@corona_moca1111
「セッション第三回」
担当:蝶野
クライアント:祖久世 治郎
「音声データ」
※このデータはクライアントの許可を得ていません。あくまでも防犯対策に取っているものです。
また、ここに筆記したのち、そのデータは削除、秘守義務のガイドラインに沿う形で処理しています。
(インターホンの音)
祖久世「はーい」
(ドアの音)
蝶野「こんばんはー。」
祖久世「こんばんはぁー」
蝶野「はいこれ。」
祖久世「……オレンジジュースも?」
蝶野「ええ。ビタミンです。ふふふ。」
祖久世「コップ……とりあえず、どうぞ。」
(ドアのきしむ音、物音、等)
蝶野「どうですかー?ちゃんと寝れてますかー?」
祖久世「前よりはぁ寝れてますよぉー……時間がとれるようにもなったのでぇー」
蝶野「……なん時間ですか??というかどれだけあそこにいた時寝てなかったんですか……??」
祖久世「えぇー……? 時計見てなかったんでぇ、なんとも……あー、朝日は昇ってなかったですねぇー。
研究所はぁ……徹夜とかよくしてましてぇー……寝ても一時間とかぁ、休憩時間とか、結果待ちの間にぃ、こう……仮眠取る感じでー」
蝶野「……人間は6時間寝ないとダメなんですよ!まだまだ隈がくっきりじゃないですかー。ちゃんと寝てください?」
祖久世「はぁ……気を付けます、ろくじかん……。あ、でもこの前はぁー……電車で……行き帰り二時間寝ましたよぉー。気持ちよかったですー」
蝶野「あら、お出かけですかー?どちらに?」
祖久世「あー……研究からぁ、俺外れたんでー……個人的に契約してた人にぃー、その説明ですねぇー」
蝶野「あー、……取引先、どんなところだったんですー?聞ける範囲でいいんですけど」
祖久世「どんな……んー、結構、雰囲気は良かったですよぉー? 話しやすくて……俺の研究と似たようなこと、昔やってたらしくてー、それで声かけてもらったんですよぉー。」
蝶野「それはいいことですねー。契約ってことは……民間企業ですー?」
祖久世「民間ですねぇー……ん? 営利目的の活動はしてないのでぇー、何なんでしょーあれってー……哲学人好きの集まりー?」
蝶野「……えっ??資金はある……んですもんね?そこ、大丈夫なやつですか???」
祖久世「まー、そこは大丈夫でしたよぉー。色々助かってましたぁー。優しい人たちでしたしー、元研究員さんとかもいてぇー、勉強にもなりましたからぁ」
蝶野「……その言い方だとー、んー、別のところの目処、たってますー?」
祖久世「……………………研究は、諦めました。別のことやろうと思ってましてー……まあ……えーと……一応、どうにかはー、なりそうですねぇー」
蝶野「あら、……研究、やめちゃうんですか?」
祖久世「……意味ないですし」
蝶野さん「そうなんですかー?」
祖久世「そうなんですよー……元から、好きだったけど……俺じゃあ、無理です……」
蝶野「そうですかー、
……あんなに徹夜してたんだし、いっぱい、頑張ったんですね。」
祖久世「…………………………うん。
あの、何で……いや、何も……ありがとうございます……」
蝶野「うふふ。いいんですよ。研究が嫌いになってなくてよかった。
今は疲れてますからね。身につけたものが無くなるわけでもありませんから。」
祖久世「……そうですねぇー。一通り落ち着いたらぁ、色々考えてみますー」
蝶野「ええ。きっと役にたちますし、好きなことするのが一番ですから。」
数分2人で黙ってる時間
蝶野「……どうして、あんなことしちゃったんです?」
祖久世「……………………だめですか?」
蝶野「いいえ、思うだけなら、何も、問題ないですよ。
でも、そう、行動したら、法律違反になっちゃうので。」
祖久世「でもっ、行動しないと何も変わらないでしょう!!」
(壁を叩く音)
蝶野「……落ち着いてください。責めたり、脅したり、貴方を攻撃するようなことは絶対しません。約束します。……話したくないことは話さなくてもいいですから。ね。」
祖久世「落ち着いてる! わかってる……何で駄目なんですか。俺だけ何でっ……」
蝶野「深呼吸。吸って、……吐いて。吸って、……吐いて。大丈夫、大丈夫ですから、ね。」
祖久世「なっ……はぁ……
……何なんですか……」
(呼吸を整え、感情の波を抑えるため呼吸を整えることに集中、数分後、本人が落ち着いたのを確認し再開)
蝶野「……落ち着きました? 話を遮ってしまったのでよくわからないかもしれません。ただ、うーん、その、ゆっくり、整理しましょう。多分、なんですけど、相手の考えと祖久世さん自身の考えが混ざってるところがあるのかな、と」
祖久世「……わからないですよ……なんですかそれ。また……俺が……」
(いい淀む。会話を続けていいか迷っているようなので誘導。視点、距離感の位置調整。)
蝶野「……大丈夫ですよ。お話を聞きたいだけですから、ね。
……祖久世さんはー。自分のこと、どんなやつだと思ってますかー?」
祖久世「え……おかしいやつ、でしょ……」
(言い淀み、言葉のつかえ等の確認)
蝶野「……そう、自分で、思うんです?」
祖久世「……うん。だって、話……迷惑、かけるし……出来ない…………それに俺………………重い、から。ずっと忘れらんないから」
蝶野「うーん、…………お話ができない、迷惑をかける、人への感情が重い、ですか。
でも、お話ができないからっておかしいわけじゃないし、
迷惑は大小かまわずかけるのでおかしいわけじゃないし、
人への想いが強くて忘れられないからと言って、おかしいわけではないですよ?」
祖久世「そんなわけ! そんなわけ……だって、絶対……おかしい……じゃなきゃ、何でこんな……辛いんだよ……」
蝶野「…………辛いこと、ばかりでしたか。わからない人は、わからない人ですからねぇ……。頑張り屋さんですね、祖久世さんは。それだけ頑張ってたんでしょう?」
祖久世「頑張っても人並みになれねぇじゃねーか……!!」
(鼻をすする音、等)
蝶野さん「……ちゃんと立ち向かって、受け入れて、努力する。それ自体はとってもすごいことですよ。
……でも、なりたいレベルにまで行かなかったなら、苦しいし、悲しいでしょうね。
……無理してたんでしょうねー。疲れたでしょう?おまけにチョコもつけちゃう。ふふふ」
(泣いているようなので待機。距離感を保ちつつ、様子を伺っていた。しばらく経ってからチョコレートを受け取る。)
蝶野「チョコは疲れてる時、いいんですよー。あとでゆっくり食べてくださいねー。えへへ、
……ちょっと遅くなっちゃったので、そろそろ帰らないと。まぁ、また来ますけど。ふふ。」
(帰りの支度を始める。支度が終わるまで無言、ドアのほうに進むときに応答、引き留めようとするような動作を確認、だが、やめた様子)
祖久世「…………待ってます」
蝶野「……えへ、無理しないでくださいねー」
(ドアの閉まる音)