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没ニバス1

全体公開 4731文字
2020-02-10 19:24:45

没が数種類

Posted by @acbh_dmc4

◆炬燵にミカン

デズモンド目が覚めたらアニムスの中。
時分は死んだのか、それとも生きているのかと倒れながら考える。

(ここはどこだ?)
(真っ白い世界。やはり俺は死んだのか?)
(ハハハハ、コイツゥ~)
(ん?なにか話し声が聞こえるな

むくりと起きる
体をキョロキョロ確認する。

(体が動く。痛みもだるさもない。ここはどこだ?アニムスのローディングに似ているな
(ん?あそこにいるのは

炬燵に入ってまったりしているクレイとRエツィオ。
それに目を丸くするデズモンド。

デ「おい、アンタはエツィオか?あと、16号?!」
R「やぁデズモンド。会うのは初めてだな」
16「おい。クレイって呼べよ」
デ「いや、アンタら何やってんだ?なんだよそのテーブル」
R「コタツと言うやつだ。お前が起きるのを待っててやったんだ。お前も入れ」

クレイの方を指さすR。近寄るデズ。2とBHエツィオが寝ているのを見つける。

R「このテーブルは恐ろしい魔力を持っていてな。ここに入るととても気持ち良くて眠ってしまうんだ。悪いがクレイの横に座ってくれ」
デ「いやっ!!?なんでエツィオが3人いるんだよ?!」
R「分からんが3人居るんだ。他のアサシンも居るぞ」


********

◆林檎とエツィオとデズとクレイ


アサシン教団のアニムスの中にシミュレーション空間を作り上げ、共同生活を始めて暫く、新入りが入って来た。
そう楽しそうに報告する年嵩の男は俺とは違い、青年の様に無邪気だ。
保有しているメモリーの所為で、元は同じ人物だと言うのに随分と性格が違う。
だが、そんな男の無邪気さを、俺は嫌いになれず、また同様にこの男と悪ノリをする青年を止める大事なストッパーとなっている。

「それで?今度はどんな面倒な人物が仲間入りを?」
「面倒とは酷い言い草だ。我々の可愛い子孫だぞ?それも孫だ!500年も後に生まれた愛しい子」
「ふむ」

林檎に意識を移して新入りの姿を確かめる。そして俺は思わず眉根を寄せてしまった。

「何故彼がここに?クレイとは違ってアニムスに喰われた訳でもあるまいに」
「ついこの間強い波動がここまで届いた。恐らく先駆者の遺跡が解放された余波だろう。それに関わっていたとしたら、そのせいで彼がこの世界に現れたのかもしれない。なんにせよ、彼にも話を聞いてみよう」
「俺は彼が来たことが非常に残念でならない。もっと長く、幸せに生きる道もあっただろうに」
「そうだな。だが、温かく迎えてやれ」
「さっそく俺たちのもう一人が温かく歓迎しているようだしな」

一番年下の青年が新しい住人、デズモンドを我が家へと案内しているようだ。
チラリと外を窺えばテンション高くデズモンドの腕を取り、戸惑いパニクっている彼を引き摺り我が家の前までやって来ていた。

2「デズモンド!ここが俺たちの家だ!」
R「ようこそ。コーヒーは如何かな?」
2「お菓子もあるよ!」
D「な、なんでエツィオが3人居るんだ?!」
BH「まぁ、混乱しているだろうがまずは座れ。順を追って説明してやる。エツィオ、クレイを呼んできてくれ」
2「わかった!」

元気よく返事を返す青年のエツィオが、犬の尻尾だろう、恐らく一番年嵩のエツィオ導師に着けられて千切れんばかりに振りながら元気に外に飛び出していった。
それを呆気にとられて見つめるデズモンドに再度椅子を進め、導師が淹れたコーヒーと青年が出した菓子をトレーに乗せて彼に勧めた。
おずおずとコーヒーを受け取り、静かにパニクっているデズモンドを落ち着かせるように彼に話しかけた。

