「何を見ている?」

 ふと、隣を歩く海馬が歩きながら遠くを見ていたオレに気づいたのか訝し気な顔をしてそう聞いてきた。オレは慌てて視線を戻し、別に、とだけ答えを返す。視界の端にはあの女の子。いつの間にか立ち止まって、建物の陰で例の男とキスをしていた。特にどうとも思わなかったけれど、少しだけ胸が痛かった。

「なぁ、一つ聞きたいんだけど」
「何だ」
「オレがお前の好みに合わせるとして、お前はオレにどうなって欲しい?金髪やめろとかっていう?お前チャラい男好きじゃないだろ」

 忘れよう、と思いながらオレは完全にあの子から視線を外し、隣の海馬をちょっとだけ仰ぎ見る。こいつはオレの言動には煩く文句をつけるものの、外見には一度も意見を言ってこなかった。興味がないのか、言っても無駄だと思っているのか、ちょっとだけ気になった。

 海馬はオレの言葉に一瞬首を傾げると、呆れたと言わんばかりにこう言った。

「人の言葉に踊らされる人間は好きじゃない。外見も個性だろう。自分がいいと思うのなら好きにすればいいのだ」
「え、でもさ。こう、体裁が悪いとか思わない?」
「誰の体裁だ?貴様は一体何に対して気を使っているのだ。馬鹿馬鹿しい」

 そもそも外見でアウトなら相手にしていないわ。そう素っ気なく吐き捨てる海馬を見ながら、オレはたった今見た光景を綺麗さっぱり忘れる事にした。オレもあの子もお互いのみてくれしか気にはしていなかった。どうとでも変えられるような外側だけを。

「オレ、やっぱお前の事好きだわ。そう言われてみればお前の外見なんて全然オレの好みじゃないけど、っつか男だけど」
「急に気色悪い事と失礼な事を同時に言うな」
「悪い悪い。気にすんな」

 あの子に対抗するつもりで、腕は組めないけれど代わりにわざとらしく海馬の肩を抱いて足を速める。誰にも見られない所でキスもしてやろうと思った。

 あの子の事は好きだったけれど、こいつの事がもっとももっと好きだから。今は凄く幸せだ。


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散@booth通販開始 @kaiba_chiri
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