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鬼滅の刃 第197話感想

全体公開 1021文字
2020-03-09 16:19:21

ネタバレ注意。自己責任でお読みください。

Posted by @chi_ma_cho

鬼殺隊や珠世さんたちの無惨滅殺の強い執念は、確実に無惨を死の淵へと追い込んではいるものの、無惨にとっては未だ真綿で締め付ける程度のゆるやかな攻撃でしかない。
一瞬動きの止まった無惨に、行けると思った瞬間、大きな反撃を繰り出され、瀕死のダメージを負う炭治郎と、描写すらされない伊黒さん。
愈史郎さんの目を与えられた鴉経由で、遠く離れた隠れ家にいるお館様兄妹までもが余波を受ける。
炭治郎の痙攣は、死の直前に起こる反応か。
悲鳴嶼さんや冨岡さんの四肢の一部の欠損や、不死川さんの重傷(おそらく)は、かまぼこ隊(カナヲちゃん含む)を庇った為に失ったものだった。
かつて故・煉獄さんの言った、柱たちの責務。
そして足元には、下級の隊士として肉の盾となり、炭治郎や柱たちを守った数多の仲間の死体が。
傷だらけの体でふらふらと荒い息をつきながら、伊之助の怒りが、血がにじむように無惨に向かって吐き出される。
返せよ。
足も、手も。
命も全部返せ、と。
痙攣を繰り返しながら、炭治郎の目にも涙がにじむ。
もう戻らない。
決して戻らない、失ったものは。
伊之助の怒りは、悲しみは、涙となって零れ落ちる。
決死の想いで無惨へと向かう伊之助。
だが、これほどまで弱ってもなお余力のある無惨には、力及ばず返り討ちに合う。
すんでのところを善逸に助けられるが、二人でかかっても結果は変わらない。
善逸は、炭治郎が今の状態ではもう参戦出来ないことを、耳で聴き分けたのだろう。
ただ炭治郎だけは生き延びさせて、人間に戻った禰豆子と一緒に故郷の山に戻してやりたい。
そして傷ついた柱たち、斃れた隊士たちのためにも、諦めず粘り、ふらつきながら立ち上がる二人。
一方で炭治郎は、痙攣を止めるべく日輪刀を自分の心臓近くに突き立てる。
闘うために。
出来る限りのことを成す為に。
愈史郎さんの治療を受けた冨岡さんも悲鳴嶼さんも、じりじりと無惨の元へ近づいていく。
無惨はそんな鬼殺隊を、害虫共と呼ぶ。
真の鬼とは、恥を知らない者のことを言うのだろう。
何故そうまでして皆が自分を滅しようとするのか、無惨は考えたことがあるのだろうか。
先代のお館様とのただ一度きりの会話でも意に介さなかった、その一方通行な無知さこそが、死を望まれる原因となっていることに、それこそ死の直前まで気づかないのではないだろうか。
最期の最期、無知な無惨がその意味を知るとき、この物語は意味を成す気がする。


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