長くてしめっっぽいです。
@tohru3
愛した犬がいました。
過去形で書いていますが、実は書き出している時点ではイッヌはまだ生きているのでした
つまりいまの私はたいへん縁起の悪いことをしでかしてるんですが、いなくなってしまったらきっとちゃんとした文章を書けないと思うんだ~
そしてこれをだれかが読んでいるときには、わたしの愛犬はもう虹の橋に行ってしまった頃ですね。
すんごい長いんですけど、そして自己満足なんですけど、書いておきたかった。
すごく愛した犬がいたこと。
2004年3月21日生まれ、オス、黒い柴犬。わたしの愛犬です。
4321で覚えやすい。家に来た日は5月5日。これまた覚えやすい。
おかげで彼の記念日を忘れたことはありません。
誕生日がくるたびに、どこかで犬用のケーキを買ってきたり、家族がそれっぽいものを焼いたりして、1年1年祝ってきました。
うちの家はこれまでもずっと犬と暮らしてきたのですが、先代の子は柴犬っぽい雑種で、その頃は犬は外で飼うのが当たり前の時代。
あんまりいいにおいがしなくて、こどもだったわたしはそれがいやだからあまり触らなくて、お世辞にも「かわいがっていた」「愛犬」とは言えませんでした。
その先代の彼がいなくなったあと、2004年にやってきた犬は、家人にとってもはじめての家飼い、そしてはじめての柴犬でした。
柴犬って…というか、犬って、いろんなイメージがありますよね。
飼い主が好きで、忠実で、しつければよく言うことを聞いて、ただいまといえばちぎれんばかりにしっぽを振りながら迎えてくれる。
結論から言えばうちの犬、ほぼほぼあてはまってませんでした。
彼の名誉のために言いますが、彼は頭は悪くなくて、お手やおかわり、トイレのしつけなどは驚くほどちゃんとしていました。伏せ、回れ、ドアをあけて、あごをのせて、頭にみかんをのせたままじっとしていて、など、彼はすべてきちんとやってくれました。度ナシのメガネをかけてもおとなしく写真をとたせてくれたりした。芸達者なやつです。
でも、それ以外の部分…要するに「愛嬌」の部分を全部すっぽりお母さんのおなかにおいてきていたようで。
はじめて彼に会ったときの、あのしんだような目といったらね…
はじめまして!と喜ぶわたしたちを横目にしただけで、ふるえるでもなく、ただただジットリと黙りこくり、ケージの隅にうずくまっていた子犬。
彼は見た目だけは存在しているだけで天使のように可愛かったですが(贔屓目あり)、挙動は1ミリたりとも可愛い要素がありませんでした。これ、晩年までずっとそう。
彼はほぼほぼ飼い主の帰りを玄関で待ったこともなく、
一度もおなかを出して甘えたこともなく、
だっこを拒み、時には噛みつき、
それどころか1年に1回くらいしか飼い主にしっぽをふることもない。
くるんとまいた可愛いしっぽがあるのに、それは飾りか?ふらないしっぽはただのくるんだ。
おかしいなこんなはずじゃなかった。
犬を飼うということは、無条件でわたしを愛してくれるモフモフの天使が来てくれるということだとばかり思っていたのですが、それは大きな間違いのようでした。
ただ彼は清潔で、いいにおいがして、ツヤツヤなモフモフの毛をもっていて、わたしはいつでも抱きしめることができた。
それはわたしにとってとても、とても大きなことでした。
はやくおきて散歩にいって、ご飯をたべて、ご飯をあげて、仕事に行って、帰って散歩にいって、ご飯を食べて、ご飯をあげて。
休みの日には一緒に遠出して。
いつでも、抱きしめたいときに、彼を抱きしめた。
犬は人とはちがうから、彼はわたしの子供でもないし、弟でもない。
でも、ずっと一緒に生活してきた彼は、間違いなくわたしの家族になってくれていました。
今までの子たちと、同じ 犬。
でも、今までの子たちと、彼は違う。
それがすごく、尊いことのようで、そしてすごく、申し訳ないことのようで。
もちろん外で暮らしてきた今までの犬たちも、ちゃんと愛されていました。
ただ、愛したのはわたしではなくわたしの家族で、わたし個人は彼らとちゃんと「家族」ではなかった。
「家族でなかった」ことにすら気付いていなかったけれど。
それに気づかせてくれたのは、いままででいちばん愛想のない、この黒い犬でした。
わたしはこの黒い犬が、大好きでした。
あなたのこと、色々覚えてるよ。
手のひらサイズのツキノワグマみたいだった子犬時代。
ケージから出たくて柵を齧っていたら、上下の歯が柵にはまって取れなくなって首を90度に曲げた状態で悲壮に泣いたこと。
ずっと水が嫌いで、お風呂も断末魔みたいな悲鳴で入っていたのに、一度だけ旅行先で川の中を歩いていた私のところに突然ダイブしてきて、ずぶぬれになったこと。タオルなんて用意してないから大変だった。
若い頃はアレルギーがあって、いっぱいフードを変えたね。あなたはあまりお通じの質がよくない気がして、いっぱいためしたね。思えば全盛期は1日に4・5回イイのが出てて、快便にもほどがあったね。のちに1日1回しないこともあるよという友達犬の話きいておったまげました。あなた出すぎてるやん。
わたしたちにはおなかを出す服従のポーズをしないくせに、ご機嫌だとひとりで仰向けになっておしりをフリフリするダンスをしてたこと。あれ、調子の悪いときはしないから、「元気ですダンス」って呼んでました。
なんでかTVから聞こえるサッカーやテニスなどの歓声がきらいで、つけると吠え散らかしていたこと。地味に困りました。花火の音はスルーなのになんで?