BH「混乱するのは分かるが、これからいろいろ説明をしてやる。まずは気持ちを落ち着ける為にコーヒーでも飲め。
砂糖とミルクが要るならこれを使え」
D「ど、どうも

デズモンドの近くにサイドテーブルを寄せてそこに一揃い置いてやる。
おずおずと礼を言い、手元のコーヒーをそのままこくりと飲み込むと、少しだけ心が落ち着いたのか、ため息を一つついて表情を和らげた。

R「美味しいだろう?一番美味い淹れ方で淹れたからな。少しは落ち着いたか?」
D「理解の範疇を超え過ぎていて何とも言えない気持ちだよ」
BH「ならば暫くは何も考えなければ良い。俺たちも知っている事を全て話してやるから。とにかく、リラックスしろ」

そう言ってデズモンドの肩を叩けば、少しだけ納得できない顔をしたが、諦めたように、コーヒーにミルクと砂糖を入れてもう一口飲み込んだ。
そしてそんなに間を置かずに青年エツィオがクレイを引っ張って連れて来た。
クレイの姿にまたもデズモンドが驚いたように目を見開く。

D「な、なんでお前がまたここに居るんだ?!ここはアニムスの中なのか?!」
C「ああ、正解だ。ここはアニムスの仮想空間の中だ。それからお前も死んだんだろうな」
R「だが、ただのアニムスという訳じゃない。ここはアニムスの元となったエデンの林檎の空間なのだ」
D「林檎の?!」
R「ここに来る直前の出来事について話してもらえるか?」


*******

◆3人仲良く(パターン1)

日々父上や兄弟達の仇を掃討するため、方々に遠征し、血なまぐさい毎日に明け暮れる。
怒りに支配され、自分の無力さを嘆く苦痛を紛らわすために動く事は一時の救済になっていた。
だが日々心を苛むどす黒くドロドロしたこの恨みは、夜の寝入りばなや朝の目覚めの時に容赦なく襲い掛かる。

だが忌々しくも俺の心とは裏腹な清廉な朝は必ず訪れる。
カーテンの隙間から漏れる一日の始まりが、優しくも無情に俺の覚醒を促した。

柔らかなベッドから体を起こし、呆として座り続ける。
なんだか妙な夢を見たような、どんな夢だっただろうかと考える。
何にも思い出せないが、ここ最近見る夢などどれも悪夢だったと思い出し、夢の内容などどうでもいいと頭を振った。
シャツ一枚で寝ていたのか、ベッドから降りて素足が毛足の長い絨毯に触れた瞬間、違和感に気が付いた。
ここはモンテリジョーニのヴィラの私室の筈だが、家具や間取りが懐かしいフィレンツェの自室とそっくりだったのだ。
寝心地の良いベッドも、かつて好きなだけ惰眠を貪った自分のベッドと全く同じだ。
一瞬で覚醒し、部屋中をぐるぐると確認する。
クローゼットを開いて中の衣服を確認し、サイドチェストの中や、窓際の執務机を探ってみる。

まるでアサシンの仕事などは悪い夢だったかのように、何もかもが昔のまま俺の目の前に存在していた。
恐る恐る頬を抓る。痛みもある。
頭が真っ白になって慌てて部屋の外も確認しようと身を翻すと、ベッドの角に足の小指をぶつけて悶絶した。
痛みならさっき頬を抓って確認したから十分だ!と痛みとベッドの足に対する理不尽な怒りを感じて拳で床を打った。

漸く足の小指の痛みをやり過ごし、涙目で部屋の扉を開く。
やはり懐かしい生家の廊下に出て、心がぎゅうぎゅうに締め付けられた。
真っ先にフェデリコの部屋へと飛び込む。

しかし、フェデリコの部屋は誰かが使った気配もなく、随分と殺風景に感じた。
急激に心が萎んでいく。
これはやはり悪夢の続きか、と絶望しかけた時、階下から物音と、誰かの話し声が聞こえた。
反射的に体が動く。
階段を駆け下りて音のするダイニングへと飛び込んだ。
ふわりと朝食のいい匂いが鼻をくすぐり、テーブルの上に並べられた見慣れない料理を呆然と眺める。
部屋には俺以外に誰もおらず、話し声はダイニングの奥にある厨房から食器の触れる音と共に聞こえて来た。
音のする方へ向かおうとし掛けた時、厨房へ続く扉が開き、何処か見覚えのある、見知らぬ男が入って来た。

