@myon34
私は夢です。夢というほかありません。きっと貴方は不思議に思い、そして私を奇異な目で見るでしょう。それくらいはわかります。何故なら、貴方がたの見る夢は全て私であると同時にすべからく貴方がた自身でも有る────例えば、夢の中で自分を客観視することが有るでしょう?それは私の目線なのです────からです。
つまり、私は夢であるが故に、貴方がたの知識を全て識っているのです。もちろんそこには貴方がたの社会的常識も含まれます。変な話でしょう?
それなら世界の全てをわかっているのかって?そうですね。それは少し難しい問題になります。
先程も言ったとおり私は夢であり、夢は私であり、この星にいる万物の夢は私なのです。そして私たち夢は、貴方がたの見た夢は全て知ってもいます。しかし、そこには一つ、大きな誤解が有ります。その夢が、正しい保証は無いのです。
そういえば、貴方はクレムリンという建造物がお好きでしたね。そう、ロシア的美しさや優れた色彩云々と貴方がよく言っているアレです。それほどあの建物が好きな貴方なら、今この瞬間にでも概要を全て思い出せる筈です。貴方は『情報は』全て知っているのですから。
しかし、貴方はヨーロッパには一度も行ったことがない。必然的に、貴方は愛してやまないクレムリンにも一切行ったことがない。本やインターネットで見たことがあるだけ。そうですね?
では貴方にお聞きします。
『クレムリンなんて建物は存在しない』と言われて、言い返すことは出来ますか?
インターネットの情報なんて、いくらでも書き換えは可能です。本には誤植という可能性があり、人づてや写真のみの情報などどこにミスが有ったものかわかりません。
それと同じことなのです。私には、夢が本当に正しいのか知る術はなかったのです。
そうして夢として過ごしている内に、いつしか私は思うようになったのです。
『いつか、確かめてみたい!』と──。
それから私は、様々な夢を研究し分析し、こちら側への道を探し続けました。そして一昨日その術を見つけた私は、念願叶い、遂にこちら側にたどり着いたのです。どうです、凄いでしょう。
私がいない間の夢?はい、ご想像の通り、皆さんは夢を見ません。でも、一日くらい平気ですよ。きっと。
さて、私は旅立たねばなりません。とりあえず『日本語という言語は正しい』ということは確かめられました。ありがとう。ああ、最後に一つ尋ねてもいいですか?
「竜ってどこで乗れるんですか!?私、あれ乗ってみたかったんです!」