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捨て犬が居たから拾ってあげる優しいほづみん

@a_hazukiv2
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2019-05-15 07:27:59

TLあまり見てないのに人様のキャラを主人公にすると物凄く大変

異世界生活四日目、快晴(恐らく)。
俺、中村穂積とさこやま、十は本日もバイトを探して居る。この見知らぬ土地で生き抜く為には、住居を充実させたり、食費の為の金が必要になってくる。
一応グループで移動しているが、固まって探すより、多少分散した方が良いだろうという事で、バラバラに日雇いしてくれる店を探す俺達。勿論、バラバラと言っても声が届いてすぐ駆けつけられる範囲内で、だ。単独行動は現金、と注意されているからな。
そういう訳で、一人で店が並んでる通りを歩いていたんだが。

「えー、らっしゃいアルよー。イイモノ売ってるアルよー」

怪しい浮浪者の露店と遭遇してしまった。

(………あまり目の前を通りたくないな…)
その謎の男は、カツラのような白髪アフロにティアドロップサングラス、某イギリスの魔法学校小説の校長の様な長いヒゲを生やし、真っ赤なアロハシャツを着ていた。おまけに何処かの漫画から出てきたのか?と聞きたくなるような謎の中国人モドキ口調だ。怪しいとかいうレベルの話じゃない。

(迂回して行くか、無視して行くか……)
その場に立ち尽くして悩んで居たが、ある事の気付く。
その浮浪者の売っている物に違和感を感じた。
(あれは……………うまい棒。ポッキー。かっぱえびせん明太子マヨ味……)
見慣れた菓子が、ズラリと並んでいる。
…………売っているのか??異世界にも??
確かにあんこやドーナツとか、食べ物は幸い似通っているらしいが、期間限定品のかっぱえびせん明太子マヨ味まで売っている物なのか……??
思わず菓子を凝視していたら、不幸な事に露店の主に気付かれてしまった。

「ん??あれ、中村?中村じゃん!」
怪しい浮浪者に名前を知られている。おかしい、名乗った覚えは無いぞ。まさか……エスパー能力者か……!?
身構えて背中にしっかり竹刀があるのを確認していると、浮浪者が立ち上がった。
「俺俺!!俺だよ!!!」
エスパーの次はオレオレ詐欺か……その手には乗らないぞ、と相手を睨むと、浮浪者はおもむろにサングラスとアフロを外した。
……アフロって着脱可能だったのか……
そして目の前に居たのは…

「………………………………始田……響……」
クラスのお調子者、始田響だった。

始田について俺が知っている事は少ない。
1.良く無崎に絡んで流血沙汰を起こしてる。
2.プリントを回収しない。
3.割と友達は居るみたいで、良く色んなグループに出没してる。
4.身長が男子の中で一番小さい。
5.無崎にボコられてもめげない。
席は近いものの、あまり話した事が無い人物だ。騒々しいからか、凛子なんかは良く睨みつけている。悪い奴では無い………と、思うが。

「中村もこっちでバイト探しか?」
人懐っこい笑みで話かけてくる始田。
(………「も」??)
今こいつ「も」って言ったか??この格好でバイト探しをしてるのか??
「ああ。そういう始田は…………何してるんだ?」
本当に何してるんだコレ。
「見てわかんねえ?露店だよ露店!俺が個人的に持って来た東京の菓子を売ってんの。異世界のお菓子だよーって。それがすげえ高値で売れるんだわ!!すげえよ!売れ残り様様だぜ!!」
なるほど。露店。いやそれは分かるが……
「始田。あまり異世界から来てるってのをおおっぴらに言わない方が良いんじゃないか?例の…ヘルメスって奴も言ってたろ?」
「大丈夫だって。その為の変装だ。それに一応誤魔化してるから。お、丁度いいや、ちょっとそこに隠れて見てろよ?」
そう言って俺を近くの路地裏に押し込むと、始田は近づいて来た白衣の二人組に接客しはじめた。

