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連続殺人鬼ドヨンの話、第33章、あなたの寝ている間に

全体公開 NCT 4 4 3839文字
2019-03-26 01:57:31

ドヨンを怒らせると社会的、心理的、物理的、いずれか(あるいは全部)の死を与えられるという話です。

名前変換

ドヨン視点

俺は名前が眠ったのを確認してから起き上がった。お菓子の残りをどかす
彼女は甘いものが好きだが、特にチョコレートやナッツ、ジャムなどをトッピングしたロシアケーキが大好物だ。好きだから、大事に最後まで取っておく。今も2つしか摘ままず他のお菓子から食べていた

「ごめんね……起きたらまた食べさせてあげるから」

俺は彼女が最後に食べていたチョコレートケーキをティッシュで包み、ごみ箱に捨てた。そこに睡眠薬を注射しておいたのだ。使い慣れた薬なので、どのくらいの量で何時間眠るかもわかっている

HS「まさか旦那に盛られるとは思ってなかっただろうな、名前も」

ハンソルさんが音もなく寝室のドアに凭れていた。俺はベッドをあまり揺らさないようにそっと離れる

「前にも一度ある。初めて会った時名前の義父の死体解体しようとしてるとこ見られて、焦って薬で眠らせた」
HS「で、拉致って監禁?サイコじゃん」
「何か情報は」
HS「お前ねーそうあれこれパシるんじゃねえよ。ケーキ買ってこいだの嫁の昔のいじめっ子調べ上げろだの。坊ちゃんの命令じゃなきゃキレてるぞ」

そういって彼はタブレットを見せてきた。そこに纏めたらしい

HS「学生時代から評価は高い、相当外面いいみたいだな。勤務先は広告会社で勤務態度もいい。話聞くと相当なろくでなしらしいけど、残念ながらお前の掟とやらに触れるほどじゃない」
「どうでもいい。父さんの掟には触れなくても俺の掟で殺す。名前を泣かせた」
HS「いいけどさ、そいつ死ぬなり消えるなりしてそのこと名前が知ったら、それはそれでよくないんじゃないか」

名前は俺が人を殺すことに嫌な顔をしたことは一度もない。彼女自身、そういった善悪に鈍くなっている。だが花屋の時のように自分のせいで俺が儀式をするのを嫌がる



―――ドヨンのための儀式じゃなきゃ意味がない



「確かにな。ただ殺してやるなんてもったいない。名前以上に苦しんでもらわないと」
HS「どうやって?学校特有の閉塞感の中で一方的な悪意を注がれるなんて、相当苦痛だったと思うぞ。それ以上に苦しませるって出来るのか」
「ここは正攻法で行く。そいつのPCハッキング出来る?スケジュールが知りたい」
HS「一応調べてあるけど

ハンソルさんは怪訝な顔でタブレットを操作する。今日のスケジュールを見て、時計を確認する。うまくいけば名前が目を覚ます前に片付けられる
俺が目の前で服を脱ぎだしたのでハンソルさんが仰け反った

HS「いきなり何だよ!!」
「大声出さないでください、名前が起きる」
HS「え、何、出かけんの?名前おいて?」
「6時には起きちゃうからその前に済ませます。念のためハンソルさんはここにいて、名前をひとりにしないように。急がないと
HS「マジで殺すの?俺儀式の手伝いなんかしたくないよ」
「殺さない。ドラマ見たことない?俺にはシリアル・キラーって意外にそいつに対する切り札が二つあるんだけど、両方一気に発動しちゃおうかと思うんだけど」

ハンソルさんが少し考えて、思いついたらしい。変な顔になった

HS「柄じゃね~~~
「そいつの社会的信用を貶めるのは後からじっくりやる。手伝ってもらうからね」
HS「はいはい好きにしな。名前が起きる前に間に合えばいいけど」
「何年やってると思ってる」
HS「警官?それとも殺人鬼?」
……14からだよ」

ハンソルさんは呆れたように目を眇め、手をひらひらと振った















車の中で時計を見ながら外を見ていると、スマホに連絡が入った

「何かあったんですか」
HS『そうじゃないけど、俺だってさっさと戻って一人で仕事したいんだ。寝てる人妻監視なんて割に合わないからさっさと済ませたい。今奴のスマホのGPSが会社に向かってる。今から行けばちょうど鉢合わせできるんじゃないか』
ありがとう、助かります」
HS『そう思うならさっさと帰って来い。それと坊ちゃんに給料あげるよう言っといて』

ハンソルさんの電話はそれで切れた。俺は車を降りてそのまま向かいのビルに入っていき、止めようとした警備員に持っていたものを見せた。すぐに引き下がったのでそのまま受付に行って女性に声をかける

