@t_3719
Ib。伝説的なフリーホラーゲームらしいですね。
ネットサーフィンしてるとたまーに目に付くタイトルで、直前に色んなフリーホラーゲームの動画を眺めていたので流れでプレイ。こういうノリ大事だと思います。
いやタイトル画面から強い。BGM集とか作られてるくらいだから相当な名曲揃いだとは予想していたけど、メインテーマの「記憶」ちょっと強すぎないか? 今でも頭の中でオルゴールの音が鳴っているぞ。
なんとなく、恐ろしさや不快さを催すようなbgmが少ない気がした。というか無音が少ない。無音が少ないからこそ、逆にここぞという時の無音がめちゃくちゃ怖い。「なにか、くる」的な。青い人形の部屋とかその最たるものだった。
その他のbgmももちろんよし。「旅立ち」すき。
登場人物の話をします。主役格の三人と、ゲルテナについて。
まずイヴ。かわいらしい、で逞しい。でも年相応の心を持っているとってもいい子。
プレイヤーキャラクターなだけにセリフが少なかったり心情を吐露したりすることのないキャラクターだけれど、作中の行動などでその在り方が伺えます。
一番よく出てたのは「ふたり」を見たときからの一連の流れですよね。あとは青い人形の部屋に初めて入ったときとか。
前者はギャリーのフォローからも並々ならぬ様子が見てとれましたし、後者は後々の「心壊」についての記述でイヴの心が既に限界に近いことを示していました。
余談ですが、初めて青い人形の部屋に入ったあの時、心壊を起こしていたのはイヴ一人だと思うんですよね。ギャリーは言わずもがなですが、メアリーはあの「青い人形」そのものを「かわいい」と思っている様子ですし。じゃああれが兎に見えていたのはイヴだけだったんじゃないかなと。
新ゲルテナ展の話になりますが、ギャリー死亡√で歩く新ゲルテナ展が寂しくて寂しくて。
まるで暖かさを求めるように絵画のピースを集めるイヴがとても悲痛でした。
で、そこに現れる「最後の舞台」ですよ。
ご存じの通り、あれに寝るには一人でなければなりません。ギャリーがいると止められるからね。
ギャリーを失い、メアリーを焼いた9才の女の子が、どうして正気など保っていられようかという話で。
そんな折、ずっと求めていた家族の暖かさを幻視したイヴはひとりぼっちのまま舞台に眠る……とか。
だから個人的に、ギャリー死亡√での新ゲルテナ展の最期は、あの舞台で迎える「ひとりぼっちのイヴ」がふさわしいんじゃないかなと思ってます。
まぁエンディングの話はまた後で。
次、ギャリー。
もう出てきて喋った途端に「あ、これいい人だわ」って思いましたね。だってオネエだもん。オネエは完全白の味方か、敵側の強キャラって相場が決まってるんだ(偏見)
実際びっくりするくらい白の味方でしたね。疲弊したイヴにコートを掛けて、悪夢から覚めたイヴにレモンのキャンディをあげたシーン、一番好きです。
ヘタレで怖がりですぐ腰を抜かすけれど、絶対にイヴを守ろうと躍起になる彼が大好きにならなかった人、いないと思います。
彼についてのエピソードで印象的なのは、青い人形の部屋での一件ですよね。
あれ脱出できてもできなくても私は好きです。どちらかというと脱出できない方が好きですが。
脱出すると超絶イケメンギャリーが登場します。完全にヒロインのピンチに駆けつける王子様。オネエだけど。あれは惚れる。待ってましたといわんばかりのイケメンっぷり。
私は単純なのでああいうシーン大好きなんですけど、でもやっぱり脱出できない方が好きだったりします。
脱出できないともれなくSAN値直葬でギャリーが心壊を起こしてしまうわけですが、それを発見してギャリーを取り戻すまでのやり取りが好きすぎてですね。
ドアの外でギャリーの声を聞いたときは戦慄しましたね。ドアが半開きになってるのがまたいやらしい。
あれを発見したときのイヴの胸中どうするんだよ。しかもあそこIbの中でもバッドエンドに繋がるターニングポイントだし。まぁ、狙ってもない限り恐らくはイヴがギャリーをビンタする訳ですが。
何がそんなに好きかって、感情を中々表に出さないイヴがビンタした挙げ句、選択肢によっては「ギャリー!」って大声で呼び掛けるところですよね。ギャリーがイヴにとって欠かせない存在になっていることがよく分かる素晴らしいシーンです。
ギャリーには「好感度と死亡度」が設定されている訳ですが、これらの溜まり具合によってはギャリー死亡√に入りますよね。
要はメアリーに奪われた赤い薔薇とギャリーの青い薔薇を交換するところなんですが、あれどうあがいても交換することになりますよね。つらい。ギャリーの中で「イヴは絶対に助ける」という意志が固くなっているのがつらい。
その後の数少ないギャリーとのやり取りがとてつもなく好きです。後ろめたさを感じるイヴに優しく声を掛けるギャリー。花占いで弱っていくギャリーと、それを心配するイヴ。「追いかけるから」と嘘をついて、イヴを先に行かせるギャリー。
