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ボラード探索手記 1/5

@erindyll
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2019-11-11 10:03:05

【いくつかのページがペーパーナイフで綺麗に切り取られた跡がある】

 本格調査は3日目に入る。
 2日目の終わりに、調査メンバーの半数以上は予定通りガイアに帰還した。
 こちらに残ったのはマーティス先輩とドローレンスくん、そして私の3人だ。
 戦力的には先輩だけで充分だということだろう。
 結論から言うと、この日は有用な情報を得られなかった。
 強いて言うなら、昨日『ゴーレム』と名乗った魔道人形に融通してもらった食糧を口にした職員は、特に異常も無かったとのことだ。
 こんなことなら昨日自分も食べておけばよかった、と先輩は愚痴をこぼしていた。
 今日の拠点も昨日と変わらず街中に大量にある、利用者のいない住居だ。
 夕刻始め頃、同じように適当に空いている家を寝床に使おうとした妖精と鉢合わせをする。
 妖精は驚いて別の空き家を探しにすぐ去っていた。だが、たしかに彼女はガイアの日本の言葉を口にしていた。不思議な話だ。
 持ち込んだ食材で、ドローレンスくんが腕を振るってくれた。
 彼女は失敗したと言っていたが、大変美味だった。

 追記
 本部の方から初日と二日目の手記を資料として提出できないかと相談を受けたため、提出した。
 そのため、ここにこの手記の概要を記しておく。

 私が所属がする次元旅団は、『"天の島"の次元』と呼ばれる次元の調査をするべく探索班に選定された一人だ。
 『"天の島"の次元』は以前から観測はされていたが、非常に穏やかで安定した次元であることもあり、長らく調査が先送りとされていた。
 事実、この世界は小さな島が一つと、たった一つの街があるだけのとても小さな世界だ。(惑星の大きさはガイアよりわずかに大きいらしい)
 しかも住人は妖精とほんのわずかな人しかおらず、彼らの生活を支えるゴーレムと呼ばれる魔道人形があるくらいだ。
 今回の調査を機に、この次元のことが少しでもわかれば良いと思う。
 とりあえず、次元の名前は必要だろう。
 この世界は街がこの場所にしかないから、「街」という名前しか持っていないのだから。


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