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哲学人信仰資料

全体公開 6855文字
2018-12-29 00:07:53

【哲学人信仰】
 多くの異能を持ち、多くの知識を持ち、人ならざる姿をした哲学人を神と崇め畏れる人間は少なくない。
 そのような人間による哲学人信仰の歴史は古く、哲学が科学と宗教に分かれると共に生まれたとされる。

 哲学人信仰は大きく二つの教派に分かれ、そこから更に様々な派閥に分かれている。
 国内においては民間で立ち上げられた小規模な宗教法人や、土着信仰として残った風習などが無数に存在し、それらが複雑に干渉し思想を混ぜあっているために全容を窺い知ることは難しい。

 ここでは代表的4宗教と、その他の信仰例3種を取り扱う。

+真愛智教まあちきょう

 哲学人信仰の二大宗派の一つ。『phronesis headism』とも呼ばれる。
『哲学人に仕え、従い、その偉大な力により幸福を授かる』ことを信条に、様々な哲学人の情報を集めている。
 哲学人を科学的に解明しようとする哲学人研究に対し反感を持つものが多く、哲学人人権運動などがここから始められた。
 哲学人の持つ知識を正しく受け取り、信者に伝え、悩めるものを救い世に広める者を『宣哲者』と呼ぶ。

 真愛智教において、歴史に名を連ねた数々の哲学者達は、哲学人の与えた知識を世に知らしめた伝道師であり偉人である。

略称は『P.Hism』もしくは『P.H』
+求叡智派きゅうえいちは

 哲学人信仰の二大宗派の一つ。
『哲学人の力と知恵を授かることにより社会を豊かにする』ことを信条に、様々な哲学人の情報を集めている。
 修行や瞑想を通して自らを哲学人に近付けようとする思想故に、彼らを理解する足掛かりとなる哲学人研究には肯定的である。いくつかの研究所へは支援を行っている。
 哲学人の持つ知識を正しく受け取り、己の中で昇華し、人と哲学人の狭間に生きる者を『哲者』と呼ぶ。

 求叡智派にとって、歴史に名を連ねた数々の哲学者達は、真理に触れ哲学人の力の一端を手にした先人にして偉人である。

略称は『9.Hism』もしくは『9.H』
+ていする恵智けいちかい

 民間の宗教団体である。批判的な意味を込めてカルト宗教に分類されている。

 真愛智教の流れを汲んでおり、哲学人の能力を発揮し社会にその恩恵を与えることを目的としている。
 それに至る手段は過激なものであり、また盲目的である。哲学人が及ぼす影響の全てを受け入れ、全てを幸福とし、それを他者へ押し付ける結果『不特定多数の民間人への哲学人を利用した攻撃』または『哲学人犯罪への助力』を積極的に行う。

 信者が何名も検挙されており、反社会的組織として哲学人犯罪取締課が動向を警戒している。
 主な問題行動は「哲学人研究施設への暴動」「施設所属哲学人の誘拐」「民間人への暴行(哲学人犯罪の助力の一環)」等。社会に多くの損害を与えている。それらの行いの時、信者は哲学人による影響を積極的に受けに行くため、死傷者は一般的哲学人犯罪よりも多い。

 取締課による一斉検挙が複数回行われている。その度に逮捕されるのは末端ばかりであり、上層部は姿をくらまし、名も代表も変えないまま水面下で信者を増やしては再び事件を起こす。
 その行動から、哲学人の能力による信者増加を行う団体であり、特定の拠点を持たないと考えられている。

 組織代表者は哲学人【プラトンの対話篇】。上層部に数名の哲学人が確認されている。

俗称は『totemokangaeru会』……であるというのは一部のネットスラングである。
略称は『TK会』
+実践じっせんされる誘智教団ゆうちきょうだん

 民間の宗教団体である。批判的な意味を込めてカルト宗教に分類されている。

 求叡智派の流れを汲んでおり、自らを哲学人に作り替え人知を超えることを目的としている。
 それに至る手段は過激なものであり、『哲学人と人間の外科的な融合』や『体内に取り込むことによる同一化』など、哲学人そのものを人体と組み合わせることに焦点を当てた行動が多く見られる。

 信者が何名も検挙されており、各研究施設や団体が警戒している。
 主な問題行動は「哲学人研究施設への暴動」「施設所属哲学人の誘拐」「民間人への暴行(哲学人と人間を誤解した故のもの)」等。その他哲学人に対する非人道的な実験が日常的に行われているとされる。
 哲学人の人権について議論されている今、法の整備により更なる余罪が浮上するだろう。

 結束が固く、毎週日曜日には拠点に集まり儀式を執り行っている。儀式の内容は不明瞭だが、現在判明しているものは「哲学人の血肉を取り入れる」というものである。

 過去に二度大規模な事件を起こしており、その度解体しては代表者と名前を変えて活動を続けている。
 最初期の教団名は『正智肉融合教』
 代表者はデイビッドと名乗る男とその家族。当時七歳の一人息子以外、家族全員が逮捕され現在は刑務所に居るとされている。

 中期の名前は『創世的融和教団』
 代表者は路鹿 臣という人物。解体後の所在は不明。

 現在の名称における代表者は不明である。

略称は『GU教団』
+その他信仰例

【神話と融合した例】

・ロゴスとキリスト:哲学用語『ロゴス』の解釈に神の言葉が含まれることから、特定の哲学人【ロゴス】個体が救世主であったと見做す解釈がされる。

・エロティシズムとクピードー:哲学人【エロティシズム】の構成内容に神学的要素があることから、特定の個体にクピードーの自認が発生。ローマ神話研究において情報が混雑している。
【哲学人個人を崇拝している例】

・東京都白知しらち日錆洞町にちさびどうまち三丁目:名称のない信仰形態。該当地域居住者が同地域住人である道氏を崇める地域。住人は彼を哲学人【無名】個体であると主張し、自給自足や自然派製品の利用を推奨している。なお、道氏はこの信仰を認めていない。

吉美乃よしみの専門学校:未届の宗教団体名。哲学人【あるものはある。ないものはない】個体を保有していると主張し、存在証明の研究を続けている。他哲学・他哲学人・他団体・社会的活動への関心は持っていない。
【生活に深く根付いている例】

・4月27日【哲学の日】:哲学者ソクラテスの死を悼み、順法精神を問う日。キャロットジュースを飲みながら身近な人と議論を交わす風習が主流。近年では新年度の親睦会と融合傾向にある。

・11月第3木曜日【世界哲学の日】:哲学教育ならびに哲学人行動学の認知を高め、重要性を説く日。哲学人関連イベントの開催日として多くの場面で設定される。

 私たちの何気ない日常も、哲学人信仰を由来とするものが数多くあります。


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