薔薇をむしられたらどうなるか、なんてことはイヴはもちろん理解しています。だからあの場でギャリーがついた嘘はお見通しなわけで。それを知ってなお進むイヴはどんなことを思っていたのかとか考えると辛くなります。
その後、メアリーが青い薔薇の最後の花弁をむしる瞬間に立ち会う訳ですが、ここら辺のイヴのダメージエグすぎる。9才の女の子に背負わせていい業じゃない。
ここでギャリーが居たところに戻ると、眠っているギャリーからライターを借りることができます。この話もまた後で。
ギャリーはとてもいい人でした。皆惚れたでしょ。イケオネエだもんね。私も好き。何度「ギャリー!」って叫んだかわからん。
隙自語ですが私はギャリイヴ推しです。
次、メアリー。
わからん…………。
いや冗談抜きで。端から見ればただのヤンデレですが、背景を追うと一概にそうは言えなくなる。Ibの中で一番子供らしい登場人物です。
「外の世界に出たい」という願いと、「初めてできたお友達」であるイヴを大切にしたいという思いが行動やセリフから滲み出ているメアリーですが、一貫して「秘密を知られたくない」ということもありそうです。メアリーの部屋に入ったときは、イヴ一人であろうと敵意を丸出しにしてましたからね。
あと、生来持っている「外の世界に出たい」の願い方が強いようで。これはED「ある絵画の末路」からですね。メアリーの好感度によってはイヴを見捨てらず、外の世界に出ることをやめるわけですが。
ゲルテナの世界の条件からして、誰かの薔薇を散らさなければメアリーは外の世界には出れません。散らさないと、バッドエンドである「ある絵画の末路」に突入します。
メアリーが願いを二つとも叶えた世界がED「いつまでも一緒」ですね。メアリーにとってのハッピーエンドです。
作品としての自分を逸脱し、人の心と同じものを手にしたメアリーは、されど他のエンドでは自分の薔薇を手にすることはできませんでした。
あと個人的に疑問があって、ギャリー死亡エンドにてメアリーは赤い薔薇と引き換えに青い薔薇を手にいれるわけですが、ギャリーが交換に応じなければどうしたのか、というところで。
ギャリーなのだから絶対に交換するという確信があったのか、あるいは薔薇が散ればどちらでも良かったのか。これがわからないところ。赤い薔薇が散ることは、メアリーは願いの一つを諦めなければなりませんから。
そんな疑問を置いといて、最後。ゲルテナ、或いは作品達。
これですよね黒幕。ゲルテナが想いを込めて描いた作品達に魂が宿ったもの。
作品達の大半は動かないものですが、赤い服、青い服の女たち、三色カラーの無個性たち、マネキンなど、動いてはプレイヤーを驚かせる作品も存在します。
注目するのは壁文字。
イヴをあの世界に誘い、閉じ込め、外へ出ていこうとするメアリーを引き留めるように描かれた文字列達。あの世界の意思とも言えそうな文字列達は、前三人よりは目立たずとも物語を裏から操るような不気味さがありました。
文字列以外でも、ゲルテナの世界に誘導されたシーンは数多く存在でしていました。顕著なのはイバラで三人が分断されたシーンとか。
あとは「ある絵画の末路」におけるゲルテナの世界の様子ですね。桃の鍵を使って入る美術館で、メアリーは壁文字を無視してあのEDを迎えることになるわけですが、私個人はあれは「薔薇を散らしていないメアリーは外の世界には出られない」ことを警告するように壁文字を書いていたように見えました。
疑問なのは、壁文字を無視して「絵空事の世界」の向こう側で暗闇に包まれつつあるメアリーに辛辣な言葉を掛けていたあの壁文字達。あれを書いているのは誰なのかという話で。
薔薇を散らさずに世界を出たことを哀れむ声なのか、嗤う声なのか、そこがわからないところですね。
登場人物についてはこんなところで。
EDの話をします。
海外版非公式パッチで8番目のED「犠牲」がありますが、今回は除外します。順番はぐちゃぐちゃなので悪しからず。
「いつまでも一緒」
先にも言ったメアリーにとってのハッピーエンドですね。たどり着いた時には、あまりに自然に家族の中にいるメアリーに身の毛がよだちました。
このEDの最後に、イヴがもっていたキャンディorライターが奪われて「メアリーお前お前お前ェ!!!」ってなったプレイヤーは多いと思います。
もどかしいのは、イヴが全てを忘れていること。私はプレイヤー≠主人公の図式を貫くタイプなのでこの展開に納得がいってしまうことが辛かったですね
「ようこそゲルテナの世界へ」
理想的ではないにしろ、これもメアリーにとってのハッピーエンド…………なのか? 次に紹介する奴よりは何倍もマシではあるけど。
これも中々狂気に溢れたEDでしたね。作品達と私たちの感性が全く違っていることに気づかされたEDでもありました。倒れてる人間二人をあたかも生きてるように扱うとかプレイヤー側から見たら狂気でしかない。
