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もう一つの結末(没文)

全体公開 3353文字
2020-02-03 19:37:53

La fine del mondo、Eden、l'uccello di fuoco後のアナザー没ストーリー。元々没にするつもりで書いたヤツ。エツエツ展開。続くかも。

Posted by @acbh_dmc4

その、生き残ってしまったな」


青年のエツィオをアブスターゴから逃がし、後の人生は彼に託した。
アサシンの協力者も、私達の裏切りを責めるどころか、それを赦して私達の保護までしてくれた。
これからゆっくり自分達の体に設定された時限爆弾を外せるよう、試行錯誤が出来る環境まで提供されてしまった。
多少小言を言われはしたが、利用された者達がそれ以上私達を責める事はなかった。

一先ず我々に与えられたサーバー内に仮想空間を作り上げた。
フィレンツェの生家。懐かしい景色だ。
このメモリーに人は作っていなかった。必要ならエツィオに作らせるつもりで何もしていない。
先程からむっつり黙り込んでいるエツィオの手を取って屋敷へと入る。
広いダイニングへと彼を引っ張って行き、そして彼に向き直ると、エツィオが私の胸に飛び込んできた。
首筋に彼の頭が寄せられ、きつく私を抱きしめる。
戸惑うようにして私はエツィオの体を包む様に抱きしめると、勢いよく顔を上げた。
思わず唇が降れてしまいそうな距離に何故だかドギマギする。

「貴方が俺の事を何とも思ってないことは分かっている。だけど俺は、貴方が好きだ」

真剣な顔をして私にそれだけを言うと、ぶつける様な口づけをされた。
思わず驚きで目を見開き、固まってしまったが、なおも唇をなぞる様にエツィオの舌が這わされると、私は薄く口を開けて彼の舌を受け入れていた。
熱い己の心をぶつける様に与えられる舌に応える。早鐘の様に鼓動する彼の熱に当てられたように、私も見過ごせない熱を上げていった。
するりと彼の尻に手を滑らせる。
少々固いが滑らかなまろい双丘は手に絶妙にフィットして、思わず揉む様に手を這わせる。
エツィオも私の首に両腕を回して、うっとりと口づけに酔っていた。

はぁ、と吐息が漏れて小休止に互いの唇を離す。
熱の籠っていた互いの唇が急速に空気に冷やされるのが寂しく感じ、今度は私から彼の唇に吸い付いていた。
彼の柔い唇を食み、口の中に舌を差し込んで上あごを擽る。舌に吸い付くように彼の唾液を啜り上げれば、彼の体がひくりと震えた。
感じたのだろうか、と考えると得も言われぬ優越感で一層熱が上がった。

「このまま寝室に行くか?」
「おれ、のことそういう目で見てなかったろ?」
「だが、今はお前が欲しくて堪らない」
「ご無沙汰だからか?」
「お前が私を求めてくれているからだよ」

キスの合間に答えれば、彼は顔を真っ赤にさせて涙目で私を煽るように見上げた。
ああ、そんな顔をされたら収まるものも収まりつかないではないか。
出来なくもないが、この衝動を抑えるようなことはしたくない。
攫うように彼を抱え上げ、所謂お姫様抱っこで寝室まで運んでやった。
少々抵抗をされたが、構わず抱きしめたまま寝室へと入り、優しく彼をベッドへと降ろす。

「こ、こんな運び方しなくても普通に歩けた!」
「半分腰砕けになっていただろう?無粋にそれを修正して雰囲気や気持ちが萎えられても敵わん」
「あ、貴方が望むなら萎えたりしない
「お前があまりに可愛くて早く部屋に行きたかったんだよ。さぁ、可愛い意地を張る口を閉じて私のモノになれ」

飛び切り甘く耳元で囁いてやれば、エツィオは顔を両手で隠してベッドのスプリングに体を沈めた。
顔を真っ赤にさせて悶える様に思わず笑みが漏れる。
彼の両手首を掴み、そのまま顔の横に縫い留めてもう一度口づけを落とした。

「あんまり可愛らしい反応をするな。益々燃えて来た」
「か、可愛くないっ!」
「ふふ、時間は沢山あるんだたっぷり愛し合おう」

エツィオの唇を楽しみながら焦らす様に彼の衣服を乱していく。
ボタンのやたら多いシャツに手間取るのももどかしく、情緒はないが一気にコマンドで全てのボタンを外す。
目敏く私の動きに気付いたエツィオは少し意地悪く笑みを浮かべかけたが、その途端に邪魔が入った。

