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ジョン・ハウ画伯のインタビュー(2019年8月、上海)

全体公開 11156文字
2019-09-07 15:39:17

2019年8月のジョン・ハウ画伯のインタビュー記事拙訳 (Japanese version of "Interview with Narnia Conceptual Designer John Howe" translated from the article on NarniaFans.com )

ジョン・ハウ画伯のインタビュー(2019年8月、上海)

Preference (前置き)

Here, I'm honored to share this Japanese-translated article interviewing John Howe, a prominent artist well-known for his works for Narnia, Middle-Earth, Game of Thrones, etc.
David, thank you so much for giving me a permission to translate this wonderful interview into Japanese.
There are three versions except this as below.
This was translated from the English-version article published in NarniaFans.com on 18th August, 2019.
I am not a professional translator, so if you find typo or mistakes, please let me know.
If you want to quote any part, please include the link of the original article of NarniaFans.com or at least of this page (don’t copy a whole!).

ここに、ジョン・ハウ画伯のインタビュー記事を日本語に拙訳したものを掲載いたします。
ジョン・ハウ画伯は、C.S.ルイスのナルニア国物語や、トールキンの『指輪物語』や『ホビットの冒険』、ジョージ・R・R・マーティンの『氷と炎の歌』などの作品で知られる稀代のアーティストです。
このインタビューをされたお一人、NarniaFans.comのデイヴィッドさんに、素晴らしい記事を日本語に訳す許可を下さったことを改めて感謝申し上げたいと思います。
なお、この記事の英語版と中国語版は下記の通りです。
この記事はNarniaFans.comの2019年8月18日付の英語版記事から訳したものです。
(注意点) 私自身は翻訳のプロでもなんでもありませんので、もしタイプミスや誤訳かな?という箇所がありましたら、ご指摘頂ければ幸いです。
部分引用されたい場合は、NarniaFans.comの元記事のリンクか、少なくともこのページのリンクを含めて下さい。
全体のコピーはやめてくださいね!睡眠時間を削った私が発見したときツライですし、何より日本語に訳す許可を下さった方々に申し訳ないので、よろしくお願いします。
* English version by NarniaFans.com (NarniaFans.comの英語版はこちら): https://narniafans.com/2019/08/interview-with-narnia-conceptual-designer-john-howe/
* English version by David 安大卫 (David 安大卫の英語版はこちら): https://davidandawei.com/connect/News/Entries/2019/8/21_Chinese_Design_Influences_of_John_Howe.html
* Chinese version by 不存在日报 (不存在日报の中国語版はこちら): https://mp.weixin.qq.com/s/97BlJWQvL_AqwYtskDO_BQ

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Japanese version from here(日本語訳ここから)

「ナルニアのコンセプチュアル・デザイナー、ジョン・ハウへのインタビュー」

ジョン・ハウの芸術作品は、映画ナルニア・シリーズや『ロード・オブ・ザ・リング』、『ホビット』の製作を方向付けてきた。今年8月、彼の素晴らしいファンタジー絵画作品が中国・上海で開催中の特別展『ジョン・ハウのアート』で展示されている。また上海ブックフェアの一環で、彼の本”Myth and Magic”や”A Middle-Earth Traveller”の中国語版も出版される。今週、”NariniaFans.com”と”不存在日报”がジョン・ハウに会い、これまでの映画ナルニア・シリーズや今後ドラマ化が発表されているナルニア物語や指輪物語のプロジェクト、ファンタジー世界の比較、そして『ロード・オブ・ザ・リング』から削除された場面などについて話し合うことができた。中国からの彼のデザインへの影響などについてより詳しくは、私(訳注:David 安大卫さん)の個人サイトで読むことができる。また、中国語版は不存在日报のサイトにある(訳注:上記リンクを参照)。

