@corona_moca1111
10/11 11:13
たしかに随分無茶ぶりする人だとは前から思っていたんだけれど、まさかこうなるとは思って無かった。
いつもみたいに、適当な呑み屋さんで、ちょっとお話を聞きながらどんなことしたいのか聞いてそのまんまささっと1、2時間で終わって仕事のために帰る、って言ったんだけどなぁ
……何かがおかしいと感じた頃にはグラスは空になっていたし、いつかの光と共に、ふわっとしたまんま運ばれたのは覚えてるけど
今、何時なんだろ
ブレが激しくて視界が捉えられない
そのまんま溶かしてたみたいだ
あ、起きた、メグだっけ?おはよぉさんよく寝られたか?随分気持ち良さそうだったじゃんって、
そうだっけ?僕は覚えてないけど、覚えてないけど、覚えてないけど、
あれ
おかしい、な
「なに、いれたの?」
からだがおかしい、おかしい、おかしい、ゆがんで、いや、だれかの声意識がスローモーションになる揺さぶられた光が視界の隅から跡を残して動いていく。
「そんなことどうでもいいだろ?」
僕のだった声が遠くに響いて聞こえる
いつもの威勢が嬌声が怒鳴り声が金切り声がこだましている?そんなことどうでもいい、どうでもいい
もうとっくにどうでもいいんだ。
暑すぎてどうなっているのかわからなくなって感覚が溶ける、あれ、何が起きてるんだろ入ってこないで、殺さないで、貫かないで痛い、いたいから引き剥がさないで、やめて、やめてよ、どうして、どうしてこんなことになってしまったんだ、ぼくって、どうしてこんなふうになっちゃったんだっけ
止まる音と悪魔とガチャンという音と血液と眠りと感覚と僕自身と
ふっ、と混乱が離れた。
感覚が消えた、……?何も感じ、ない?あれ、僕の感覚がいない。いなくなってしまった。
「……」
いや、たしかになんとなくよぎる映像はある、透けて見える中で景色が見える、でも見えない、僕は、
僕はどこにいったんだ?
考え事をする僕の脳裏に浮かぶのは後で思い出すはずだった死神で束の間でも効いてくれるはずだった感覚はどこかに遠のいて揺れて、揺れて、揺れて、揺れて、全てが映像で「よ……めぐ…をこっ…に……戻せ…」誰かがよがってるけど多分これは僕じゃない。何も聞こえない、何も感じない、あれ僕じゃないんだっけ。「…も、な、……んない、なお………よ」僕はもういなくなってしまったのだろうか。だからあの映像は別のことを指していて、そっか、違うからこんなに感覚が遠いのか。だからあれは違う。「……み」僕ではない誰か。だからこれは僕じゃないんだ、僕ではない、こいつは違うんだ。「めぐみ!!」僕はこんなふうにならなかったはずなんだ。僕はもっと、僕はもっと素敵な子だったはずなんだ、こんなんじゃなくて、「メグにいどうしよう……」僕じゃないんだ、「……緊急だ俺ら2人でなんとかするぞ」僕じゃない、僕ではないからだからそうだよだから大丈夫だろなんとかできるよオレが上下反転してその方が絶対楽だよそうならそうした方がいいのかなこういうときにまで優しいから酷い奴に捕まるんだよ優しくなんてないよ優柔不断なだけでニーズに沿ってれば別に他は最低限でいいんだよこういうのは、うん、僕、要領悪いよね。ごめんね、ごめんなさ、大丈夫だから、
10/11 01:03
ガシャン、と音がして覚めた。
さっきの違和感はどこかに消えて、目の前には街頭の光と、閉じられたシャッターが見える。……ああ、ここ、職場の方の駅か。んで、その音だ。なるほど。
いつのまにか、僕は座り込んでいた。と言っても手も足もいまいち動かない。重すぎる。きっと疲れてしまったんだろうなぁ、
なにがあったんだっけ。いまいち思い出せない。……残業ではこんなことにはならないし、これ、お酒じゃないなあ、なんか他に飲んだっけ。……誰かに話しかけられた気がするけど、いまいち覚えてないや。
とりあえず帰らなきゃなんだけど立てないからどうしようもない。でも、ぼくもう無茶なやつ使ってないはずなんだけどな。
…………1時だ。
…帰れない。
…………。
……まぁ、このまま凍え死んだらいっか。
………はは、冷たい。
……つめたい…
………
10/11 01:50
「……さん」
……揺さぶられた。
目を開ける。気持ち悪いし寒い。でもさっきよりはよくなった、気がする、あれ。
いつのまにか僕が寝ている所はタクシーで、いつのまにか座っていて、目の前でタクシーの運転手っぽいおじさんがいて、
なぜか隣で、僕を揺さぶる、鈴城さん。
え、すずきさん?
「あれ、先輩……ここは」
すごい顔とすごい隈の先輩、きっと、迷惑かけちゃったんだろうな、申し訳ないなぁ。ってことはもしかして僕あの後拾われたの?え、わからないけど先輩が助けてくれたのか。大変なことをしてしまったような。
「……聞きたいことは色々ありますが、とりあえず田町さんの家まで来ました。立てますか?あ、運転手さん申し訳ないのですがお待ちいただいても……すみません」
「あ、」
立たなきゃと力を入れたところでふらっとした、身体が重い、まだ歩ける、歩けるから大丈夫、と言おうとしたところで、受け止められた。
心配そうな眼差しで、いつも通り見てくる彼。
「……ごめんなさい」
「…謝ることじゃないです。ほら、こっち。」
パッと、取られた手があったかくて、あ、この体は僕なんだなぁって、思った。そのまま、先輩はいつもみたいに僕のことを見ながらゆっくり一緒に進んでくれて、僕を寝かせたあと、すぐに戻っていった。
僕は、その間、なんもできなかった。
……さっきのは、なんだったんだろう。夢、だったのかな。