@takonsm
ファジーが呼び出されて、何事かと思ったらドアが壊れていた。
何時もの様に俺は雑多な人々に混ざりながら街の中を歩いていた。……って、どれが俺だって? その中で黒コートを着て、金髪なのが俺だ。
そんな俺を誰も気にも留めない。 ……ん?そりゃ、おかしいぞって?
日中黒いコートなのに誰も気に留めないのか? ああ、なるほど。それはアバターの参入以降「俺より派手」な奴が大勢居る。だから、マシな方さ。
「ファジー殿~~~~~~~!!!」
何だこの滅茶苦茶濃い人の呼び方は。え、誰だ?
「ファジー殿~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!! 炎上でござる~~~~~~~~~~!!」
俺の目の前に現れる謎の忍び。誰だ……?
おい、ちょっと待てよ!
「ちょっと落ち着けよ! 皆俺達を見て……」
「拙者達はイロモノの恰好をしている故……!!!!!!!!!!!!!!!」
「声が大きいからだろ!!!」
「ファジー殿が言うでござるか!?」
「理不尽かよ!!」
……俺達の不毛な言い争いはしばらく続き、ようやく沈静化を見せた。
っていうかコイツは誰だ。
「……依頼でござる。レコード・レイドが襲われたでござる。速やかに救援を」
「何だって……?」
「あのお方にまたドアを壊されたでござるよォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!!!」
「どのお方だ……? 待ってくれないか。まずお前は誰だ」
「という訳で……救援でござる」
「……ああ、分かった。で、結局お前は誰なんだ」
誰なんだ。
というわけで、俺は忍者の要請によりレコー・ドレイドの救援へと向かった。
そこで俺が見たものは……。
「確かに空き部屋のドアが1つ壊れてるな……。廊下の方向にパカッと開いた状態だこれ。何があったんだ?」
「ああ……」 サワヤカー
俺の質問に答えてくれるこの黒の鎧に青いマントをした服の金髪なイケメンもまたレコード・レイドに所属する男だ。
情報収集の結果、彼が一部始終を知っているらしい。……。しかしドアが粉砕、か。イリーガル・レイドの仕業によると参ったな……。
「思いっきりドアノブ捻じったらドアが壊れたんだ……」 サワヤカー
「お前!!!!」
金具とか吹っ飛んでるが、このドア。
「直して……くれないか……?」 サワヤカー
「お前さあ……。……あー。分かったよ! 手伝えばいいんだろ。何すれば良いんだ」
「まずダンジョンで収集できる木材を回収する」 サワヤカー
「…………」
俺は今物凄く疲れた気持ちになってしまった。
なんやかんやで俺達は森へと向かい木材を集め始めるが……。当然のように魔獣達と戯れることになってしまった。
「来るぞ。ファジー!!」 サワヤカー
「……釈然としないな!」
爽やかな男は姿勢を低くし、自慢の長槍を獣へと向けた。
「結構決まってる構えじゃないか!」
そう呼びかける俺はいつものように白い剣と黒い剣の二刀流の態勢を取る。
「お前もな!」 サワヤカー
「……行くぞ」
「俺達の戦いは、これからだ!!」 クライマックスサワヤカー
かくして……
俺達の戦いは終わりを告げた。
その後なんやかんやでドアは直り……。
爽やかな男は爽やかなまま消えて行き……。
忍者は最後まで謎だった……。
……。気付いたら、空が茜色だ。俺はぼんやりと椅子に座りながらそれを見上げていた。
空は、何があっても変わらないな。