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憧れ、焦がれ

@yuri_neko_0
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2019-10-05 18:28:42

Twitter300字SS様への参加作品です。当月のお題「夢」

 夢を見るしか、この屋敷でできる遊びはなかった。屋敷のすべてにユティは倦んでいて、長いスカートも、家長である父だけが尊ばれる空気もうんざりだった。
 日々へ唯一射す光をユティは待った。父の従兄、城では偉いらしいガーライン将軍の訪問だ。
 彼が来れば出迎え、
「おじ様っ、あたしもお城の騎士団に入りたいって言ってるでしょ? あたしの夢はいつ叶うの?」
「むう」
 焦れたが将軍は顎髭をいじるばかりで、「今にな」と何度も聞いた台詞が繰り返される。

 父はユティが「夢」の熱から醒めるよう願っていた。醒めたりする類のものではないのに。
 将軍は、きっと父とは違うと信じたかった。目を細める顔を見上げ、ユティは夢へ届く日を切望した。


(298字)
 

 当方の一次創作作品新刊「ザンクトゥアリウムの箴言」のスピンオフ前日譚で、将軍の従姪ユティの話です。
 作品詳細→ https://plag.me/p/textrevo09/7435
 「ザンクトゥアリウムの箴言」は2019年10月12日テキレボ9にて発行します。




@yuri_neko_0
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