NarniaFans(以下NF):あなたが最初に映画ナルニア・シリーズに関わったきっかけは何だったのでしょうか?
ジョン・ハウ:『ロード・オブ・ザ・リング』の直後のことで、Walden Mediaというディズニーと関わっていた会社だったと思うが、そこが7作品全てを映画にしたいと考えていた。その会社が、シュレックで人気の波に乗りに乗っていたアンドリュー・アダムソン監督(訳注:『第1章:ライオンと魔女』と『第2章:カスピアン王子の角笛』の監督、『第3章:アスラン王と魔法の島』のプロデューサー)を採用した。彼のもとで、『ロード・オブ・ザ・リング』から同じ芸術監督のグラント・メイジャーと一緒に6ヶ月間働いた。やがてグラントはこのプロジェクトに参加できなくなった。それで芸術部門が全部入れ替わったので、最後の映画(訳注;『第3章:アスラン王と魔法の島』)には、ほとんど私がした仕事は含まれていないと思う。

NF:初期の段階で、ナルニアの世界を映画化するにあたり、どんな指示を受けたり、製作に影響したものは何だったのでしょうか?
ジョン・ハウ:ミノタウロスにはルネッサンス後期の甲冑のデザインを多く使った覚えがある。はっきりとは覚えていないのだけど、甲冑はとても古典的な影響があるよ。例えば私がデザインしたピーターの甲冑は中世イングランドからそのまま出てきたかのようで、獅子頭付きの剣はかなりうまく表現されている。そのモデルとして12世紀の十字軍の武器っぽいものを使ったりして、おもしろかった。ほんとうに楽しかったしアンドリュー・アダムソン監督も本当に好きだ、彼は素晴らしい人だよ。
ナルニアは『ロード・オブ・ザ・リング』の直接の続きみたいなものだった。ナルニアを映画化したいという意欲があったね。確かドラマ化が今予定されているんだよね。風の便りに製作中だとかいう話だ。長い映画を作るよりドラマ化のほうが恐らくいいだろうね、というのも、原作の各巻は長さも視野も種類も様々だから。

NF:新ナルニア物語ドラマ化再開に携わる機会があるとすれば、以前の映画化からスタイルを変えたいところなどはありますか?
ジョン・ハウ:はいともいいえとも言えない。真っさらな状態から始める価値はあるとは思うが、分かりきったことを一からやり直したくはないものだ。ナルニア・シリーズに再訪する価値はあるだろうし、全巻をやり直せたらいいよね。うん確かに、独自なアプローチをしてみてもいいかもしれない。時代も変わった。10年15年前でも今とは全く同じ見方ではないのだから、それを勘定に入れる価値はあるね。

NF:Netflixのナルニア国物語ドラマ化とアマゾンプライムの指輪物語ドラマ化とどちらに参加されているんですか?
ジョン・ハウ:アマゾンプライムのプロジェクトに参加している。しばらく取り組んできたし、どうなるかも私たちは知っているけど、それについて言えることはあまり無いんだ。
第2紀をデザインすることは挑戦になる。製作陣は既存の三部作や原作の趣旨に忠実であろうと決めている。巨大なプロジェクトだし、長編映画とはかなり違うプロジェクトだ。

NF:ドラマ化というメディアの違いで、あなたのお仕事に何か違いがありますか?
ジョン・ハウ:コンセプト・デザインというプロセスではあまり変わらないね。同じ仕事だ。制作となると違う。最初の仕事はかなり同じだ。私たちは撮影環境やセットやなんかを創る必要がある。それは映画だろうとドラマだろうと同じだ。大きな違いは、一部予算的なことで芸術面じゃないと思う。

