@acbh_dmc4
どうすればこうも見事に嵌るのか、一瞬自分に何が起こったのか分からなかった。
過去のローマへと戻る最中、なんだか爆発のようなものに巻き込まれたのか、吹き飛ばされるように体が浮いたのは覚えている。
そうして気が付けば、私の体は綺麗に壁にめり込んでいた。
腹の中腹から部屋を跨ぐように上半身と下半身が壁にめり込んでいる。
足は辛うじて地面についているが、踏ん張れるほど確りとしているわけではない。
しかもここは嘗ての適地のど真ん中。
何度か偵察に訪れたことのあるサンタンジェロ城の一室。
幸いなことにボルジア兵の姿は見つけられなかったが、どうこの壁の穴を抜けたらいいものかじんわりと焦りを感じる。
押しても引いてもガッチリと壁に飲み込まれている私の腰はまったく動く気配がない。
何とか隙間を作るために腰に巻いた赤い布を解こうにも、腰のポーチは調度壁に飲み込まれた形になっていた。
そもそも結び目が壁の向こう側に出ているため何にもできない。
ここで敵兵が現れれば、明らかな不審者の私は引っ張り出してはもらえるだろうが、その前後の事はあまり考えたくない。
とにかく冷静に判断しなければと深呼吸をし、腕を組んで考えに更ける。
私がこの窮地を逃れるには壁を破壊するしかないと結論付けて、少しずつそして性急に壁を抉るために己が両腕に仕込まれたアサシンブレードの刃を出した。
その瞬間、背後に(正確には尻側に…)感じた人の気配に私は身構えた。
この最悪な状況で最悪な事態が起こりつつある。
尻側の部屋に入って来た何者かが私の存在に気付かないように祈りながら、どうにか壁のオブジェになりきろうと動きを止め、息を潜めた。
「…フン、テンプル騎士団は随分前衛的なオブジェを飾るのだな。悪趣味過ぎて美的センスを疑う」
尻の方から聞き覚えのある愛しい声が、大層馬鹿にしたような声音で投げかけられた。
その瞬間私が感じたのは絶望だ。
この後の展開を瞬時に思い出したためだ。
だが、もしかしてもしかすると、彼の気を逸らせるかも…もっと違う未来が訪れるかもしれない。
諦めてはだめだ!
私は心底安堵した声を意識して、壁の向こうの存在に慎重に呼び掛けてみる事にした。
「慇懃無礼なその物言い!エツィオか!助かった!壁から抜けるのを手伝ってくれ!」
「ああ、だが一つ聞きたい。何故そうなったんだ?」
至極尤もな問いかけに、焦りまくる心を覚られまいとこれまでの経緯を話す。
それを大人しく聞いていたエツィオの声が明らかに上機嫌で冷や汗が背を伝う。
「壁を崩してくれ。私もこちら側の壁を壊して何とか抜けられるよう穴を広げる」
「良いですよ。抜けばよろしいのですね?」
思わずホッとして無防備になる。
ここで警戒を解かずに近寄ろうとするエツィオを撃退するか、膝を壁に付けるかすればもしかしたらもっと違う未来が待っていたのかもしれない。
私はこの後の展開を考えもせずに呑気に声をかけた。
「ああ、上の壁を壊してくれ…」
私の指示に従う様子もなく、沈黙が落ちる。
だが壁の向こう側のエツィオが動く気配を感じて、こちらも自身の腹の少し下から壁を抉ろうとアサシンブレードを出して構えを取った。
私の意に反してエツィオの手が私のローブの隙間をかき分けて、しゅるりと腰紐を引き抜いた。
慌てて膝を閉じようとしたが、既にエツィオは私の股の間に陣取っており、あっという間の早業で私の宝刀を抜きだしてその熱く甘美な咥内に迎え入れられてしまった。
私によって嫌と言う程教え込まれた絶妙な舌遣いで、息が詰まるほどの快感を引き出される。
成す術もない状態で与えられる快感に、思わずビクリと下肢が震えた。
その反応に思わずと言った体でエツィオが笑うのを彼の震える唇や息遣いで感じ、羞恥とプライドが傷つき内心舌を打つ。
分かっている。これは日頃やり込められ、私に意趣返ししようにも全て先回りされて封じられる過去の私にとって、絶好の意趣返しの機会だ。
過去の私はこの面白い、いや非常にみっともない姿をさらしている導師を見つけた時、小躍りする程愉快な気持ちだった。
