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DETROIT become ezio

全体公開 3180文字
2019-09-03 12:36:17

続くか分からん。DBHパロ。

Posted by @acbh_dmc4

私はアンドロイド嫌いという訳ではないのだが、敵対商社であるアブスターゴが出資しているサイバーライフのアンドロイドを使う気が起きず、長らく周りは人間だけを起用していた。
だが、開発者であるイライジャとは旧知の仲で、たまに交流を取っていた。
その関係で彼から直接連絡が入ったのは必然だった。

『エツィオ、お久しぶりです。先日注文のあったアンドロイドが3体出来上がったんだが、確認を取りたいことがあってね。
サイバーライフの本社まで御足労頂けますか』
「アンドロイド?何の話だ?」

身に覚えのないアンドロイドの引き取りの電話を貰い、困惑する。
そもそもこの忙しい時に急な電話を取り次がれて、何事だとマキャベリに視線で訴える。
飄々とした顔で肩を竦めるマキャベリに一つため息を零して、イライジャの要望通り、サイバーライフに向かう日取りを決めた。




「これは私でも手元に置きたくなる出来ですよ。まるで芸術品だ」
……勝手に私の見た目でこのような物を造るなど、訴訟も辞さんぞ」
「まぁまぁ。そう仰ると思ったからご連絡したんです。一応貴方の名義で注文があったのでね。念のため裏を探ったらうちの株主の一人がこのデータを送った事を突き止めたんだ」

イライジャが書類を私の目の前に置く。
そこには、長年私と無駄に張り合って来るヴィエリのプロフィールが書かれていた。
一気に不快感に顔を歪める。その姿を視て、イライジャは面白そうに付け加えた。

「この3つのアンドロイドは相当なスペックを持っている。特にこの真ん中のは飛びぬけて高性能だ。
性格の細部に至るまで、初めから変異体のような言動をする。まぁ、文句を言いつつ命令は確実に聞くから変異体という訳ではない」
「この一番若い見た目の物は特に反吐が出るな。アイツは男色の気があったか。女にモテないからついにイカレたのだろうな」

17歳くらいの見た目のアンドロイドは明らかに成人用アンドロイドの特徴を有していた。勿論それは他の2体にも言える事ではあるが、一見して中性的にも見える年若い私の姿をしたアンドロイドはあからさまな受け身用の下半身パーツが付けられていたのだ。
そして今現在の私の姿に酷似したアンドロイドは、機体の耐久性をとことん上げているところを見ると、サンドバックにでもするつもりだったのだろう。
未だ私にやり込められるあの男は、自分の無能を棚に上げて私を恨んでいるのだから。

「使用用途は影武者用、ねまぁ私が引き取ればそういう事も出来なくはないか」
「私はアサシンに多大なる興味を持っている。私自身はテンプル騎士団かアサシンどちらかに肩入れするつもりはないがね。貴方にお譲りするにあたり、サイバーライフの監視システムに干渉されないよう、独自の管理体制を整えましょう」
「それで、お前には弱みを握られるという事か?」
「いいえ。うちの優秀な技師を貴方にお渡しします。彼に全てを任せてください。きっと貴方とも馬が合うはずです。
アンドロイドを起動するのはその者を貴方の元に送ってからでお願いしますよ」

中々食えない男ではあるが、自身の探求心にのみ重きを置くその姿勢は嫌いではない。
それに調度マキャベリを秘書代わりに使うのも、彼の文句が日に日に多くなって来ているため、秘書として使える物があるのはタイミングが良いと言える。
私は一つ頷いてからその場を後にし、アンドロイドと優秀な技師が届くのを待つことにした。


****

「いくら私が文句を言っていたからと言って、安易にサイバーライフのアンドロイドを使うというのは感心しません。
イライジャに関しても、得体の知れない人物です。いつ裏切るか弱みを掴まれて会社を崩壊させるおつもりですか?」
「そこらへんは大丈夫だと思う。確かにあの男は腹の底が知れないが、私の会社などには興味がないだろう。
アレは自分の作り出した人形に執心しているからな。そろそろ届くころだ。正直、昨今の暴動問題で、サイバーライフのアンドロイドには興味を持っていた。楽しみだな」