NF:指輪物語とナルニアの一部となるものをを創るにあたって、あなたの頭の中で様式は異なりますか?また、その二つの世界をどのように区別されていますか?
ジョン・ハウ:ナルニアはかなり違うね。というのもナルニアは、種々様々な影響をうけたパッチワークのような世界なんだ。ギリシャの古典の要素からも取り入れている。ケンタウロスもいればミノタウロスもいて、私もかなり製作に取り組んだケア・パラベルなどの場所もそうだ。でも途中で芸術監督が変わったから、そういう仕事は全く映画に出ていないけど、ナルニアは多くの変更もなくかなり調和のとれた形で何とか共存する私たちの世界の反映の集合体のようなものだ。一方で、指輪物語の世界は実にかけ離れている。まったく別だし、トールキンの世界から私たちの世界への影響はずっと直接的ではない。トールキンは古典的な生き物を使わなかった。バルログやフェルビーストなどを創り出した。ミノタウロスもユニコーンもいない。全く、いやほとんど、私たちの世界からのものは一つとしてない。生き物が全く違う。様式としてもかなり違う。彼ら二人を、友人で同僚だったからという理由で比較し関連することと思うが、もしも彼らがお互いを知らなければ、この二つの世界が相当違っていたかどうか、私には分からない。私たちは彼らをあまり同等にみなしていないかもしれない。トールキンのことを考えるたびにC.S.ルイスやナルニアを考えるかもしれないが、一方で、C.S.ルイスはかなりもっと違ったアウトプットがある。様々な文学的な形で。トールキンはもっと高度に再創造した物語を作り、言語を創造してきた。かなり違う性格のものだ。

NF:詳細な描写のない様々な神話の起源や背景を持ったナルニアの生き物を、どのようにデザインされるのですか?
ジョン・ハウ:ナルニアは色々な意味で比較的単刀直入だと思う。ルイスが描いた要素のおかげで、不思議な中世のようなものや魔法を思い浮かべ、喋るライオンや古典的な生き物を想像できる。それらを首尾一貫したものに織り込むのは難題で、全てを同じ世界に並べるというのが、その難題の本当のところなんだ。全く不可能というものではないと思うね。
ルイスはとても親切だ。というのも、彼の文章はかなり明瞭で、彼の発想もとてもはっきりしていて、ある意味、分かりやすく、より直接的で、より描きやすいと思うね。トールキンがより、独自性とは言うべきじゃないが、独自の違うやり方を求めてくるのに比べて。『朝びらき丸 東の海へ』の世界のあいだの森やその他多くのイメージや、『馬と少年』のうっとりするような街々などの、ナルニアの素晴らしいイメージを考えようとしているんだ。ナルニアはあちらの世界から私たちの世界に通り抜けたり、英雄たちがこちらからあちらへ行って冒険して戻ったりという、扉のあるファンタジーなんだ。この話は彼ら自身の中にあり、この二つの世界は直接的な繋がりがある。私の考えるナルニアにおける魔法は、かなり違う形の魔法だ。指輪物語の中には、衣装箪笥のような魔法は全くない。子供だと通り抜けられる、こういう魔法の扉は全くトールキンの世界には無いんだ。

NF:『ロード・オブ・ザ・リング』でピーター・ジャクソンはニュージーランドを中つ国として選びましたが、それより以前、あなたは指輪物語の挿絵やデザインを数多く手掛けていらっしゃいます。あなたの想像力に影響を与えた実際の世界の風景はどんなものがありますか?
ジョン・ハウ:素晴らしい質問だね!影響のほとんどはヨーロッパの景色だと思う。アルプスやスイスの景色からもたくさん。北欧やスコットランドからもかなり。イングランドの海岸部、カナダからもほんの少し。カナダの山脈からは指輪物語の作品にほとんど影響を受けていないと思う。なんかしっくりこない。でも、逆に、パタゴニアの風景の多くから山の風景にとても多くの着想を得た。私には、第1紀から抜け出たように感じたんだ。それ以外だと、イングランドの風景がより本当になじみのある部分になった。
(訳注:ここに、ジョン・ハウによる、ホビット庄を闊歩する魔法使いガンダルフの絵が挿入されている)
イギリスの風景はとても長い間、人間に影響を受けてきたので、今や、全てが驚くほどよく、絵画のように見えるのだけど、実は作られてきた人間の庭であって、それ以上に、ホビット庄にとてもぴったりくる。それこそが、ホビット庄のセットをニュージーランドで作るときに、真似ようと私たちがしたことなんだ。