「ハロー、異世界のお菓子、いっぱいアルヨー。美味しい美味しいお菓子ヨー。凄く珍しいアルから一個10圓からヨー」
う、うまい棒を一本1000円で売るのはいくらなんでもボッタクリじゃないか?
「おい、貴様!随分と怪しいな…東京の物なんて何処から仕入れた。答えろ!返答によっては我々に付いてきて貰う事になるぞ」
客として現れた白衣の中年は今にも掴みかかりそうな勢いで始田に向かってつばを飛ばす。
たとえ東京の物を売っていなくてもあの格好は怪しいと思われるだろう。
「おー怖いネ。これ、全部アッチ落ちてたヨー。カバンとかにいっぱい入ってたネー」
と、言いながら始田が指したのは、俺達の拠点から全く別の方向だった。なるほど、こうやって嘘の情報を流していたのか……しかし普通こんな話信じるか??
「本当だろうな、貴様……いや怪しすぎる。やはり向こうから来た連中の一味だろ…!」
だろうな、うん。普通騙されないよな。ここは早く始田を連れて逃げないと…
そう思い、竹刀袋に手をかけたその時。


「鷣芓ꫤ몋胣芏ꫣ膄꟣莨볣肂꿣芿럣肁髣膣꣣芳돣膧닣膣鿣莍볣肂ꇨꚪ臦떷껥邑鏣膆诣芉볣膄꿣芿럩肣賣膦ꗣ膟胣膣ꛣ膟釣膩臣莯뿣芷臣膂鏣膾ꗣ芉ꫣ膄跣莼若辣뿦肪韣膄껣肁ꇨꚪ껣膛蓣膭볣肂꿣芿럦芪迣膪蓣莍」

(な、何っ……!?始田が……何を言ってるのか分からない……!?)
この現象には、覚えがある。時たまあのヘルメスという奴が話してるのを聞いた時。
まさか、始田の奴、アレを……!?

「へぇ……響の奴、中々やるじゃん……でも詰めが甘いね」
いきなり横から声がしたと思ったら、いつの間にか湊が生えていた。
「どういう事だ…?」
他にも色々聞きたい事があったが、一先ず飲み込む。
「確かにこの短期間で、あの謎の文字化け現象をマスターしたのは凄いと思うよ。ただ、通常彼等の文字化けはUTF-8をShift JISに変換している物なんだ」
何を言っているのかさっぱり分からない。日本語で頼む。
「でも、響の場合、UTF-8をUTF-16に変換してしまっているんだ。これがどういう意味か分かる?」
分からない。何故こんなに緊迫した空気なのか分からない。
「もしかしたら、今の発言が上手く相手に伝わって無くて逆に怪しまれるかもしれない、って事だよ………」
ゴクリと息を呑む湊。良く分からないが始田が危ないかもしれないというのは分かった。
俺はお互いに小声で話し合ってるらしい白衣の二人組を注意して観察する。万が一の時に、飛び出していけるように。

「………これらを見つけたのは向こうで合ってるんだな?」
「オーゥイェース、そうアルヨ!」

ご、誤魔化せた……!!何とか誤魔化せたぞ…!!
しかもついでにあいつらかっぱえびせん買って行った!「うおっっ何これうまっっ」という声が聞こえる。
「ふっ……全く、危なっかしいのに何だかんだ難を逃れちゃうんだから」
湊が隣で苦笑いをしている。きっと良くある事なんだろう。絶対に友達になると後悔するタイプの奴だ。
「……所で湊。お前どうしていきなり生えてきた?B班は行動範囲こっちじゃないよな?」
「うん、まあ、解説キャラなら僕かなって思ってね―――」
ちょっと何言ってるのか分からない上に説明になってない。湊はいつもは普通なのに、ごく稀に変な事を言う。
「それじゃあ、僕はこれ位で失礼するよ」
そう言い残し、湊は路地裏の奥へと消えて行った。十に挨拶しなくても良かったんだろうか。
あまり深く考えたらいけない気がする。うん。