いちどだけ写真家さんに撮ってもらって、カレンダー写真に使ってもらったこと。あじさいの前で撮りたくて、綺麗なあじさいのある場所を探して歩いたね。6月が特別になりました。

ほっぺたに謎のおできができたこと。病院に相談して、手術かな…とかいってる矢先にぽろりと取れた。あれなんだったの?
足が痛いというしぐさでケンケンあるくから、遠くの病院までいったこともあったね。原因がわからなくて、麻酔をかけて検査をするか…?とかいってる矢先にあの年の震災がきて、お留守番中にTVが倒れてきたショックでビックリしたあなたは足が痛いしぐさをすっかりやめたね。さては仮病だったんか!?今も気になってます。
狂犬病の注射は得意だったこと。すごくいいこにしていたね。注射より、オシリにさされる体温計が嫌いだったよね。普段全然抱っこさせてくれないのに、診察台にのるときだけは私にしがみついてきた。
あなたが必死に私にすがりついてくる姿が、かわいそうなんだけど、申し訳ないけど愛おしかった。わたしがそばにいるからね。
高架下を電車が走っているところにくると、電車をおいかけようとしてほえながら高架の上を走り回ったことも。あれ、わたしも走らされて大変でした。でも可愛かったなあ。走るあなたを皆が微笑んで見てた。
晩年、もうよたよた歩きしかできないのに、散歩で道の匂いをクンクン嗅ぐときはめちゃくちゃしっかり踏ん張って、早く帰りたい飼い主に反抗したこと。
夜中2時におそそうしたまま家の中を歩き回って大惨事になったこと。なんでシートをわざわざ外れたとこでするかなあ~笑うしかなかったよ!
夜鳴きをするようになってみんな困り果ててたころ、頬を撫でると目をとじて気持ちよさそうにしてくれたこと。
あなたのために子供もいないのにムーニーを買ったこと。犬って年をとると赤ちゃんみたいになるんだ。なんだ、ずっと可愛い。
赤が似合っていたこと。
時々マフラーを巻いてあげると、通りすがりの人から可愛い!といってもらえて気分が良かったこと。
ゆでたまごは黄身しか食べないこと。
10年以上食べ続けたフードを15歳から突然食べなくなって困ったこと。
ヨーグルトの容器の最後を舐めるのが好きだけど、メチャクチャ下手だったこと。
鼻の上にヨーグルトをつけてあげると、一生懸命舐めようとするけど下手くそでずっと虚空をペロペロしてておもしろかったこと。
桜の季節のたびに、あなたと写真をとったこと。
あなたと一緒にどこへでも行ったこと。
車がないから、歩いていける範囲ならどこへでも行った。片道2時間でも歩いた。
あなたと色んな花を見て、色んなものを食べ、いろんな時間を過ごした。一緒に旅行も行った。
飲食店をさがす条件の1番は、「犬と一緒に入れるか」「犬がいられるテラス席はあるか」。
あなたはどの店に行ってもとてもお利口で、騒ぐことも粗相をすることもなくて、いつも店員さんに褒められるのが楽しくて鼻が高かった。
あなたがいる生活は本当に楽しかった。
ほんとうに何を考えてるのかまったくわからないしっぽの持ち主だったから、
彼に愛されていたかはわかりません。
それでも、何も伝えてくれなくても、わたしたちは彼を愛していました。
ほんとうに ほんと~~~に彼は行動としては何も返してきてくれなかったのですが、
彼は存在しているだけで私の「しあわせ」そのものでした。
彼がいるだけで世界が楽しかった。季節が美しかった。
どんなによぼよぼで何の力も出せそうになくても、彼がいるだけで夜道も怖くなかった。
彼がいることが、わたしのパワーでした。
世界一かわいくない、そして世界一かわいい。
それがわたしの愛犬でした。
こうちゃん。
わたしの、たったいっぴきの、はじめての愛犬。
わたしのところにきてくれて本当にありがとう。
あなたはしあわせでしたか。しっぽをふらないから全然わかんなかったよ。
でも、もしすこしでもわたしたちを好きでいてくれたのなら、虹の橋で、また会ってください。どうか先代によろしく。今度もし会えたら、彼とも家族になりたいな。許してくれるかな。
あいしてるよ。
あなたをあいしてる。
だいすきだよ。
あいしてる。
しあわせだったよ。
ありがとう。こうちゃん、あなたにあえてよかった。
あいしてるよ。
ずっとあいしてる。
2004年3月21に生まれ、
2004年5月5日にわたしの家族になってくれた犬は、
2020年7月4日にわたしのもとを去っていきました。

ツイッター上で写真を見てくださっていたみなさん、かわいがってくださったみなさん、
いままでありがとうございました。