ライター没収のくだりで、メアリーがどうやって言葉を覚えたのか的な一面が見られました。ゲルテナの世界において、どの作品がどんな在り方をしているのか見てみたい気持ちもある。
「ある絵画の末路」
「ひとりぼっちのイヴ」と並ぶ正真正銘のバッドエンドです。
メアリーが精神的にやられていく過程があまりにも凄惨なので、私はこっちの方がキツい。なんなら「いつまでも一緒」のメアリーが許せるくらいにはキツい。
「絵空事の世界」の向こう側に行った後、暗くなり始めたあたりでメニュー開くとメアリーの立ち絵がおかしくなってるんですよね。怖い。
このエンドが出たことによって、三人まとめて幸せになれる√が存在できないことが証明されました。薔薇を散らさなければ作り物は外に出られない。最高のハッピーエンドを求めて行動すれば、最悪のバッドエンドにたどり着く。なんとも皮肉な話です。
「ひとりぼっちのイヴ」
このエンドにたどり着く方法は三種類あって、どれもゲルテナの世界の嫌らしさを感じるような終わり方でした。
イヴを守って目の前で眠っていったギャリーを送り込んだり、イヴがずっと求めていた家族の姿を送り込んだり、挙げ句の果てには家族の暖かさで誘い込んだり。イヴをこの世界から出したくないような性格の悪さが滲みでてます。
ギャリー&メアリー死亡√においての「ひとりぼっちのイヴ」ですが、この時の偽ャリーの語り口が不気味だったのを鮮明に覚えています。いつもはイヴの行動を尊重して、危ないときは引き下がらせていたギャリーが、彼女の意思をまるで無視するように連れていこうとする言動に絶句してましたね。
あとさっきも話したけど「最後の舞台」で迎えるこのEDキツすぎる。家族の温もりでイヴを誘うあの世界に、リアルで「うっっっわ…………」って声が出ました。
「片隅の記憶」
全てが元通りのED。この上位互換的EDを知っていると中々満足できないのがもどかしいところだけど、7つあるEDの中で2番目にマシであるという事実。
この時ギャリーの手元にはイヴに関する持ち物は一切ないわけですが、イヴの手元にはキャンディがあります。
キャンディ単体では「いつまでも一緒」と同じように思い出せないまま終わりそうですが、ギャリーの姿と掛け合わせて彼女がどこまで思い出してしまうかとか妄想してます。だれか書け。
「再会の約束」
このゲームにおいて一番のハッピーエンドです。メアリー推しの人ごめん。
ぶっちゃけ話すまでもないと思うけれど、最後の選択肢は「覚えてない……」派です。キャンディエピソード大好きマンだから仕方ないね。
このEDから派生するギャリイヴ二次創作はとても幸せな物が多いので私みたいな弱いオタクに優しいエンドになってました。皆も支部で沢山検索するように。幸せになれるぞ。
初見で私はこのハッピーエンドに歓喜したわけですが、どうしても「メアリー」という後ろめたさが伴います。ほんの少しの後味の悪さが「犠牲の上に成り立つ幸せ」を感じさせてくれました。
「忘れられた肖像」
なんでまたこれを最後に持ってきたのかとか言いますと、もちろん私がこのEDがIbの中で一番すきだからですね。さっき「私みたいは弱いオタク──」とかなんとか言ってましたが忘れろ。
単純に、男女CPでどちらかが欠ける最期が性癖なだけです。欠けるのが男側なら尚良し。感情が男→←←女くらいなら最高ですね。
メアリーが青い薔薇を散らした後にギャリーの元へ行くとライターが入手できるわけですが、この時既にイヴのポケットが一杯だから、キャンディを食べなければならないわけです。
ここですよ、ここ。眠るギャリーの目の前で、イヴがどんな心境でキャンディを食べたか考えるだけでしんどくなる。
青い人形の部屋で心壊を引き起こしたギャリーをあそこまで必死に取り戻したのに、それでも目の前で眠るギャリーに何を思ったのかとか考えるの性癖なのです。
奪われた自分の赤い薔薇を取り返したことでこうなってしまったっていう思いは絶対にありますし、なんならギャリーが「先に行って」と言った場面で、そのあまりに分かりやすい嘘をどんな風に捉えていたのかとか妄想してます。
あの部屋から出た後はもう出てきた扉に鍵が掛かってギャリーの元へは帰れなくなるわけですが、青い薔薇を花瓶に生けようと花瓶を探しに行こうとして、もう戻れなくなった妄想が好きです。そういう二次創作があったんだって。
支部の一枚絵にあった「ライターは「借りる」もの」タグあまりにもしんどい。
このEDの最後、イヴはギャリーのことを思い出せないまま母親と美術館をまわりに行くわけですが、ライターには全く触れてないんですよね。だからライターに気がついたイヴが全てを思い出して欲しいなとか思ってます。
Ib。フリーホラゲーとして今でも人気な作品で、その一端に触れることができました。今のところフリーホラゲーでは一番好きだと思います。素晴らしい作品だった。
今回見事にフリーホラゲー沼に嵌まったわけですので、時間を見つけ次第、気になるホラゲーをやっていきたいなぁとか思ってます。