@umeshu0876
「ここがガイアね」
夜の王は次元の旅を繰り返し、とうとうガイアへと辿り着いた。
これから己を待ち受ける試練を思い浮かべ、決意を新たに深く深呼吸をする。
「げほっごほっ、何ここ、空気がひどいのだけど」
夜の王、煙の匂い染み付いてむせる。
偉大にして素晴らしき国に住んでいた彼女は排気ガスの臭いに慣れていなかった。
「これは大戦争の名残……という奴でしょうね、燃える水と火薬の匂いが濃い」
夜の王は焦げ付いた壁を見つめ、過去に想いを馳せた。
爆発物を街中で使うほどだ、よほどのことだったのだろう。
爆発元だと思われるスプレー缶が悲しげに転がった。
その時、偉大なる彼女のお腹が可愛らしく鳴った。
「……何をするにもまずは食事から、ね」
周囲を見渡し、音を聞いた人物がいないことをしっかりと確認した夜の王は自らの財布を確認する。
そこにはどのような次元でも価値を見出せるであろう宝石やアクセサリー、金貨、触媒が入れられている。
彼女は傲慢ではあれど愚かではない、他の次元に渡る対策はしっかりとしていたのである。
ぐっと拳を握りしめ、先ほどからいい匂いがしているカラフルな色の看板をした店へと向かう。
この時の彼女は知り得ないことであるが、この店はコンビニエンスストアであり、あらゆる日用品を取り揃えた万能店である。
店内に置かれたパンを取り、意気揚々とレジへと向かった。
言葉は伝わらなくてもそこは夜の王、身振り手振りには自信があった。
「……えっ全部ダメ!?」
夜の王は路頭に迷った。