@corona_moca1111
「いつからいっしょにいるんですか。」
意外と早く結構こっちに馴染んできてるのか、めぐみにしては良い質問をしてきた。いつから、と聞かれると困るけど、この前数えたばっかだ。
まぁ、覚えてないから遡るけど。
アイツがそこそこ自分で考え出したのが、あいつの17歳。そこで俺は成長しなくなった。だから、俺は17歳。俺がクソみたいな悩みを持つアイツの代わりに金を手に入れようとしたのが、あいつの14歳くらい。もれなく失敗に終わったのは、知らなかったからだ。あいつが白日俺と堂々と交渉しても怒られなくなったのが、あいつの9歳。でも、結局交代しなかったのは、めぐみが優しすぎたからだと思う。バケモノがあっさり退治されたのがあいつの6歳。あの頃はオトナってやつがどうしてるのかなんかしらなかったしな。
……人殺しからめぐみを守ったのが、めぐみの3歳。
その頃は、俺の方が年上ってことにしてたんだけどな。
つーことで。
まぁ、3歳?って書いとくか。適当に書いて、はい、終わり。俺のことは思い出さない方がいいんだよ、めぐみ。もう終わったことじゃんか。足りない分勝手に補っとくから、平凡に生きて死になよ。
ノートを閉じる。こっちのことなんかどーでもいいんだよ。
携帯の着信。見ると、店からだった。
「はい。メグだけど。」
「はーいメグ君。久しぶり。家族の体調どうですか?」
そういえばこっちも家族で通してたっけ。まぁそんなもんだしな。
「段々治ってきたけど、まだダメ。」
「そっかー。後輩君まで恋しがってるし、お客さんからも電話来てるんだけどなー。」
「わかってるけど、こればっかりはどうしようもねーの。第一、それでそっち行っても怪我してっからできねーよ。」
「げっ。怪我した?大丈夫?」
あからさまに引いた人の声。やばいやつに絡まれてないかって話なんだろう。
「労災じゃねーよ。客でもない。ざっくりは行ったけど事故だ事故。」
「……まぁいいけどさ。わかった。聞かれたらそう言っとくね?」
「……それで聞く訳?」
「マトモなやつは心配するわ。で、ないやつも多そうだけどね!まぁそれはこっちから勘弁ってやつよ。」
「なるほど?ま、治るまで待って。」
「はーい。また連絡するから。」
「はい。」
店としてしっかりしてて安心した。切れた電話。そこに出てる非通知だけど覚えてる番号。架空の家族に対して心配してるやばいやつに気がつかない世間様。
はぁ。
なんとなくノートに付け足したくなって、開いてペンを持つ。言葉にするのは大変だしめんどくさい。
早く簡単に話せるようにしてほしい。
早く永遠に話せないようにしてほしい。
めんどくせー。はー、めんどくせー。
『知らなくていいから。メソメソするなよバーカ。』
うわ。
塗りつぶす。
うわぁ。俺らしくもない。最悪だ。全く、毎回めぐみが絡むといつもこーだ。最悪だ。
「なんでこう……なんで、こう……」
最、悪だ。