NF:あなたはドワーフのルーン文字やエルフ語の文字を読んだり書いたりできますか?
ジョン・ハウ:いや、それをする専門家がいる。指輪物語みたいなものに関わる際には、中つ国のエルフ語やドワーフ語などの言語の読み書きだとか、中つ国のどんな事柄も、暇な時間全て使って強迫的に研究している輩に出会ってしまうことを知っていないといけない。彼らは専門家だから、本当に逃れようがなく、ただどう思うか訊くしかない。逃れられるなんて訳がないんだ。アマゾンプライムのために地図を制作する仕事を私がしたんだ。ヌメノールの大きな地図を私たちが作ったら、二箇所間違えた。私はトム・シッピーと一緒に取り組んだ。彼はトールキンの専門家で、ノルド語やアイスランド語も読めるとても立派な歴史学者だ。実に真面目な学者でトールキンのことは本当によくご存知だ。面白いことに、トールキンが名誉教授だったとき、トムはオックスフォードの学生で実際にトールキンに会ったんだ。だから、トムはこの地図にまとめ上げるのに必要な全ての要素をとても一生懸命研究した。というのも、トールキンは第2紀の地図を実際には残していないからだ。第3紀の地図はあるけど、第2紀とは同じではないから、橋はどこか、砦はどこか、道はどこか、どこがどんな言葉でどう呼ばれていたのかを解明するのに長い時間をかけたのに、2箇所間違えた。TwitterとInstagramにあるアマゾンプライムのアカウントにその地図がアップされたら、まさしく約20分後に、ハーパーコリンズ社にどこどこが間違っているという知らせが舞い込んだ。尋常じゃないよね。だから、そんな娯楽が手元にあるのは、徹底的に熱狂している人々にとって、本当に贈り物だよ。そういうわけで、そんなこと全てにとても慎重でありたいんだけど、ミスをした。地図が1メートルくらいの大きさでも、1センチメートルの範囲であるべきところからずれるようなミスをしたら、誰かがすぐ見つけてしまうんだ。
ファンが実際に関わることができる学問があるのは素晴らしい。彼らはとても熱心だ。ファンはとても熱狂的だ。トールキンに夢中になることができるのは恐らく、彼の発想の源が真面目なものだからではないかと思う。ナルニアやゲーム・オブ・スローンズの専門家にはなれるが、トールキンの専門家と全く同じ程度ではない。指輪物語について書かれた本の数を見ればわかる、もう何百冊とあるのだから。ナルニアについて書かれた本より遥かに多い。

NF:指輪物語ドラマ化やナルニア国物語の新ドラマ化シリーズについて、これまで話してきました。『氷と炎の歌』についてはどうですか?あの世界にもドラゴンがちゃんといますね。
ジョン・ハウ:そうだね!彼(ジョージ・R・R・マーティン)のドラゴンはナルニアや中つ国のドラゴンとは全く違う。C.S.ルイスのドラゴンはかなりおとぎ話のドラゴンのようなものだ。ちょっとかわいいよね。ある意味ではかわいらしいと言っていい。子供のお話から抜け出てきたドラゴンみたいだ。トールキンのドラゴンはもっと邪悪で、ずっと危険で、かなり深刻で、ベーオウルフやニーベルンゲンや北欧/アイスランドのドラゴンからの直接的な着想を得たものだ。ジョージ・R・R・マーティンのドラゴンは全く現代的なドラゴンだ。彼のドラゴンはまさしく中世的な世界の原爆だ、なぜなら武器なのだから。コントロールはできるが全てはコントロールできないのだから、人間の掌中にあるようでないような無敵の武器だ。本の中でドラゴンをかなりゆっくりと扱ったこと、本の中で初め卵から、次に小さなドラゴンと登場させた我慢強さを素晴らしいと思った。数百ページかけて、ドラゴンを小説のど真ん中に登場させて、なぜ『氷と炎の歌』という名のサーガなのかがわかるんだ。なぜならこれはドラゴンと冬の闘いだから。

