@guratan719
ちょぎくに
※女体化
※現パロ
※大元は下記のキヅタさんのお祈り呟き
https://privatter.net/p/5034017
※お祈りの続き書いてもいいよとご本人が言ってたのでお言葉に甘えて書いてみました。
【国広side】
転生前の、記憶にある山姥切長義という刀の付喪神は、俺・山姥切国広に対してのみ冷淡で辛辣な言葉ばかりを言ってくる苦手な相手だった。他の本丸では、和解どころか番う間柄までになると聞いた事があったが、当の俺達の間にはそんな変化は全くなく、本丸閉鎖の日まで同じ本丸内にいるだけの間柄だったと思う。だからか、いま、同じように人間に転生した山姥切長義を目の前にして思った事は、再び出会えた喜びよりも困惑の気持ちの方が勝っていた。
もう同じ主に仕えているわけでもないし、人間に転生した以上、本歌や写しの関係性もなくなっているはずだ。
『折角本歌に再会したんだ!もっとこう、なんか、あるだろ!?』
と、本歌から言われても、思いつくものは何もなかった。
俺と同じように人間に転生した本歌・山姥切長義は、別の本丸の俺の同位体で人間の女性、そして俺の双子の妹として転生した国広にアプローチをし始めた。
転生前と大きく違う本歌のその態度に少しの不信感を抱きながらも、俺はその様子を黙って横から眺めていた。他の本丸の俺達の中には番うものがいると聞いてはいたが、まさか目の前でそれが起きようとしているとは…不思議な気分だ。
だが、俺の双子の妹として人間の女性に転生した他本丸からの同位体は本歌に口説かれてもなびく事はなかった。そして、本歌はしばらくすると今度は俺に対して「好きだ」と告白をしてきた。転生前の山姥切国広に対する態度を転生後に改めた様子が見えたとは言え、これは無いだろう?今まで散々女性の国広にアプローチをして、態度がつれないから今度は男性の国広、つまり俺にターゲットを切り変えてきた。それは、傍から見たら軽い気持ちのように見えるし、からかっているのではないか?と疑問が浮かんでくる。
何度好きだと言われても、今までの事を振りかえると全て国広をからかっている行いなのでは?と思ってしまう。だから長義の告白に対して「だが断る!」と俺は返事を返した。
…本当のところは嬉しい。俺も好きだ。だが断る。だって本当はからかっているだけだろう?
【長義side】
女性の国広がいるのに、何故か男性の国広に惹かれていく。何故男性のほうなんだ?認めたくない。と思いつつも、もう二度と気持ちを伝えれなくなるのは嫌だから素直に伝える。だけど、毎回その告白は断られる。何度も何度も何度も…。今までの自分の行いを鑑みるに、国広が告白を断るのは仕方ないことだとも分かる。分かりたくないけど。
素直に好きだと伝える度に断られ、これ以上は嫌われるかもしれないなとさえ思えてくる。もしかしたら、もう嫌われているかもしれない。何度も断られる度に心が痛いと悲鳴を上げる。きっとこれは今までの罰なのだろう。長義は言う。
「せめて、俺がお前の事を好きでいるのは許してほしい」
欲しい返事はなくとも、好きで居続ける事だけは…思い続ける事だけは許してほしい。その言葉に対して、国広から「断る」の言葉は出なかった。それだけで少しだけ救われた気がした。
【国広side】
あれだけ「好きだ!」と告白してきた長義がぱたりと姿を見せなくなった。
やはりからかっていたのか?だが、あの時に言われた言葉を考えると、からかわれていないんじゃないか?本当に本気で俺の事が好きなんじゃないか?との考えも出てきた。じゃあ、何故姿を見せない?諦めたのか?と、国広の中で考えが右往左往する。
ぐるぐると悩み考えこんでいるところに、長義が大風邪をひいて寝込んでいる事を知る。長義の様子を見に行く予定だった長船派の祖(も人間に転生してるといいな…)が、どうしても外せない急用が出来てしまい、国広に長義の家の鍵を渡す。
高級マンションにて、国広は恐る恐ると渡された鍵を使って家の中に入室した。初めて入る長義の家の中、お洒落なインテリアが飾られた広い空間の奥から咳き込む声が聞こえる。足音を立てずにゆっくりと近づいて見ると、顔を真っ赤にして苦しそうに寝込んでいる長義がベッドの上にいた。
双子の妹(同位体)の面倒を見ていた国広はわりと世話焼きで、苦しそうな長義を見ると加湿器の水を増やして湿度を調整したり、枕元の水差しを新しいものに変えたりと自然と体が動いてしまった。そんな風に甲斐甲斐しく世話を焼いていると、人の気配に気付いたのか長義が起きて目が合った。
熱を帯びてぼんやりとした顔で、ふりゃりと気の抜けた微笑みを向けて名前を呼ばれる。
「国広…」と。
【長義side】
これはきっと自分に都合のいい夢を見ているのだろう。
ぼんやりと霞む視線の先に国広が心配そうに自分を見ている。あぁ、やっぱり都合のいい夢だ。この際、夢でもいい。傍に居て欲しいと手を伸ばす。ひんやりとした指先を掴んで捉えて、ほっと息をつく。
あぁ、やはり夢だ。この国広は逃げない。その事に満足して微笑んで愛しい名を呼ぶ。
「国広…」
からかいではなく、本当に自分の事が好きなんだと知って顔が赤くなる国広。
夢だと思い込んで、捉えた国広の指にすりすり頬ずりをする長義。