その後に私の仕置きが待っていたとしても、昔ほど私が彼に無体を強いる事はないことも分かっていた。
どうせ仕置きと言っても、ちょっと激しいプレイになるだけで、行為中少々辛い思いをする程度だと高を括っている。
それはその通りなのだが、正直最後までヤッた後、導師は私に指一本触れずに2~3日寝込んでその後も仕置きらしい仕置きをせずに帰っていった。
そして今その私がこの態勢で受けるだろう今後の展開が、いかに老体に厳しいものかを容易に想像させた。
「まっ!あっ…こんなことをしている場合ではっ…エツィオ!何を考えている!?こ、ここは、敵…地なんだ、ぞっ?!」
「んむぅ…うんむむむ、はむぅ…あん、む…」
「くっ!声を、抑えろ…だとっ?!このじょうきょ、で…勝手な…く、ぅ…」
壁と私の股間に挟まれているエツィオは、私のものを口に頬張るとそれ以上動くことは叶わず、口に入れたままもごもごと話している。
だが、不明瞭な彼の言葉は嘗て嬉々として己が導師に言い放った言葉の為、しっかりと覚えているので(仕返しできるのが嬉しくて、子細に記憶に残っている)正確に彼の言葉の意味を把握する。
口の中にある私を彼の巧みな舌が、焦らす様に追いつめる。
そもそも壁と私の間はとても狭いため、満足に頭を動かすことが叶わない。その為舌を微細に動かしカリを重点的に攻め、私の弱い部分を執拗に攻め立てる。
思わず漏れ出る喘ぎに、壁の向こう側のエツィオがほくそ笑む気配がした。
「あっあっ、も、もう…」
出そうになれば口淫が止み、波が引くまで休まれる。
わざとらしく口が疲れただのと多分に笑みの含んだ声音で意地の悪い独り言を言い、時折私のモノの鈴口へと可愛らしくリップ音を響かせた口づけを降らせた。
「いっいい加減にっ…!!」
思わず怒鳴ってやろうかとした時、私の上半身が生えている部屋側の扉の向こうから人の気配を感じた。
そして重そうな甲冑の擦れる音と共に、その何者かが訝し気な声で話し合うのを耳にし、咄嗟に手で口を覆った。
「…今何か声が聞こえなかったか?」
「ん?別に聞こえなかったが」
私の変化に気付いたエツィオが、面白がって口淫に熱を込める。カリの部分を重点的に舌でくじって舐めまわし、時折吸い付かれるので息が詰まる。
部屋の外の気配が部屋の中を窺うような沈黙を落として、私は現状の悲惨さに泣きたくなった。
もしここでボルジア兵に踏み込まれでもしたら目も当てられない。
殺されるかもしれないし、その前にエツィオがこちら側に来て兵を相手にしたとして、私の下半身は虚しく興奮を示したまま、こちら側で間抜けな姿をさらすことになるのだ。
沸々と腹の底から怒りが湧き出て、せめて口淫を止めさせようと、エツィオが私をもう一度深く咥えなおした処で腰を押し付け壁と私の股間で押し潰してやった。
僅かにふぐっという唸り声が聞こえた。
喉の奥まで強制的に咥え込ませた為、息が詰まったのだろう。
怒りでこのまま窒息死させてやろうかと物騒な事を考えたが、一先ず外の人間が去るのを待った。
この私が上半身を生やしている部屋には鍵がかかっているのか、今すぐ中を検める事は出来ないようで、ボルジア兵は耳を澄ませて部屋の様子を窺っていた。
下半身の刺激を止めたことで余裕が出来、己の気配を消すことに努めた。
身動きが取れず、喉の奥まで私を迎え入れたエツィオは、苦しみに最初は私の尻を叩いて抗議していたが、私がだんまりを決めると諦めたのか、一瞬静かになった。
しかしエツィオは私への仕返しを諦めておらず、私を収めている喉を蠢動させてジワジワと刺激を与えて来た。
裏筋をニチニチと舐られて肌が粟立つ。
再び悶える羽目になったが、好きに動かれるよりはまだマシだ。
神経を研ぎ澄ませて、なるべく気配を消すように努め、ボルジア兵達が諦めて去るのを待った。
「…気のせいか」
やっと諦めたようで、ボルジア兵がその場から通り過ぎる足音を固唾をのんで聞いていた。
居なくなったと判断をすると、エツィオの喉を解放すべく半分砕けている腰を引いた。