どうやら外の人間が私達に連絡を寄越しているようで、アクセスを試みているようだった。
良い処で邪魔が入り互いに憮然とした顔になる。
この仮想空間には鍵をかけているが、あまり放置して居れば破られかねないので、渋々体を離した。

「早急にダミーを作らねばならんな
「ダミーで向こうの人間をだませると思うか?」
「最近の学習AIはそこそこ高性能だ。時間稼ぎにはなるだろう?やれやれ、これからまたアサシンとしてこき使われるのか
ま、まぁその生き続けることが出来るんだから、それくらいは良いんじゃないか?」

エツィオの慰めに渋々頷くと、とても煽情的になった彼の乱れた姿を直してやった。
非常に残念でとても腹が立っているが、こんなことで当たっても仕方がないと盛大にため息を吐き、互いの身支度を整えて外の者達と連絡を取った。

「導師!大変なんです!誰が導師ともう一人のエツィオ殿を引き取るかで内部で揉めていて
「誰が私達を引き取るか?リモートで必要な者に支援すればそれでいいだろう」
「それが、エツィオ殿を絶対に引き取りたいと駄々を捏ねている者がおりまして

苦々しくそう吐き捨てるアサシンに、誰が駄々を捏ねているのか悟る。
大方、私のエツィオに熱を上げていた協力者だろう。

「あの愚か者め味を占めたという事か」
「エツィオ殿を引き取れないならばアサシンを抜けると言っていて脅される材料を握られている我々も悪いのですが
「はぁ私はエツィオと離れる気はない。彼は私の掛け替えのない存在なのだ」
「ですが、導師たちを独占されるだなんてそんなのは狡いですっ」

アサシンがとても幼稚な理由で歯噛みする。
しかし、完全にその協力者に弱みを握られていると言うなら私達を彼に任せれば、それらの機密事項などは保護してやる事も出来る。
データの総括や番人としては私達程優秀な者もいないだろう。

「納得しかねるだろうが、私たち二人を暫く彼の元で管理してもらう。我々の体にある自爆コードの解除もしたいしな。
実際技術局にいた彼の元と言うのは、私達にとっても都合がいい」
「で、ですが
「私の準備が整えば独占されるという事はない。それと、私達の事も救ってくれて感謝している。私は、お前たちを裏切ろうとしたのに
「意思をお持ちでしたら当然の事です。寧ろ、貴方がそうして行動したことが嬉しかった。逃げ出した小さなエツィオの
事は少し、心配ですが
「そうだな。折を見て彼とコンタクトを取るよ。居場所は当然知っているからな」

苦笑してそう言うと、アサシンはホッとしたような顔になった。
純粋にあの子の事を心配してくれていたようだ。含むもののないその表情に、盲目的に私を慕うのは健在のようで逆に心配になる。
なんとか協力者の元に私達を預ける事を納得させ、その日は通信を切った。


「まったく、お前と愛し合うのは当分先だな

残念に思いそう零せば、隣でエツィオがまるで音が出そうな勢いで赤面した。
視線をあちこちに逸らして挙動不審になる。
その仕草が可愛らしくて、思わずニヤけてしまい、揶揄われたと勘違いしたエツィオから胸を叩かれた。
その抗議も抱擁で封じて、腕の中のエツィオに涙目で睨みつけられ、機嫌を取るように口づける。
あやす様に何度も軽く口づけを贈れば、エツィオは表情を徐々に和らげてくれた。

「早く体の爆弾を取り除いてダミーを作ろう。役割によって仕事を分けて働かせ、本体の私達はずっとイチャつけばいい」
「ダミーに仕事を任せきりにするって言うのか?」
「いいや、大きな判断は勿論我々で下す。ある程度は自分の意思で動いてもらい、必要な所は口を出す。
教団の弟子たちを指導するのと一緒だ。私達の頭脳は複数に分けることが出来るのだし、有効活用するだけだ。
例えば作戦を考える者、助言する者、実行する者、そして遊んでいる者。それは電子の強みだな」
「で、俺たちはその遊んでいる者か」
「それが私達の特権だ。あと生きる意味だな」

エツィオがコテンと私の胸に頭を預けて体の力を抜いた。
無表情でゆるく私の体に抱き着くと、目を伏せて


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