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竹輪国vs四葉国

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2019-06-10 20:56:49

ジバング歴1021年。竹輪国に激震走る。
銃を産地とする武力国家でありながら、強国に劣るとして一切の制圧行動を行わなかった四葉国が竹輪温泉を占拠したのだ。
この一件を受け、竹輪国の国主竹沢輪檎は急遽評定を行った。
評定の場に集まったのは勿論国主でもある竹沢輪檎。続いて星5のチクワ・ブースト=キャノン。竹輪王。
更には星3の忍将兵こと件の違法使い。星2の竹輪長吉。更には星1のアイリス・ハルベルトの姿さえも見えていた。
勿論竹輪の幻想種もいる。

「殿! 速やかに竹輪温泉を奪還致し四葉の小童共を蹂躙してくれようぞ!」

進言するは竹輪の幻想種。この一言にこの場に集う彼女以外の全ての者が頷いていた。
評定は終了。戦術も決まった。竹輪国の反撃は開始される。

……。青く短髪の女でもあるアイリス・ハルベルトは評定終了後に速足で城を裏口より出て、「自由に使ってね」と書いてある竹輪を構え、咥える。

「馬鹿ーーーーーーーーーーー!!!!!」

彼女はあろうことかその竹輪をメガホンのように利用したのだ。圧倒的な竹輪背徳概念を咎める者はいない。

「はーー!! はーー!!!! 何で降伏しないの!? っていうか何だよ竹輪って未だにわかんないわ!!
普通に考えてみなって!! 資金は貿易によって辰浪之国に溶ける!! 兵は練度の低い連中ばかり、しかも挙句には銃さえ竹輪!!
これで打って出るって何!? 勝てる訳ないじゃん! どう頭良かったら勝てるのこれ!? 諸葛亮も真田親子も匙投げるわ!! これぇ!!!
後なんで評定に竹輪の幻想種混じってんの!? アレ竹輪国の経済負担の敵!! それに何で皆頷いてんの!?」

彼女の渾身の叫びには理由がある。
彼女はジバング出身ではない。異世界人だ。しかもあろうことか竹輪国の象徴竹輪大明神の使徒ではない。
故に、着眼点は人とは違う異端児なのだ。

さて、現状だ。現状の竹輪と四葉の流れはもう変えられない。
故にアイリス・ハルベルトの出陣の流れも変えられない。彼女は自慢の火縄銃を持ち出して練り物製作陣へ訪れる。
既に先人としてチクワ・ブースト=キャノン含む竹輪の兵が軍議を行っていた。

「知らなかった。こういう意味不明な名前なのに大河ドラマとかで良くみるようなまともな陣もあるのね。ブースト」
「竹輪……守ル……練リ潰ス……」
「そうね。……練り物の文化は守りたいものね。でも私確かに竹輪も練り物も好きだけど、それしか食べないのはやだなあ」

彼女も軍議へ参加し、今回の作戦を確認する。
流れは単純だ。攻める。攻める。練り潰す。

「ブースト。……軍議はいいんだけどね。当たり前のように竹輪の幻想種がたくさんいるんだけど、これは何かな」
「……アッ」
「アッじゃないよ。ちょっと可愛いな君。アッて」
「伝令でござる!」

軍議の場に伝令兵も兼ねている件の違法使いが参上する。

「四葉国、竹輪城制圧間近! 速やかに向われよ!!」
「ええ!? 今2キロ離れた先にあるとこまで来たのに帰るの!? っていうか侵攻早くない?」
「四葉国は銃の名手揃い。無駄に地形だけは良い竹輪国は圧倒的不利だったでござる! 
っていうかフルカスタムライフル軍団と竹輪じゃ勝負になる訳ないでござる!」
「あ、はい」

彼女は嘆きを得た。理解。肯定。諦め。その全てが同時に押し寄せる。

「ブースト。指揮は星の高い貴方に! 命令を!」
「全軍……竹輪城……モドル……!!!!」

全軍が竹輪城へ撤退した。

この後の流れを詳細に記すほどのことはない。
ただ城の包囲と制圧に間に合わなかった遠方の軍というだけの話だ。
こうして、竹輪国は滅亡した。

『竹輪牙龍』竹沢輪檎 1021年、失踪――





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「ふむ。なかなかの知略だな。その知略。我らに預けると良い」

背後から声が聞こえ、思わず彼女は振り返る。
そこには白髪の若造が立っていた。若干チャイナ服にも見える服装はジバング人というよりは中国人なのかと疑わせた。

「……えっと、敵?」
「そう敵だ。いいや、これから味方となるのだ。これぞ我が知略」
「(この人は知力って単語でラップする人かな?)」

男は訝し気な表情で彼女を覗きこんだ。

「……お前も、夢に溶けてしまいそうだな。おやすみ。アイリス・ハルベルト」

寂し気に男は言葉を漏らす。


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レン @takonsm
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