@kuroiyuri99
いつもなら遠くに聴こえる蝉の声が、今日は一段と大きく響く。
生ぬるい風がカーテンを拐い、まばゆいばかりの日光が室内に降り注ぐ。
蝉の大合唱とあまりの暑さに、うわんと耳鳴りめいたものを感じ、俺、夢埜霧馬(ゆめのむま)はちいさく溜め息を吐いた。
そんな中、心踊る音と言えば不規則に跳ねるシャワーの水音だろうか。
淫魔という特性から自身の体温を調整することは可能なのだが、パートナーであるお嬢ちゃんが暑がっているのに一人涼しい顔をするのも薄情だろうと、体感温度は彼女と同じく30度超えだ。
「お嬢ちゃん。イチゴとメロン、どっちが良い?」
買ってきたばかりのかき氷機の箱を開封しながら大声を張れば、風呂場からはイチゴ、という返事が返ってきた。
「はいよー。俺はメロンにするかねぇ」
これまでほとんど人間の食べ物は口にして来なかったのだが、お嬢ちゃんと暮らすようになってそれも変わった。
例え腹はまったく膨れなくとも、好いた女と同じ空間で同じものを口にするという行為そのものに喜びがあると知ったからだ。
ざっと洗った特売の手回しのかき氷機に、これまた買ってきたばかりの氷をセットしてゴーリゴーリと削っていく。
因みに暑さに耐え兼ねたらしいお嬢ちゃんは、本日2度目のシャワーという名の水浴び中だ。
「あー、しっかし、よりにもよって今日壊れなくても良いのになぁ」
最高気温が35度を超えるというニュースを流し見ていた今朝、突如として寿命を迎えたエアコンに悪態をつく。
魔法でなんとかならないかと言われたが、精密な機械の修理は流石に無理だと告げるとお嬢ちゃんはこの世の終わりの様な顔をした。
それから彼女は修理業者を探しまくって、明日の朝イチに来てくれる業者を見付けるのにも苦労していた。
そんなバタバタがありながらも、間もなくシャワーを終えるであろう彼女の為に氷を削るという時間は、案外悪くない。
業者探しに奮闘し、部屋の中で茹だる彼女を不憫に思って、文字通り一瞬でデパートへと向かった。
目的は、このかき氷機と氷とシロップの購入の為だ。
魔法で一瞬でそれらを買ってきた時に、お嬢ちゃんからは、やだイケメン、というお褒めの言葉をいただき、気を良くした俺は愛するお嬢ちゃんのためにこうしてせっせと氷を削っているという訳だ。
ガチャリと風呂場のドアが開き、いつものように髪の毛から雫を垂らしながら彼女が出てきた。
「ん、イチゴ味な。溶けるから先に食べてな」
完璧なタイミングで出来上がったかき氷を手渡すと、お嬢ちゃんの顔がぱぁっと輝いた。
嬉しそうなありがとうを受け、自らの分も手早く氷を削っていく。
こういうのも、悪くねぇな。
彼女に出逢うまで、自分が誰かに尽くすなんて考えた事もなかった。そしてそれが存外、楽しいなんて。
「さーて、出来たっと。お嬢ちゃん、練乳もあるからな」
チューブのそれを手に、小さなローテーブルに向かい合って座る。
しゃくしゃくと小気味良い音を立てて氷を咀嚼する彼女をしばらく眺め、練乳を掲げる。
「かけてやろうか?」
わざといやらしく訊いたのに、こういった戯れにも耐性がついたらしいお嬢ちゃんは、無言で半分程に減ったかき氷の皿を突き出してきた。
しかも、早くかけて、との催促までされて、いやらしさの欠片もない台詞の応酬にがっくりと肩を落とした。
お嬢ちゃんの髪を粗方タオルで拭ってやると、からん、とグラスの中で氷が鳴った。シャワーとかき氷とキンキンに冷えた麦茶で幾分か体が冷えたらしいお嬢ちゃんは、機嫌良く昼の情報番組を眺めている。