「ぷはっ!殺す気かっ!!」
「本当に殺してやろうかと思った…」
私から口を離すなり、声を落としつつキレるエツィオに、こちらも数度声を低くして怒りを滲ませた。
動揺した空気を感じたが、それでも自分の優位性を疑わないエツィオが私の高ぶりに嘲笑うように息を吹きかけた。
きっと小憎らしい笑みをその顔に湛えているのだろう、忍び笑いが聞こえて来た。
忌々しくもこの後の展開を知っていながら尚萎えない自分自身に内心で呆れながら、もう一度何とかエツィオの気を変えるべく説得をする。
「この壁を破壊しろ。今なら許してやる。これ以上好きにすれば後悔するのはお前だぞ」
ああ、まさしく後悔するのはこの私だ。と言うか既に後悔している。本当に、この後の事を考えると恐ろしい。
本当に恐ろしい。と言うか内蔵が痛い。
じわじわと鎧と半分腰砕け状態の自身の体重が腹に掛かり息が詰まる。
懇願に近い心境で声を落として脅しつけるが、そんなことは知らぬとエツィオが嘲笑い、私への手淫を続けた。
「フン、この状態で我慢が出来るのか?いい年して堪え性もなく、敵兵が来ても興奮しておっ勃ててる癖に。
ホラ、今だってまだこんなに元気に主張しているぞ?」
ピンと人差し指で興奮を弾かれる。
その刺激に歯ぎしりしながら感じまいとするが、やせ我慢はエツィオを喜ばせるだけだ。
屈辱的な仕打ちに歯噛みするが、全部自業自得なのだ。泣きたくなってくる。
「まぁ、抜くにしても先にこっちが抜けないとだろう?責任は取ってやる」
「要らん!自分で処理した方がましだ!それより、ここをなん、とっ…か、…!!」
問答無用で咥えられ、また緩やかに追い上げられる。
というか、またイきそうになれば止められ、そして落ち着きかけるとまた追い上げられる。
完全に射精管理をされて身もだえてしまう。腰を壁にガッチリとホールドされているので身動きも取れず、腰を振りたくても気を抜くと既に足が立たなくなりそうでどうにもならない。
こんな風に攻め立てられると、昔意地悪く導師に焦らされた時の事を思い出して後ろが疼き、思わず足が震えてエツィオの肩に寄りかかってしまった。
「んむ、…辛そうだな?」
ぴちゃぴちゃと水音をさせながら嬉しそうに揶揄う。
当然だが導師と同じ意地悪な声で囁かれて懇願しそうになった。
だが年下のエツィオにそんな醜態を見せる事はごめんだと心を奮い立たせてなんとか堪える。
そしてさっさと放出してしまいたくて、彼の口淫に集中した。
しかしこんなことを続けて高ぶるのは私だけではない。
しつこくその熱い欲望を苛めていると、彼の下肢も期待に脈打ち、触れても居ないのに濡れ始めている筈だ。
イイ感じに育っている欲望を前に、久しく受け入れていない私の欲望に当てられているのだ。
普段ならば積極的な彼の求めは歓迎すべきものだが、現在それに付き合うにはシチュエーションが悪すぎる。
「導師、ちょっと位置変えますね」
またもあと一歩と言う所で根元をきつく戒められる。
私相手に主導権を握れるまたとないチャンスに高揚し、ガチガチに育った私のモノを前に期待感を高めていたのだろう。
そしてエツィオが私の腰をがっしりと掴み、無理やり腰を捻り上げた。
「い、いだだだだだだだだ!!!や、やめっ!!!こ、腰っ!腰がちぎれるっ!!!」
力任せに腰を回転させられて、しかも徐々に上半身も引っ張られてゆっくりと回転する。
壁に突っぱねていた手が滑り、上向いた腰にそんなに厚くもない壁が背骨を折らんと牙を剥いた。
かれこれ10分以上は無理な体制で壁に挟まれ、腰がただでさえヤバいのに、更なる拷問に悶絶する。
「おい、なに萎えているんだ。しゃんとしろ」
「痛い!!本当に痛い!!無理だ!頼む!本当にやめてくれ!!腰が折れる!!!」
「ああ、もう良い硬さだったのに…ホラ、根性見せろ」
「このっ悪魔!!!」
私の腰が上向きにされたおかげで、本格的に腰が死にそうになる。
何とか体を水平に保つ為、後ろ手に壁に腕を着いているが、エツィオの齎す下肢への刺激のせいで汗をかき手が滑る。