「まったく、アンタはどうしてそういつもいつも……

不機嫌に厨房にいる誰かに話しかけていた男が、俺の姿を見て動きを止める。
急に男が黙ったので不思議に思ったのか、厨房の奥にいたらしい者が声をかけた。

「なんだ?何かあったか」
「何かあったも何も少しはあの子の事も配慮したらどうだまったく。フィレンツェの生家はやはり失敗だ。せめてヴィラにするべきだった」

男がダイニングテーブルに3人分の食事の皿を置くと、俺の方へと向かってきた。
不機嫌そうな顔をしているが、優しく俺の眦を彼の指が撫でる。
その彼の指がしとどに濡れそぼって、知らず涙を流していたことに気が付いた。

「大丈夫か?」
「あ、アンタはここはなんで、俺の家?」
「うーん、随分混乱しているな無理もないか、これまでの記憶はどれだけ残っている?」

優しそうな顔をした年輩の男が俺の背を撫でる。
俺は混乱しつつも、この者達との冒険を思い出していた。


****

◆3人仲良く(パターン2)


紆余曲折、なんやかんやありつつ、導師が本当の事をぶっちゃけて、俺と真ん中の未来の俺と3人でアニムスの世界で生きる事になった。
あとやっぱりなんのかんのでアブスターゴのサーバーからエデンの林檎の方に逃れて第二の人生を歩んでいる。

黄泉の世界が本当に存在するならば、きっとこんな世界の事を言うのかもしれない。
林檎の中は俺たち以外にも沢山人が居て、導師曰く、本当の人のようだとの事だった。

「導師!また俺に猫耳とか着けて遊ばないでください!」
「だが似合うぞ?皆から可愛いと評判だ」
「導師がこういうの作るとなんで削除できないんだ!」
「お前がやりそうなコマンド全部却下してるからな。諦めろ」

横から意地悪そうに笑うちょっと年上の男が止めをさしてくる。
納得がいかなくて導師と男を睨みつければ、背後から可愛い~と黄色い声が上がった。

「耳が女の子たちの方を向いているな。本当は楽しんでるんじゃないか?」
「俺が似合うならアンタらだって似合うはずだ!お返しに着けてやる!」

えいっと導師と男に同じ猫耳をつけてやろうとコードの書き込みをしてみる。
だが、いくら二人の体にコードの書き込みを試みても全てエラーになって装着させることが出来なかった。
恐らく、二人とも俺の行動を見越して先手を打ったのだ。
悔しさに歯噛みすれば、俺の背後で尻尾がボフリと広がって3倍の大きさになったのを、男が面白がって引っ張り始めた。

「にゃっ!!止めろ!引っ張るな!痛いっ!!」
「フワフワで気持ちが良いな。導師もいかがです?」
「おお。フワフワだなぁ~」
「俺で遊ぶなっ!!」

周囲の人々は男3人の下らないじゃれ合いを微笑ましいものでも見る様に、ほんわかと見守っていた。
こうなれば男だけでも道連れにしてやる!

「俺が似合うならこっちのエツィオだって似合うはずだろ!導師!エツィオにも同じ耳と尻尾つけてくれよ!」
「うーん、俺はどちらかというと狼の耳と尻尾の方が良いな。こんな感じか?」

俺が激しく抗議すると、別になんてことないように男が自分で狼の耳と尻尾を構築した。

「犬耳にしか見えんが、似合っているぞ。でも尻尾は猫の方が触り心地が良いなぁ」

導師が男の犬の尻尾よりも俺の猫の尻尾をにぎにぎする。
男の顔を見れば、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべて当てつけの様に数度尻尾を振った。

「仲間外れのようで少し寂しいな。では私は自分の名前の由来の様に鷲にでもなろうか」

導師がそう言うと、まるでレオナルドの描く絵画の天使の様に立派な翼を背に生やした。
その見事な力強い茶色の翼は、導師によく似合っていて、またとても格好良かった。


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