@satomi8429
生き残ってて成長してて現パロのちりたす即興。諸々苦手なかたはご注意ください。
お前は翼宿をなんだと思ってるんだというお叱りはお受けします。
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八月某日。夏休み真っ盛りの大学は人気が少なく、研究室のある棟には他に誰もいないんじゃないかと思うくらい静まり返っている。命の限りと大音量で鳴き続ける蝉の声を縫って、おおよそその台詞には似つかわしくない年齢―れっきとした大人であり、しかもかなり迫力のある―の声が張宿の耳に飛び込んだ。
「ちーりーこくーん!!」
あーそーぼー!とでも続きそうな間延びした調子は、まもなく干支を二周する翼宿のものである。
クーラーの壊れた研究室は、窓が全開になっているとはいえ地上3階の高さにある。ここまで届く大声というのはさすがだが、この手の事態にすっかり慣れた張宿は、目線をパソコンの画面に固定したまま落ち着いて返事をした。
「はーあーいーー」
夏休み返上覚悟で研究にとりくむ張宿をあざ笑うように、夏休み突入3日目でクーラーが故障した。分解していじってみてもどれだけ冷風の指示を出してもかたくなに温風を吐き出す年季の入った空調に参った張宿は、冬までそれに暇をだし、代わりに窓を全開にした。
いつパソコンが落ちるかわからない熱気のこもった部屋で、張宿は先ほどよりも集中してキーボードに指を走らす。外からここまで約10分。あと10分で片付くかどうか。いや、片付けてみせる。
再び蝉の合唱だけになった空間の沈黙は、ぴったり10分後、ばん!と金属の重い扉が開く音で破られる。
「張宿!いけるか!?こんなとこにこもっとらんと、あそびにいくで!」
「こんにちは、翼宿さん。あと3分待ってもらえますか?」
今度はきちんと振り向いて言った張宿に、翼宿がのけぞる。
「?」
「張宿ー!?なんやお前、なんで今更不良になったんや!?かなり遅いしその歳で不良ってかっこわるいで!」
「はい?」
「しかもちょっと古いで、そのグラサン!!」
「ああ、これ」
振り向いた張宿がかけていたのは、茶色の縁に焦げ茶のレンズのサングラスだった。
「これはサングラスじゃないですよ。パソコン用眼鏡っていって」
外しながら微笑むと、翼宿が目を丸くした。
「へ?茶色なのに?サングラスじゃないんか?」
「そうなんです。かけてると楽なんですよ」
言い終わるのと、流れるような打鍵の終わりが同時だった。
「よっしゃ、じゃあキャッチボールやで!その丸まった背ぇ伸ばしたる!」
「はい!今日は負けませんよ!」
残り3分を持ちこたえたパソコンの電源を落とすと、張宿は眼鏡を置いて肩を回した。
***
今日は眼鏡の日だそうなので、大学生張宿と張宿のパソコン眼鏡に騒ぐ翼宿先輩を。
毎日研究室にこもる張宿と、そんな張宿を毎日連れ出して適当に運動させてあげる翼宿。
以前フォロワさんと話した現パロ妄想もおおいに影響している現パロです。
例のとこの台詞の読み方は、みっちゃんとさつきちゃんの感じでお願いします(ト○ロ)。