NF:初めて中国語版が出版された、あなたの最新の2冊にファンはどんな期待をすればいいですか?
ジョン・ハウ:(”Myth and Magic”中国語版について)
(訳注:日本語版は『「指輪物語」の世界ファンタジー画集』 http://www.harashobo.co.jp/book/b367898.html 
原書は”Myth and Magic: The Art of John Howe” https://www.amazon.co.jp/dp/0007107951/ )
これについては、かなり直球な翻訳だと思う。日付は覚えていないが、かなり昔に原書が出た本で、確か2004年だったかな、だから新しいとも言えない本で、より一般的な本だと思う。また印刷されたことも嬉しいけども、かなり多くの仕事をして日の目を見られて嬉しいのが、ここにあるもう一冊だ。
(”A Middle-Earth Traveller” 中国語版について)
(訳注:原書は” A Middle-earth Traveller: Sketches from Bag End to Mordor” https://www.amazon.co.jp/dp/0008226776/ )
出版社の求めに応じて、中国の読者のために私は前書きを書いたし、本自体とても美しく製本されたと思う。原書とは違う点としては、ページ数も少し多い。本の成り立ちが全体が違うんだ。
NF:この本の中に、ピーター・ジャクソンにかなり似た絵がありますよね。
(訳注:ここに、羽根つきのとんがり帽子を被ったピーター・ジャクソンっぽい人物のスケッチが挿入されている)
ジョン・ハウ:誰か全然分からないな。いや、もちろん、ピーターだよ。ピーターはトム・ボンバディルのような感じで、中つ国とはかけ離れた存在だからね、でも最近また違うトム・ボンバディルの絵を仕上げたんだ。
(訳注:ここに、上海での講演で、スクリーンに映ったトム・ボンバディルの絵の写真が挿入されている)
これはちょっと現代風なボンバディルで、少し、より精悍で危険な感じだ。
NF:ギャラリーではトム・ボンバディルや塚人、柳じいさんなど、ロード・オブ・ザ・リングの映画の中では登場しなかった物のイラスト作品をとても楽しく拝見しました。
ジョン・ハウ:ボンバディルは興味深い登場人物だ。というのも、トールキンは時間を費やして、彼自身ではない何かだと読者に考えさせるように仕向けたからだ。トールキンは、ボンバディルがリズムをつけて話したりおかしなことを言ったりして、面白おかしく書いた。いつも歌って踊って跳ね回っているが、思慮深い登場人物で、その行動はまさしく中つ国全体の目撃者であるという本性を隠す偽装のようなものだ。ボンバディルは昔からそこにいるが、関わりはしない。ボンバディルは指輪を空中にくるくるっと放り上げ、指輪を見えなくしてしまう(訳注『旅の仲間』第7章 トム・ボンバディルの家で、のエピソード)。トールキンは決して、どうすればボンバディルがそんなことをできたのか、彼に指輪が取り憑かなかったのかを説明しない。ボンバディルは中つ国が私たちの世界になったときもまだそこにいる。だから、彼は興味深い登場人物なんだ。
(訳注:ここに、塚人のスケッチが挿入されている)
塚人は描いていて楽しかった。塚人が映画に出なくて残念だった。ロード・オブ・ザ・リングに、ピーターも塚人を出そうとしていたと思う。ホビットの間もしばらく、塚山丘陵に向かって何かが起きるというアイデアもあった。ロケ班がこの見事なロケ地としてニュージーランドの北島のどこかで素晴らしい風景の場所を見つけてくれたが、脚本からは抜けてしまったので、描きたいとずっと思っていたんだ。
(訳注:ここに、上海の講演で、スクリーンに映った塚山丘陵のロケ地候補の写真が挿入されている)
NF:なぜトム・ボンバディルは脚本から外されてしまったのですか?
ジョン・ハウ:かわいそうなトムはどこでも省かれてしまう。ラルフ・バクシの映画でも省かれてしまったから。柳じいさんもトールキンが自分の本がどこに向かうのか探っているようなエピソードは全て、トムと同じ理由で省略されてしまった。『旅の仲間』で皆が言う不満は、始まりがとてものろいということだ。そんなことは映画ではできない。止まっては出発、止まっては出発で時間を取るわけにはいかないので、脚本家達はボンバディルを入れることはできないと素早く明らかにしてしまうんだと思う。同じような理由で、本には終わりがあるからホビット庄の掃蕩も脚本家たちは入れなかった。黒門の戦いは終わり、モルドールは破壊される。それで終わりだ。ホビット庄ではサルマンとの小さな戦争がまだあるから、二つ目の終結があるのだけど、それではうまくいかない。そんな話の流れにする訳にいかない。小説ではできるよ。映画でそんなことをしたら、驚くほど素晴らしい話の流れを潜り抜けた後、小さなお話が最後に付け加わったように感じるだろう。本ならそんなことはできるが、映画では無理だ。うまくいかないだろう。だから、これだと良くないという純粋に映画撮影上の決定がたくさんあった。ドラマシリーズなら、望めば10エピソードも可能だろう。話の流れを構成したものにもなり得るが、独立したものにもなり得る。

