@toasdm
「わ、あったかい……ありがとうございます!」
「あっはっは! 師匠に風邪なんかひかれたら困るッスから!」
道流の優しさ、思いやり、温もりを全て編みこんだような、シンプルなニットに袖を通して、彼女は満面の笑みを浮かべる。シンプルながらもざっくりと、ケーブル編みの模様が入った手製のニットは、聞けば三日かそこらで編み上げたものだという。
「ふふ、こんなステキな贈り物いただいてしまって、風邪なんかひけませんよ」
「ひかせるつもりもないッスけどね」
「んうっ、も、道流さん……」
温かさに目を細める彼女をぎゅっと抱きしめて、道流はすり、と頬をすりよせた。
「……あれ、でも」
はた、と彼女は、道流の腕の中でひとつの疑問にぶつかった。
「どうして、私のサイズわかったんです?」
袖丈も、着丈も、身幅も肩幅も全て、まるで細かな採寸をしたかのようにぴったりとフィットするアイボリーのケーブルニットは、窮屈感もだらしなさもない、ジャストサイズだった。
「そりゃ、その……」
もじもじと、急に口篭りはじめた道流を見上げて、彼女はその頬に、ほんのりと、朱のさしていくのをみてはっとする。
「あ、あの、もしか、して」
「…………はは、まあ、そうッスね」
ぎゅ、と抱きしめる力は強くなり、すっぽりと閉じ込められた腕の中、彼女もぽっと頬を染めた。
「……こうやって、毎日測ってたんスよ」
照れるッスね、とすりよせてきた道流の頬よりも、今は彼女の頬の方が真っ赤になっていた。