@cio_enbun
●嬉しそうに赤面する法月愛の描写
二章で仁の母親・法月愛が過去回想で笑顔で「何か」を見て仁がショックを受けているシーンがありました。他の方も同様の予想をしていると思いますが、おそらく「聖のスターライトエクスプレス」を見ていると思います。
ただジャンプを見て想起しているのは「ジャンプを飛んだ氷室聖」ではなく、「自分の息子の法月仁」だと思います。
●法月愛の人物像について
過去の公式インタビューで
・とにかく格=ステータスにこだわる人物
・自分の夫(皇)と息子(仁)の事も愛しておらず、格を上げる為のアクセサリーのように思っている
・法月皇とはお互い利害関係が一致した愛のない政略結婚
という設定が明かされていました。
この内容だけだと冷酷な人物に見えます。何故法月愛はそんな風になってしまったのか?
完全な想像ですが、おそらく
・法月愛の両親も「愛のない政略結婚」をした夫婦だった
・両親は娘の事を愛しておらず、格を上げる為のアクセサリーのように思っている
・法月愛は自分の両親に愛された経験がない為、法月愛本人も人を愛するという事が分からない人物に育ってしまった
という設定があるのではないかと思います。
祖父母の世代から負の連鎖をしている。
プリズムのきらめきが「ない」人はいない、プリズムのきらめきが「分からない」人がいるだけというのが作品内の公式設定です。
法月愛は「プリズムのきらめき=愛情」が分からない人。
●法月仁について
氷室聖と速水ヒロは法月仁に対して「自分が子供の頃はとても良くかわいがってくれた」と言っています。これは法月仁本人が自分の父親・法月皇に「愛されて育った経験がある」からです。
仁は父親に「尊敬と畏怖を抱いており、言われた事に逆らえない」
という設定がありますが、逆に
皇も息子に対して「円満な家庭環境を与えられなかった負い目があるので、仁が悪い事をしてもちゃんと叱る事が出来ず、とにかく甘やかしている」
という設定があります。
法月皇について「弟の聖の方だけかわいがって仁を冷遇している」という見解もありますが、逆に仁に対して「間違った過保護」をしているタイプだと思います。法月皇は「プリズムのきらめきを理解している」側のキャラクターなので、兄弟間で過剰な依怙贔屓はしないタイプのはず。
RLで聖が失脚し法月皇がプリズムショー協会会長になった時の仁の「親父が会長なら好き放題できる」というセリフは、間違った過保護を受けるのが当たり前だと思っている事が原因です。
皇は昔の優しかった仁に戻って欲しいと思っていましたが「悪い事をした時にちゃんとお説教をする」という基本的な事をしていなかった。
45話で皇が仁を勘当しますが、あのシーンはおそらく初めてまともに父親として悪い事をした息子を叱ったシーンです。
●スターライトエクスプレスを好きなキャラ
うろおぼえですが聖のスターライトエクスプレスで出現する電車は
「母親の実家(長野?)に繋がっている電車」
という設定があったと思います。亡くなった母親の事を想って跳んだプリズムジャンプがスターライトエクスプレスです。
速水ヒロも聖と同じく「母親の事が好き」という設定があるので、聖のジャンプの母親愛に共感し、感銘を受けました。ヒロ本人もスターライトエクスプレスを飛んでいますが、出現する電車は
「九州の施設から母親のいる東京に行く電車」
です。聖のジャンプを見て「自分と母親の関係」を想起している。
SSS1章では子供時代の太刀花ユキノジョウがスターライトエクスプレスを笑顔で見ていました。ユキノジョウも聖と同じく「自分の母親(節子)の事が好き」なので、共感し、感銘を受ける。
スターライトエクスプレスを見て驚愕した黒川冷に関しては家庭環境等の設定は不明です。しかし「好きだった恩師の女性が亡くなった」という設定を基準に考えると、聖の母親・マリアは既に亡くなっているので「故人に対する愛情」に反応してすごい技だと思ったのかもしれません。
法月愛はおそらく聖のジャンプを見て
「息子というのは自分を生んだ母親をこんなにも愛するものなの!?」
と驚いた。そして
「自分も息子(仁)を産んでいるから、仁とこれからこんな素敵な関係になれるかもしれない」
と人生に希望を抱いた。今まで両親にも夫にも本当に愛された経験のなかった人間の夢。
氷室聖は法月愛の息子ではないので、想起しているのは「法月仁」のはずです。
この愛の表情が仁視点だと
「母親が聖のジャンプを見て今まで見た事もないような笑顔をしている。自分より聖の方を好きになっている」
という勘違いを引き起こし、自分の存在が脅かされると恐怖している。
●SSSでの愛と仁の描写
仁は「お母様のお陰でビジネスが成功しました!流石お母様!」と話しかけ、愛が虚ろな表情をしながら返事をしています。
仁にとっては「自分がビジネスで成功して更なる格を手に入れれば、格至上主義の母親は自分に興味を持ってくれるはず」という考えで行動していると思います。
逆に愛の方はおそらく聖のジャンプを見た事で価値観が変動してしまっている。
仁のセリフを聞いて
「息子は自分のお陰でお金が儲かったと言っている。他の人間と同じ様に私の事をお金儲けの道具だと思っている。私は息子にも人間として愛されなかった」
と人生に絶望している。
法月仁は母親のリアクションが薄いので「母親は自分に興味がない」と思っている。
法月愛は息子がお金儲けの話ばかりするので「息子は自分に興味がない」と思っている。
仁の言葉がRL45話でヒロが母親に言った
「お母さんにとって僕は邪魔だったのかもしれない、だけど僕はお母さんが好きです」
という直球の母親への愛の告白だった場合、法月愛の方も速水ヒロの母親のように
「仁…!」
と感動して振り向くのではないかと思います。