@chi_ma_cho
縁壱さんと炭吉さんは、ヒノカミ神楽の十三ある型の中からわざと一つだけ、1人の子だけに伝えないように決めていたのではあるまいか、と考えてみた。
全部を一人の子に伝えてしまうと、痣が現れた場合に子孫に伝える前に早死にしてしまうか、無惨や黒死牟に見つかって殺されるかして、絶えてしまう可能性が高い。
善逸の受け継いだ雷の型が、兄弟子と分けて継承しても通用するのだとしたら、炭治郎には伝えられなかった残り一つの型を、父親もしくは母親から禰豆子が受け継いでいることも考えられはしないだろうか。
縁壱さんは炭吉さんと出会った頃はずいぶんと落ち込んでいたから、もしかしたら自分の楽観思考を反省して、確実に日の呼吸を後世に伝えるために策を練ったのかもしれない。
炭吉の子孫に、出来るだけ危険が及ばないようにも。
そんな希望を考えてみた。
珠世さんの薬は、本当に無惨に効かなかったのだろうか。
しのぶさんが童磨に盛った薬のように、効くまでに結構な時間が必要、ということはあり得ないだろうか。
それも、無惨にとって最悪の形で。
それを望むばかりである。
殺されて無惨の糧となる隊士たちの、死にざまの惨さ。
珠世さんを失った愈史郎の悲痛な怒り。
理不尽極まりない無惨の恢復。
怒りを感じるほど、美しくもおぞましいその姿。
だがなぜ今、義勇さんと炭治郎は逆方向にいるのだろう。
鴉は二人をどこへ走らせているのだろう。
優先すべきは、無惨を滅することのはず。
遠くにいる、ではなく逆方向、と表現したのには、何か意味があるのだろうか。
それとも絶望感がそう言わせただけか。
縁壱さんはきっと無惨滅殺の執念を、竈門家に遺していると思う。
それがどんな形で現れるか、期待していたい。