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おたわむれ、または化学反応。

全体公開 1172文字
2019-07-20 13:37:05

繁殖学部なんです。仕方ないですよね。


「ひゃいくん。」
「ひゃいくんじゃないです、田町です」
「ひゃいくーん」
……なんですかぁ」
せんぱいが疲れすぎてよく分からなくなってる。僕はまだまだできることも少ないので、昨日は休みだったし、一昨日も普通に帰れた。でもせんぱいは、なんだかまだまだやる事があるって、ずーっと出しゃばりで、えっと、何日なんだろう?え、何日寝てないの?
「ひゃいくーん。」
せんぱいがなんだか背もたれに倒れ込んで僕を見ている。酔ってるみたいになってるよ、せんぱい。
僕はせんぱいのそばにとりあえず寄りつつ、ものを蹴飛ばしてないか気をつけて、隣の椅子に座った。
「みなさんは?」
「お昼ごはんのー買い出し、にー行ってるんですよぉー」
せんぱいはいつもの様にどこかふわふわした様子で話す。機械は動いていたが、あまりメーターが進んでいない。あー、暇なのか。
「お昼ねしたらどうですか?眠そうだし。」
目の下のクマが凄いよ、せんぱい。
「あぁー。なるほどぉー。」
わざとらしく手をぽん、って叩くせんぱい。
「でもー、これ、まだ動いてるしぃー」
その先に規則正しく中身を混ぜる機械。ぐるぐるしている。すごく、眠くなる。
「せんぱい、よくこれ見たまま、眠らずに済みますね。」
ウトウトしてきた。
「そりゃーあんなことやーこんなことを考えてればー眠らなくて済むんですよぉ?」
あんなことやー、こんなことー、んー?
「せんぱい?」
僕がぼーっとしてたうちになんかめちゃくちゃこっちを見てくる上目づかいっぽい先輩。椅子の角度を変えてるし、なんか、よくわかんなくなってくる。
って、急に、膝に手を置いてくるし。
……ふふっ」
くすぐったさと違和感とが混じってついつい足をずらしてしまう。前髪が少しピンから外れて落ちてきた。
いつものあの時みたいな視界。
んー、んー。ふふ。
「なーんですか、せんぱい。そーゆーシチュでも、好き、なんですか?」
手に手を添わせて僕の上にゆっくりとつけるようになぞったりなんかして。明らかなニュアンスを載せたり華を散らしたり。
そしたら、なんかせんぱい、ビックリしてるというかちょっとぽかんとしてた。そんですぐ、目に光を飛ばしながら、いつもよりも生き生きとした声で。
「めぐみくーん。」
「はぁい?」
僕はメグで返事する。公私混同。混ざるからいいのかなぁ?せんぱいどんなんが好きなんだろ。わかんないなー。
「もしかしてぇー」


ガラ、っと音がした。
扉をあけその場面を見たのは言わずとも知れた堅物男である。
空気が50度くらい冷えるような視線。
……。」
せんぱいと先輩を交互に見つめる。
せんぱいは
「あちゃー。いーとこだったのにー」
って、なんか笑顔だった。



祖久世先輩がガッツポーズしつつ引きずられていくのを、僕は戸惑いつつ見送った。


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