トリコマ

@tkaruno
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2015-02-03 21:07:19

タグお題その4。


* * * * *


 不意にテリーは小松の襟首を銜えると、そのまま放り投げるような形で自分の背中に乗せた。
「わわっ?!」
 小松は柔らかなテリーの毛並みに埋もれる格好になったが、まだ何が起きたかわからず目を白黒させている。トリコも予想外のテリーの行動に反応が遅れた。
「あっ?!おい!テリー?!」
 咄嗟にテリーの前足を掴もうとしたトリコだったが、一瞬早くテリーはその手を逃れて立ち上がった。テリーがトリコにこんな態度を取るのは初めての事だ。
「どうしたんだよテリー!」
 どうにも嫌な予感がしたらしいトリコは慌ててテリーに飛び乗ろうとしたが、寸での所でまたもやテリーの方が早く動く。
「テ、テリー?」
 まだ思考は追いついていないようだが何かが起きている事を察した小松が、テリーの顔を覗き込むような格好で声をかけた。
 嫌な予感しかしない。そしてそんな予感ほど当たってしまうのは世の常だ。
「ウォン!」
 テリーは一声短く……トリコに向かって……吠えると、次の瞬間風を切って走り出した。
「うわぁあああっ?!ト、トリコさぁあああん!」
「小松っ?!おい、テリー!待て!止まれ!」
 トリコは決して足が遅い訳ではないが、バトルウルフの脚力と比べては勝負にならない。
 全力疾走も空しく、数十秒後には小松を乗せたテリーの姿は跡形も無く見えなくなってしまった。



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