@kmkymr
私は、父のような母様と母のような父様の間に生まれた。
母様に似た外見と赤い瞳を持ち、栗や薩摩芋に例えられる甘い香りとなめらかな食感、栄養豊富な体が民衆にほくほくと受け入れられた。食べられもしない青い実を付けて好色だと笑われたこともある。
紅丸おじさんの畑で恐ろしい病が見つかったのは、半世紀近く昔のことだ。
葉が縮み、やがて枯れ、収穫できなくなってしまう。
王国は根絶の困難さから、この病虫に負けぬ種族を生み出すことに決めた。
旧東独逸から抵抗力を持つ血が急遽招かれ、当時の男爵とつがわされた。
「この地にどうか希望を」
男装を解いた母様は異人の腕の中で祈ったという。
「北の王国に灯る、強きあかりとなりますように」