何を言っても無駄だと悟ったのだろう、マキャベリはそれきりむっつりと口を噤み、緩く首を振ると退出した。
入れ替わりでユスフが入ると、これまた好奇心旺盛な顔でアンドロイドとマキャベリについて仕方がないと私に慰めの言葉をくれた。

「マキャベリも導師と同じでご自宅にアンドロイドを置いていないみたいですからな。偏見があるのでしょう。
まぁそんな私も使用人を雇っている派ですがね。ところで、導師はアンドロイドをご自宅にも連れて行くので?」
「いいや、技師の家と共に用立てている。やはり技術者の傍に置いた方が何かと良いだろう。それに、実際使うかは起動してから考える。優秀な事には変わりないのだろうが、気に入るかどうかの問題もあるからな」

気に入らなければ容赦なく電源を切る。
嘗ての私の姿で、滑稽な言動を取ろうものならスクラップにでもしてやろう。
スキンを取ればそこまで私に似るという事もないのだから、いい気はしないまでも躊躇はなくなるだろう。
甚振るような真似をしないだけ良心的だ。
雑談交じりにユスフの報告書を受け取り彼から直接話を聞く。報告を終えた後も引き続き何やかや理由をつけてここに居座っている所を見ると、ユスフも私のアンドロイドに興味津々と言う所だろうか。
その内またバルトロメオやアントニオ、果てはパオラまでやって来て、届いたアンドロイドのお披露目と相成った。
大きな3体分の収納箱を開けると、サイバーライフの倉庫で見た私の姿をしたアンドロイドが眠るように収まっていた。
おおとどよめきが起こる。
特にユスフは若い時分の私のアンドロイドを見て、1体譲って欲しいなどと宣った。お断りだ。

「初めまして。私はレオナルドと申します。このアンドロイドはプロトタイプの特別な機体です。普通でしたら起動すれば名前を決めるようアナウンスがあるんですがこれは3体とも『エツィオ・アウディトーレ』で既にプログラムされているので起動するだけです」
「イライジャがそう設定したのか?」
「いえ、設定したのは私です。ボスの指示ですが、このアンドロイドの名前はエツィオ以外にはないだろうと
「まったく、相変わらずふざけた者だ」
「作成者としてのこだわりという事なんですかね。仕様書についても相当な拘りようで。実際テストもしてみましたが凄いですよ!」

興奮気味に頬を紅潮させて如何に複雑なプログラムを設定したかを熱く語って聞かせるレオナルドの話をそこそこに、さっさと真ん中のアンドロイドを起動した。
無言でパチリと目を覚ました中年の頃の私は、辺りをゆっくりと見渡すと不機嫌そうに眉根を寄せた。

『随分歓迎されているようだな。で?どれが俺の主人だ?』

本当は分かって言っているのだろう、私に視線をやりながら不遜にそんなことを聞いてくる。
そんな第一声に皆感心したような声を上げた。

「正にこの頃のエツィオ様にそっくりですわ!身内以外にはかなり刺々しかったですもの」
「この頃はそんなに荒れていたんですか?今もヴィエリに対してはこんな態度も取っていますが
「ワッハッハ!!確かにこの頃のコイツは良く不貞腐れていたな!」
「私は意味もなく初対面でこのような態度はとらない。やはり不愉快だ

私が鼻で嗤えば、目の前のアンドロイドは眉をピクリと動かして無感情に私を見上げた。
暫しそうやって睨み合う。
暫くは様子を見ようかとも思ったが、過去の自分と同じ容姿で不気味に猿真似をされるのは、やはり我慢ならない。
電源を引っこ抜いてやろうとした時、扉からノックの音と共に、マキャベリの入室の断りの声が聞こえて来た。


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