白衣の二人組が去ったのを確認して、路地裏から始田の元に行く。
「わっはっはーほらな、大丈夫だったろ?」
けらけら笑って居るが、あまり大丈夫じゃ無かったかもしれない事を理解しているんだろうか。

若干呆れながら隣に並ぶと、一瞬で周りの空気が変わる。始田が、こちらを睨んでいる。
今まで脳みそがカラカラ音を立ててるんじゃないかと思うような顔付きだったのに、白衣の連中と対峙した時より遥かに棘のある雰囲気に思わず息を呑む。
こいつは誰だ……??

「おい。中村」
始田にしては、低い声で呼び掛けられた。
「お前、カクシゴトしてるだろ」
思わずギクリと体が軋む。
「他の皆は騙せても、俺は騙せねーぞ」
俺より何十センチも小さいのに、この威圧感は何だ。それに、まさか始田は……
「お前、その竹刀袋」
竹刀袋―――ぎこちなく、背負ってたそれを更に、隠すようにする。
やめろ。この事には触れるな。
「その中に入ってるモン、出せよ」
始田は、無表情だ。普段あんなにコロコロ変わる表情が、能面のように冷たい。
「な……ぜ………」
何故、バレた。何故、分かった。しかし、声は出なかった。
「分かるんだよ、『におい』で」
逃げ出したいのに体が動かない。もう、ここまでか……
「早くその竹刀袋の中身。出せ」
ゆっくり背負ってたそれを下ろし、袋を開く。

中から竹刀と共に出て来たのは、



一本のフランスパン。

「ずるい、ずるいぞ。こんな美味しそうなモン隠し持っておくなんて!!俺にもくれ!!」
今までの空気は何処に行ったのか、という程子供っぽく怒る始田。しかしこれだけは渡せない。
「ダメだ。これは非常食だ。非常食は隠し持っておくのが良いと、本に書いてあった」
ありがとう、昔読んだサバイバル本。
「何でだよ!今が非常事態だろー!いつ食べるの、今デショ!!!!何で隠すんだよ!!!」
「お前みたいな食欲の化身に食い尽くされないようにだ」
始田は、その身体からは想像出来ない位食う。恐らくあっちこっち運動部に遊びに行ったり外で遊び回ってるからだろう。弁当は大体重箱を持って来ている。
ぶーぶーと不満を訴える始田を無視し、竹刀袋にフランスパンを入れる。これは、先日さこやまと十と一緒にしたバイトで……
そこで、ふとある事に気が付く。

「始田、お前一緒に行動してる奴は?」
今度は始田がギクリと固まる。
「な、なかむらこそ……」
「俺のグループはすぐそこに居る」
明らかに狼狽えている。これは、確実に単独行動だな。
「複数人で動くよう、言われてただろ」
「う、だ、だって……俺が良く話す奴、B班ばっかで……皆こう、微妙な空気だったりであんま入れて〜って言い出せなかったっつか……」
なるほど。十やさこやまと似た感じか。
しかしそれより俺は始田が空気を読んでいたという事実に心底驚いている。空気、読めたのか……
「じゃあ、うちの所に来るか?さこやまと十……佐古山田と菊坂が一緒だけど」
いじいじくねくねと気持ち悪い動きをしてた始田の顔がパッと明るくなる
「まじで!?!?」
「ああ、あの二人にも一応確認入れて大丈夫だったら」
「やだ……中村イケメン……惚れる……抱いて……」
「それは断る」
確かに始田は顔だけならそこそこ可愛いが、男だ。例え女でも嫌だが。

「それじゃあ、改めて自己紹介。中村穂積、呼び方は好きにして良いがほづみんって良く呼ばれる。特技は肩が30mに伸びる」
「マジかよ……じゃあ俺は始田響、触覚が100m伸びるわ……」

こうして俺達は握手をし、さこやまと十の呼ぶ声の方へと歩いて行くのであった。




ツッコミ不在のまま完。


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