「テレビより、俺を構う方が面白いだろ」
コーナーが今週の映画ランキングへと変わったタイミングでテレビの電源を落とし、彼女の顎を掬い上げる。
しっとりと唇を塞ぐと、少しだけひんやりとした。
控え目に差し出された舌を吸ってやると、鼻に掛かった甘い声が洩れてくる。ぴちゃりと互いの舌と粘膜が微かな音を立てる。
人よりは幾分か長い舌でざらりとした上顎をくすぐると、一際高い喉声が響く。唇を離して、しぃーっと声を抑えるよう嗜め、開いている窓を指差す。
「隣のやつに、昼間っからお盛んだって思われるぞ?」
他の部屋は間違いなく窓を締め切り、エアコンをかけている。それに加え矯声をかき消す程の蝉の声が響いている以上、近所にバレる心配は無いのだが、素直に両手で自身の口を塞いで頷く彼女が可愛くて、まだしっとりとした髪の毛を梳いてやる。
「そうそう。声、我慢できて偉いな」
ハーフパンツから覗く白い脚に手を滑らせ、しっとりと吸い付くような感触を確かめる。
腿を擦り合わせるような反応に、ハーフパンツと共に下着をずらし、熟れた場所へと指を這わせる。
ぬるりとした感触に、無意識に口角が上がった。
ラグの上に押し倒し、脚を開かせると愛液にまみれた性器がてらてらと光っている。
「もうぐちょぐちょじゃねぇか」
指先でぬるり、ぬるりと割れ目を縦になぞり、引っ掛かる陰核を軽く潰すように擦り上げる。
自身で塞いだ手の隙間から甘えるような喉声が零れ、硬さを増してきた小さな突起を指先で摘まんでやる。
「また、ここ……でっかくしてやろうか?」
以前やったプレイを提案するが、恥ずかしいのかふるふると首を振られた。じゃあまた今度なと耳朶を食みながら淫猥な約束を取り付けると、今度なら、と恥ずかしそうに告げられる。
言質を取った所でそっと指を膣内に滑り込ませ、陰核を親指で擦りながらぬるつくやわらかな内壁を撫でてやる。
必死に口元を手で覆い声を殺すのも可愛くて堪らないが、段々と赤みを帯びてきた顔が心配になり、その手を退けさせた。
「これ、咥えてな。手よりマシだろ」
形を変え、陰茎を模した尻尾の先で、彼女の唇をなぞる。
誘うように薄く開かれた唇をこじ開け、つるりとした卑猥な形に変形した尻尾を赤く熱い口腔へと挿し入れる。
「噛むなよ、俺の尻尾……敏感なんだから」
感度の良い上顎をつるりとした先端で撫で、 ゆっくりと喉元まで挿入していく。
尻尾の先端から人の体には媚薬となる体液を滲ませ、口腔を抽挿して舌に塗り付ける。
「ちゃんと飲みな。そうしたら、お嬢ちゃんの喉、マンコにしてやるから」
ぐちゅぐちゅと口腔をかき混ぜ、お嬢ちゃんの唾液と俺の体液を混ぜ合わせて嚥下させる。
「お嬢ちゃん、口もっと開けて。喉マン、犯してやるから」
ぱかりと開いた喉奥に、ゆっくりと尻尾を挿入していく。それと同時に膣に深く指を挿し入れると、彼女の体が震えた。
抽挿を繰り返す度、ぐちゅぐちゅと微かな音が喉奥から響く。
お嬢ちゃんの瞳がとろりと溶け、鼻に掛かった甘い声が洩れ始める。
「ほら、ここまで入ってる」
空いた左手で、尻尾の形の浮いた喉を撫でてやれば、ひくひくと喉元が締まる。
「気持ちいい?」
声が出せないからか、尻尾をやわらかな舌がひらりと撫でた。
「可愛ことすんなって」
濡れた指を引き抜き、内腿を抱えて体を開かせる。
「入れるな」
痛いほどに勃ち上がったそれをゆっくりと潜り込ませ、腰を進める。あたたかな内壁が絡みついて包まれるこの瞬間、何故かいつもほっとする。
