@alkalion18
ある日、学校の帰り道。
千里「本格的に寒くなってきたねぇ。だんだん素足だと飛ぶのつらいし、股引でも穿こうかな」
藪彦「体調崩して異変解決できませんでしたってのも癪だろうしな」
千里「それ! 異変を放置するのもそうだし、何よりモヤモヤするのは嫌だもん!」
千里「……そう考えたら、この間の異変は解決できてよかったよね。危険だったけど」
藪彦「動物化異変か。最終的に味方してくれているみたいだし、結果オーライだな」
千里「鵺さん、元気かなー」
???「元気だぞー」
千里「うわあぁぁっ!?」
藪彦「……び、びっくりした。突然後ろに出てくるとは思わなかったぜ……」
鵺「うはは! びっくりしておるー♪」
千里「本当に来てくれたんだ……! なんか感動ーっ」
鵺「当たり前だ、約束したのだから。まあちょっと壁が厚かったが、通るコツは掴んだぞ!」
藪彦「やっぱり凄い力を持っているんだな。大変な存在と知り合ってしまった……」
鵺「で、で。我の名前は決まったか?」
千里「…………決まった!?」
藪彦「お前考えてなかったのかよ。結局丸投げかい」
鵺「我、気になって気になって。転げ回っていたら危うくあちらの世界の扉に猛突進するところだったぞ!」
藪彦「ステイ」
千里「で、で! つまりやっくんは考えたんだよね?」
藪彦「おう…………言っておくけどセンスとか保証しねぇからなマジで」
鵺「わくわく」
千里「どきどき」
藪彦「───夜空(よそら)」
千里「おおーっ! 綺麗な名前だね! 由来とかあるの?」
藪彦「安直で申し訳ないんだけどさ。”ぬえ”っていろんな漢字があてられてて」
藪彦「その中に”夜”と”空”がへんに使われている漢字があったから。鵺さん、暗闇でもキラキラしてたし」
藪彦「……似合うかな、って」
千里「(満面の笑み)」
藪彦「その顔はやめてくれ」
鵺「夜空。それが、この姿の名になるのだな」
夜空「良い! 良いではないか! ふふ、こそばゆいのう」
藪彦「気に入ってくれたなら何より……うおっ」
夜空「ねーみんぐせんす? とかよくわからんが、藪彦は名付けの天才だなぁ! 礼を言うぞー♪」
藪彦「だ、抱き付くのも相変わらずだな……っ」
千里「いいなあ。僕もぎゅーして欲しいよ!」
夜空「お、千里もするか! おいでおいで」
千里「わーい!」
……
夜空「さて。せっかくこの世界に来たのだ、今度は遊びに連れて行っておくれ!」
藪彦「今のやり取りで三十分以上経ってんだけど……」
千里「早上がりでよかったねぇ。どうしよう、どこに連れて行こうかな」
藪彦「怪しまれたりは……しないか?」
千里「柯北の中だったらそこまで怪しくはないと思うけど。夜空は歩ける?」
夜空「不慣れではあるが、二足歩行も心得ているぞ」
千里「よし、オッケー! 格好は……もふもふ……」
藪彦「服装だけって変えられるのか? 俺みたいに、パーカーとか」
夜空「藪彦のような装いになれば良いのか。お安い御用!」
藪彦「……本当、なんでもできるな」
千里「じゃあ準備完了だね! それでは柯北探険パートツー、しゅっぱーつ!!」
after ending 夜空に瞬く星のように
──出会えたのも一つの縁。鵺さん改め、夜空さんは大満喫したそうな。