ただでさえ腕の力が抜けそうにもなっているのに、手を滑らせて背が重力に従ってガクリと落ちると背骨が折れそうに痛む。
「今準備しますから」
「準備?!何の?!ちょ、本当に腰がやばいから!エツィオ!相手して欲しいならこの壁から抜けられれば幾らでもシてやるから!」
もう恥も外聞も年下も年上も関係ない。
これで上に載られた日にゃ腰から真っ二つになってアサシン生命が終わる。
遠征任務の途中、棚ぼた的に時間旅行をしているので、こんなアホな理由で任務遂行できませんでした等、弟子たちに示しがつかないにも程がある。
しかもそれが過去の自分の暴挙でなんて、まさに自業自得そのものだ。
「まぁ、この位でいいかな…」
事も無げに呟かれるそれは、明らかな色を含んでいたが、私には死刑執行の号令のように感じた。
少しだけ悩んだ気配を感じ、次いで私の腹の上に乗り上げる形でエツィオが私の昂ぶりを受け入れた。
「っ!!!!っっ!!!!!」
腰が痛い。と言うか本当に折れる。
なんとか足を踏ん張り、腰の安定を図るが、好きなように私の上で跳ね回るエツィオに成す術もない。
あまりの腰の痛さ(と若干の快感)に脱出を図ろうにも手元が狂って自分の腹をアサシンブレードで刺しかねないので、それも出来ない。
寧ろ後ろ手に壁を突っぱねるのに必死でもう何の身動きも取れない。
「ほっ、本当にっ!!こ、後悔するぞっ!」
「お仕置き、ですか?良いですよっ♥どうせ泣いても止めないとかそんなんでしょう?付き合ってあげます♥」
「そうじゃない!将来、おまえ自身が!後悔すると言っているんだ!!あっあっ!ちょ、本当に…っ」
半場涙声で(いやもう泣いてたかも)必死に懇願する。
しかし興に乗って腰を進めるエツィオは、もう快楽を貪る事しか頭にないのか、嬉しそうに喘ぐのみだった。
下肢への暴力的な快感と腰への酷いダメージが相殺して、私のモノはイクにイケない宙ぶらりんの状態だ。
それをいいことにエツィオは私のモノを便利棒代わりに己の好きな所を刺激するばかりだった。
一応敵地であるため声を落とし、悩ましい息遣いと殺しきれぬ艶のある声が聞こえるが、そんなもん楽しむ余裕は一つもない。
昔導師に散々苛められたが、こんなに酷い事はされたことなど無かった。
(導師!本当に済みませんでしたっ調子に乗ってた!人事じゃなかったぁああああ!!!(泣))
心の中で嘗ての導師に本気で詫びる。
こんな責め苦に彼は最期まで耐えた(耐えさせられた)等、もう涙を禁じ得ない…と言うか現在号泣している。
快感よりも腰の激痛に全て持って行かれて、自分のモノが未だ萎えてないのがいっそ奇跡だ。
「ほ、ほんとうにっ…私、がっ…後悔、してるからっ」
「あっ♥あっ♥もう♥止まらなっ♥♥」
(ですよねー!)
どうにもこちらの話など聞いていなさそうだが、あまりの腰の痛みで懇願が止められない。
祈るような気持ちで、殆ど怒鳴り声でエツィオに呼び掛けた。
「せ、せめて背中側に、て、テーブルを…エツィオ、頼むから支えを…くれ、頼む!」
「んっ♥んっ♥ふくく、待ってる、間の…間抜けな下半身見たら、萎えそうだから却下」
それはそれで笑いものにしてくれて構わないから!何でもするからと私の差し出せるだけの条件を呼び掛けても尽く無視された。
というか、もう敵兵でもなんでもいいからこの男を止めてくれ!!さっきのボルジア兵カムバック!!
そんな祈りも虚しく誰も部屋の前を通らぬまま、私を便利棒扱いで好きなだけ堪能した彼は、ようやく壁を破壊して私を引っ張り出してくれた。
痛みのせいでイクにイケなかった私の事を、爪の先程の良心で慰めてから身支度を整えられた。
正直、マシャフ砦後に行った激しい馬車チェイスで引き回されたり、崖から突き落とされたときよりもダメージが酷い。
「ここから逃げ出そうと思うんだが……動けるか?」
「動けると、思うのか…」
地獄の底から吐き出した低い声にエツィオは目を泳がせたが、機嫌よく私の腰を支えてこの場から撤退したのだった。