「すみません、ヨン・テホンさんという方がこちらにいると思うんですけど」
「アポは取っておられますか?」
「もちろん」

そういって警備員に見せたのを同じものを見せる。女性は慌てたように内線をかけようとし、すぐに俺の背後に気が付いた

「あの、あちらに」
そう、どうもありがとう」

数人の男女と共に談笑しながらさっそうと歩く男に鋭く声をかけた

「ヨン・テホン、話がある」
悪いけど今仕事中だ。アポを取ってくれ」
「そうはいかない、ここで話をつける。ソウル市警重大犯罪課のキム・ドンヨン警部補だ」

警察手帳を見せて名乗っただけで周囲がざわついた。特に後ろにいる取引先らしい女性が何事かと伺い、上司の男性が何事だと耳打ちしている

……ここではなんですからオフィスへどうぞ」
「いや、そこまで行く必要はない。名乗りはしたけど手帳はただの身分証明書だ。今は勤務時間外で、ここへは個人的な話をしに来た」
「それならなおさらここでは困る」
「困る?それが何だ。自分を袖にした女に嫌がらせを繰り返しておいて笑わせる」
「テホン、どういうことだ!!」

上司の男性が顔を蒼ざめさせ、取引先をちらっと見てから小声で詰め寄る。ヨン・テホンは顔を真っ赤にさせて首を振った

「わけがわからない。第一俺には付き合っている女性が
「そんなことどうでもいい。彼女がいるくせに人の女に手を出すな」
「!!」
「彼女のありもしない噂を流して危険な目にあわせて高校に通えなくさせた。再会してからも言葉巧みにだましてあの晩何をしようとした?今からでも訴えるか、襲おうとした女が逃げるために友達の店の窓を壊したってな」
「やめろ!!」

俺の腕を掴んで隅へ引っ張ろうとしたのでそれを捻り上げ、地面に膝をつかせた

「警官に対する暴行の現行犯で逮捕してもいいんだぞ」
「ふざけるな!!お前がいきなり人の職場に……非常識だぞ!!」
「悪かったな、わざとだよ。お前がちょうど上司や取引先と一緒にいるところと鉢合わせなんて、天が俺に味方したかな」

実際に味方したのは遊園地だいすきクラッカーおじさんだ(名前談)

「お前が過去のことをちらつかせたせいで彼女は路上で吐いた。それ見て怒鳴りつけて逃げたんだろ。確か腕を掴まれたって言ってたな、傷害罪が適応する」
「頼むから……ッ」
「彼女に二度と近付かないと誓え。そうすれば今日はこのまま帰ってやる」
「わかったから!!近付こうにも連絡先も知らねえよ!!」

これでいい。周囲に対する言質は十分だ。俺はヨン・テホンを引っ張り起こした

「逮捕なんてしない。俺はそこまで優しくないから心配するな」
「よくも俺がこの先どうなると」
「周りにあることないこと噂されて白い目で見られるんだろうな。お前が名前に高校時代したのと同じように」

俺と出会う前までの記憶に矛盾点の多い名前だが、重大な出来事に関してはちゃんと覚えている。母親とのこと、義父のこと、ジェミンとのこと。この男のことを忘れていたのは忘れたかったのもあるだろうが、彼女にとってもっとひどい出来事をたくさん経験してきたからに過ぎない。そうでなければ、今でもトラウマになっていたはずだ
いや、もうすでになっているのかもしれない

「せいぜい頑張れ。クビにならないといいな」
……覚えてろよ、市警を訴えてやる。勤務時間外にこんなことしてるってな」
「やってみろ。俺の同僚は名前の友達だからお前の味方はしない。だいたい訴えてどうする。自分が彼女に何をしたか自白するか?」

俺は彼の胸ぐらを掴んで引き寄せ、低い声で囁いた

「いじめを先導して自分だけが味方のふりをして、弱みが足りないとわかってより追い込んだ。自分を頼るように仕向けたかったんだろうけど残念だったな。あの子は強がりで頑固なんだ」

自分を大事に出来ないまま大人になってしまった。子供みたいに泣くのは、子供だからだ

「プライドを傷つけられたリベンジのためだけによくやるよな……そのくだらないプライド捨てないとこの先生きていけないと思うぞ。噂はすぐに広まる」
「昔のことだろここまですんのかよッ」
「お前が言うな。昔のこと?それを蒸し返したのはそっちだ」

パッと手を離すとヨン・テホンは無様に地面に転がった

「またお門違いの逆恨みなら、今度は俺に直接来い。相手してやる」

そのまま俺はビルを出て、車に乗り込んだ。電話をかけると2コールで出た

HS『済んだか』
「無事に。名前はまだ寝てると思うけど
HS『早く帰って来い。寝言で知らん男の名前呼んでる』
………嘘だな。引っ掛からない」
HS『引っ掛かりかけたくせに。あんたの名前呼んで泣いてるよ、寝ぼけて。早く帰って来てやれ』

電話を切り、車を発進させた


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