ふと生まれた思い付きを、お嬢ちゃんに提案してみる。
「なぁ、お嬢ちゃん。今日は卵産んでみるか?」
不安そうに揺れた瞳に、安心しなと言葉を紡ぐ。
「そういうプレイだよ。俺の精液、お嬢ちゃんの腹の中で固めるだけ。魔法でな」
想像したのか、カッと頬に赤みが差し、腕の中の体がぶるりと震え、微かに首を振られる。
「嘘つけよ。俺の精液卵、ひり出してみたいだろ?」
喉奥から尻尾をわずかに引き抜き、口腔をぐちゅぐちゅとかき混ぜる。
「本気で嫌なら、噛んで」
しばらく舌をなぶってみたが、噛まれることはなかった。
「いい子だ」
再び尻尾を喉に挿入し、性感体となった喉ちんこを擦り上げるとくふん、と可愛らしい鼻息が洩れた。
両脚を抱え上げ、屹立をより深くに挿入しながら激しく腰を打ち付ける。
ん、ん、という喉声を聞きながら、ふと悪戯心が沸いてきた。
脚を抱えていた右手を膝裏から離し、彼女の下腹部に当てて口の中で呪文を唱える。
一瞬、皮膚に紫に発光した模様が浮かび、次の瞬間びくんっとお嬢ちゃんの体が跳ねた。
「心配すんな。子宮口を開けただーけ。産卵は、ちゃんとそこからしないと変だろ?」
気持ちの良い膣内を擦り上げ、ぐちゅぐちゅとわざと恥ずかしい水音を立てながら……こっそりと自身の体を操作する。
いつもと具合が違うことに気付いたのか、唸りともつかない声を上げ始めた彼女に何でもないように告げる。
「俺のちんぽ、ちょーっと長くしてみた。お嬢ちゃんの子宮内をちゃんと味わいたいからな」
言い切るのと同時に、ぐちゅん!っと腰を叩きつける。
ぴったりと体が重なり、高い矯声が洩れた。
「出す、ぞ!」
きゅうきゅうと絶妙な締め付けを感じながら、子宮の中に射精する。
「はは、どうだ? 中で、固まってるだろ」
腰を揺すりながら長々と射精を繰り返し、まだ硬さの残る陰茎を引き抜いて会陰を指先で開く。
「ほら。俺の精液卵……産んで?」
臍の下辺りに手を当て、ごろごろとした感触を楽しむ。
「お嬢ちゃんは、初めての産卵だからな。卵は3つにしてやった。俺って優しいだろ?」
早く排出したいのか、息みと共に口腔を満たす尻尾を思い切り噛まれた。
「……良いよ。思い切り噛んで、息んで。俺の卵、そのぐちょぐちょのマンコからひり出せよ」
外側から触れていると、卵が段々と動いていくのが分かる。赤くなるお嬢ちゃんの顔と、苦しさと快楽の混ざった喉声が堪らない。
「卵産むの、気持ち良いだろ?」
ふっと、とろけるような笑みを向けられた。
嬉しい、と言われたような気がして……噛みしめられていた尻尾を口腔から引き抜く。
「口塞いでやるから、上手に産めよ」
唾液と俺の体液でてらてらと光る唇を深く塞ぎ、腹を押す。
濁った矯声と共に、ピンポン玉ほどのやわらかな卵が大量の膣液と共に排出された。
そっと手のひらで受けてやれば続けざまに、2つ、3つと産み落とされた生暖かい擬似卵に、不思議と愛着が沸いてくる。
絡めていた舌を解放し、荒い息を繰り返す彼女を労るように濡れた唇を吸ってやる。
「上手に産めて、偉いな」
腹から手を離し、乱れた髪を撫でてやる。
気持ちよさそうに擦り寄ってくる彼女の頬を撫で、顎を掬い上げる。
「まだ、足りないだろ? 次は……ボテ腹になるまで出してやるから」
頑張って全部産んでくれ。
鼓膜に直接響くよう耳元でそう囁くと、お嬢ちゃんはぶるりと体を震わせたあと、ちいさく……だが、確かに頷いた。
おしまい