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鬼屋敷戦国小話その1

全体公開 1 2618文字
2019-06-13 20:42:05

収録:[マサラのロージィと卑怯な勝ち方][凪姫が地軍の視察にやってきた][鬼と不動の地軍会議]

Posted by @umeshu0876

 ※時系列的には反乱鎮圧後です。

・登場人物


【鬼屋敷歳三】
地軍副将のおっさん、強い。



【マサラのロージィ】
不良系トカゲ娘、歳三をライバルとして見てる。



【淡海凪】
実は裏でブイブイ言わせてる系のお姫様、今日はキリッとしてる。



【「不動」ナイトホーク】
何故かいつもしゃがんでる智将、お前それ喋りにくいだろ。

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【鬼の副長とマサラのロージィ】

練兵場にて、一人の男とトカゲの女が向かい合っている。
これはトカゲの女マサラのロージィが鬼屋敷歳三へと喧嘩、もとい模擬戦をふっかけたためであった。
「ルールはどうする」 模擬戦用の斧槍を軽く振り、男はロージィへと問いかけた。

「ああ そうだなあ……
身を屈めている、大斧を担いだロージィはほんの少し、逡巡するように顎を掻いた
……最後まで立ってたヤツが勝ちだ!」
その言葉と同時に、尻尾で低くなぎ払いながら担いでいた斧を一気に振り下ろす!

その斧は、ロージィは、ピタリと縫い付けられたように動きが止まった。
周囲に張り巡らされた細い、黒い糸が彼女の動きを封じている。
「それなら、俺の勝ちだ」
動けない標的へと、斧槍が振り下ろされた───



「ガァ~~……この手なら上手く行くハズだったのに……
頭を掻きつつ、自分を倒した男を見る

「奇策を試すにはまだ早かったな、トカゲ娘」
斧槍を持った男が、地面に座り込む不良娘を見下ろしている。

「こンの……! オッサンの方こそ、何しやがった。そっちは何もしてねえのに、動けなくなったぞ!」
斧の柄を杖にし、地面を踏みしめて立ち上がる

「準備していた結界を使わせてもらった……”最後まで立ってたヤツが勝ち”というのがルールだったな」
ク、と口の端が釣り上がり、恐ろしい笑みを浮かべた。

「ぐぅ……!」
悔しそうに、その笑みを見て歯噛みする。顔の恐ろしさならば負けてはいないのだが。
「じゃあ……仕切り直しだ!今度は不意打ちとか卑怯な手は一切無し!どうだ?」

「いいだろう、掛かってこい」

「行くぞグルルァア!」



模擬戦は歳三の勝利となった。
「ガァ~~負けた負けたあ! そんだけ強いんなら、あんな手使わなくたって良かっただろオッサン!」
やられた勢いで大の字に寝っ転がっている。床が狭い。

「手加減は、性に合わんのでな」
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【凪姫が地軍の視察にやってきた】

青空の下、兵士たちの気合の声が幾度となく繰り返されている。
ここは地軍の練兵場であり、兵士たちは2つのチームへと別れて模擬戦闘を行っていた。
それを眺めているのは淡海凪、この柾良の国の姫君である。
……気のせいでしょうか、以前よりも士気に欠けているような」

「凪姫様にもお分かりになりましたか」
鬼屋敷歳三はいつもとは違い、丁寧な言葉で返す。
「筆頭は練兵についてはあまり詳しくはありませんから、兵の訓練は己がしているのですが、練度はまだまだといった所」

「致し方のない事です、聞けば彼女は元は神社の巫女だったとの事、
 争いと無縁の生活だったのでしょう、それは喜ばしい事でもありますが」
その態度は、自分より遥かに年上の男相手でも、毅然としたものであった。

「そうですが、状況としてはあまり良くはない問題がある」
練度の低い兵の様子を、鋭い目つきで見る。
「今攻められれば、柾良の国は脆い」

……中で分かれ、そして兵達は士気が落ちている
 一刻も早く、解決せねばなりません歳三?どうかしたのですか?」

「そう言ってくれるのならやり甲斐があるというもの」
ク、と男の口の端が釣り上がっていた。
「任せておけ、お前の国を滅ぼさせやしない」

「頼もしい言葉です、鬼の副長様」
クスリ、と微笑んで
「その言葉に託しましょう、征良の姫として……この国の、未来を」

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【鬼と不動の地軍会議】

ここは地軍会議室、地軍の将軍たちが集まり、会議をしている所であった。
議題は反乱によって兵士の弱兵化したことについてであり、現状が他国に知られればあっという間に国は滅んでしまうだろう。
「今必要なのは、地獄の訓練だ」
地軍副長、鋭い目つきの男は確信を持って断言した。

「弱兵しかいないのなら、鍛えればいい。その意見に相違はないが」
しゃがんだ姿勢のまま。"不動"と呼ばれる男は鬼の副長に視線を向ける
「時間がない。他国との戦いも控えている中、どのようにして時間を捻出するか、だな」

「ローテーションを組み、合宿……貴国ではブートキャンプと言うのだったか?」
腕を組み、口の端を釣り上げて恐ろしげに笑う。
「一ヶ月もあれば死ぬ気で生き残ってやると心から思うようになる」
周囲の他の将軍たちはドン引きした。

「全体の練度の底上げを行うならば。それが一番現実的か
 生き残れる兵士が一番いい兵士だ。鍛えるならば徹底的にしごきあげた方が兵の為になる」
穏やかに笑みを浮かべているが、話す内容は穏やかなものではない。

「ああ、調練の内容は任せておけ、俺はそう簡単に兵を死なせやしない」
「頼むぞ。弱兵でも勝てる戦術は用意できるが、数には限りがあるのでな」

鬼と不動の二人はお互いに笑いあった、周囲の将軍は『あっやばい所に来てしまった』と気づいたが、時は既に遅かった。
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