@875108Express_
搭乗人物達の協力のもと、ランチパーティーは無事に終了した。普段はリズットから出されたものを食べていただけだったが、こうして全員でおにぎりを食べたり、たこ焼きを焼いて食べたのも、彼らにとっては貴重な経験になったのかもしれない。
ランチパーティーの片付けが終わり、搭乗人物達が列車に乗り込むと、彼らは列車の内装がいつもと少しだけ違うことに気づいた。
そう、列車の壁の至るところに、輪飾りと色とりどりのペーパーフラワーが貼り付けられていたのだ。
これは一体何なのか。そう思った搭乗人物もいただろう。そこにタイミングよく、怤藍が日傘を折り畳みながら列車に乗り込んできた。
「あ、皆これ気づいた?これはね、次の駅でちょっとしたイベントをするための飾り付けなの」
イヴァン「イベント……?」
「そうなの!とりあえず談話室で、そのお話するね。皆おいで~」
希更「イベント?なになに?」
怤藍が全員を談話室に招集すると、列車が発車した。
イヴァン「なるほど、それなら一先ず話を聞きにいくとしようかな」
ガタンゴトンと列車が揺れる中、怤藍は話を始めた。
「実はね?次の駅であるレグルシア駅なんだけど、びっくりするくらい活気のない町なんだ。お店もないし、めだったものも何にもないんだ」
怤藍が話を進める傍らで、リズットが全員分の紅茶をいれ始める。芳しい紅茶の香りが、談話室全体に広がっていった。
イヴァン「活気の無い町ねぇ……俺の育ったとこもそんな感じだし、少し親近感がわくな」
「せっかくだから、これから立ち寄る駅を活気づけようと思って、あたしたちでイベントをしようと思うんだ!」
イベントと聞いて、首を傾げる者や、身を乗り出す者もいた。
「というわけで、発表をします。そう!イベントというのはずばり!皆大好き【文化祭】だよ!」
怤藍がそう宣言すると、リズットが真顔でクラッカーを鳴らした。
八重「文化祭?私たちで?」
「もしかしたら、余命宣言を受けたせいで、学校行事とかに出られなかった子もこの中にいるかなと思ってね。かくいうあたしとリズットくんも、こういうイベントには一回も参加したことないんだ」
希更「……ぶんか、さい。……。そう、だね!うん!すごいたのしそー!」
リズットが目を伏せながら、全員に淹れたての紅茶を配る。
八重「ありがとうございます」
「だからあたしたちの、あたしたちによる文化祭をしようと思ってね!みんなの思い出に【遺る】、さいっこうのイベントを、ね!」
エマ「ぶんかさい?んんんー、よくわかんないけど楽しそう!」
紅茶を配り終えたリズットは、デザートを取りに厨房に戻った。
「文化祭では、チームに分かれて【出し物】を皆にしてほしいの。出し物は【プラネタリウム】、【ファッションショー】、【絵画展】、【コンサート】の4つ。誰がどのチームにつくかは、あとで皆に希望を聞くから待ってて」
八重「コンサートいいね、楽しそう」
冬真「え!ですね!」
「それからレグルシア駅に着くまでに、皆には文化祭の準備をしてほしいの。必要なものは、この列車の何処かにおいてあるよ。で、レグルシア駅に着いたら、地元の人を呼び込んで文化祭を楽しむ!そして、後夜祭ではダンスパーティーをするの!ダンスパーティーでは、皆【ドレスローブ】を着て踊るの!それもちゃんと用意してるから、安心してね。勿論、踊れなくてもノープロブレム!」
怤藍が一通り説明すると、リズットがデザートを乗せたワゴンを押して、厨房からやって来た。ワゴンに乗っていたのは、表面が艶々している、出来立てのレモンタルトである。
「それじゃあひとまず、リズット君お手製のレモンタルトでも食べて、文化祭に向けて頑張ろう!おーっ!」
高らかに拳を掲げ、怤藍が声をあげた。
冬真「おーっ!!」
希更「おー!!」
八重「お、おー……?」
イヴァン「おー!」
それに続いて、搭乗人物達も拳を掲げた。