@soma_ITzDB
征伐戦前夜。国主である淡海清十郎との、たまたまの邂逅を終えた夜。
中庭を辞した弔は一人、練兵所にて剣を振っていた。
早く睡眠を取った方が良い。それはそうだ。だが、不死たるこの身は食事も睡眠も最低限で十全に動く。
——ならば、その分を。より多くの修練に費やす事。少しでも、高みに至りたいから。
——清流の太刀、壱の型 水面斬り
横薙ぎに勢い良く振り抜かれた斬撃が、木偶を両断する
弐ノ型 水車、参ノ型 流流舞い、肆、陸……と。己の剣技たる清流の太刀の型を確かめる様に一つ一つ繰り出して行く。
そして、技を繰り出す度に……記憶の中の剣士と比べ、また一つ大きく剣を振る
——青龍の太刀
男の、声が聞こえた気がして
弔は、その場に崩れ落ちた。
「……しまった。また限界を忘れてた」
ううん、と少し唸る。四肢が内出血により真っ黒に染まり、おそらく骨も折れているだろう。
本来ならば救護室に転送される程の怪我なのだが……弔にとってはそうではない。
既に折れた骨はくっつき、真っ黒に染まっていた四肢は元の姿を取り戻しつつある。
とは言え、魂を酷使する回復で無ければ時間は少しかかる。大の字に寝転がりながら、練兵場の空を見上げる。
『清流の太刀』。……本来は、『青龍の太刀』と呼称する物。
縁樹国四神将、『青龍』の絶技の剣。
……俺の、剣の師匠。
跳ねる様に飛び起き、木偶へと激流の如き連撃を放つ
——拾ノ型 生生流転
縁樹国は、必ず滅ぼす
——それが、俺の責任だ