NF:中国以外のファンは、どこで今後あなたの作品を見ることができますか?
ジョン・ハウ:10年か12年前、スイスで初めて私の大きな展覧会をした。この展覧会をどこかでもしたいと思う。本当にそうしたい。これは私にとってかなり大きな展覧会だった。多分久々の大きな展覧会だったし、ついでに言うと、美しく展示企画されていると思う。学芸員の方々は素晴らしいお仕事をしてくださった。Century Horizonの方々は実現に一生懸命動いてくださったし、大変注力してくださった。最初、私の人生を展示するという考えにはあまり気が乗らなかった。というのも展覧会を特に積極的に行いたいと熱望するほうではないから。でもそれは求められたことの一部だったし、とても見事なものにして頂いて、例えばロゴも、素敵で素晴らしいもの全て、本当に嬉しかったし、すべきことは沢山あったけど、最後の結果にはとても満足しているよ。

NF:あなたの人生についてのセクションでは、あなたが甲冑を装着している写真が数多くありました。ご自宅ではどんな種類の甲冑のコレクションをお持ちなんですか?
ジョン・ハウ:もう沢山は持っていないんだ、数点はある。
(訳注:ここに、甲冑を装着した画伯のお若い頃の写真が挿入されている)
私は再現されたものも実際のものも様々な甲冑を沢山着てきた。どういう仕組みなのか、中がどう組み立てられているかが感覚としてより良く分かるようになる。歴史の再現もいろいろした。かなりの時間と精力を使うので私たちは最近あまりやってない。私はそういうことをしている時間があまりないが、私の作品には本当に大きな影響があった。こういう衣装を全部着ると、どういう仕組みかわかるので、説得力のある描き方ができる。多くの画家にとっては、ベッドシーツの上に置いたり、ホウキを持ったりするしかないが、全然同じではない。だから、心から真剣に取り組んでいたり、物として実現させたりする熱心な研究者や学者と時間を過ごすことで多くのことが学べるんだ。
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Afterword (あとがき)

There are many beautiful illustrations and pictures in English and Chinese versions, so please click their links to enjoy them!
They also include more interesting information about Chinese influence on his design, topics of Mortal Engines and so on.
David & 不存在日报, I appreciate your great interview with John Howe so much, and congratulations for the big popularity in social media!
Once again, thank you for letting me translate this interview into Japanese.

英語・中国語版のこのインタビュー記事には美しい絵や写真がありますので、上記リンクをクリックしてお楽しみください!
また、これら三つのバージョンには、ジョン・ハウのデザインへの中国からの影響や映画『モータル・エンジン』でのお仕事などの話題についても触れた追加の内容があります。
デイヴィッドさん&不存在日报さん、ジョン・ハウへの素晴らしいインタビュー記事に感謝します。そしてソーシャル・メディアでこの記事が大人気だということで、おめでとうございます!
再度、日本語版を掲載する許可をいただきありがとうございました。


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