@takonsm
1
人の心の悪意。その正体を暴かねばならない。彼はそう言った。
だから彼は数種類の実験を行った。何をすれば人は人の悪意を剥き出しに出来るか試していた。
色を奪った。
魔獣と同一化させた。
親が自分を捨てたことを告げた。
俺の誕生日に俺を研究所から追い出した。
ところが、俺は悪意を剥き出しにすることはついにはなかった。
ただ怒りだけをため込んで、彼に表立って矛先を向けることをしなかったのだ。
俺にあったのは喜怒哀楽の感情。研究所から追い出した時にやっと解放される喜び、彼への怒り、全てに対する悲しさ、自由への楽しさ。
心とは、なんともろいものか。
2
確かなのは、あれが一切の人としての感情を持っていないことだけだけだ。
魔獣に対しての研究を行い、自分のエゴの為に喜び、怒り、悲しみ、楽しむ。
更なる研究を続けなければならない。そう願う彼は狂気にも感じた。
それともあれが本当の生物としての人としてあるべき姿なのかもしれない。
3,4,5
(抜け落ちている)
6
この小さな世界を包む無限の空間には、ここにはない可能性が堂々と見えていた。
出来ることなら宵の空へ飛び立ち、自由に彷徨ってみたいものだ。
俺もまたつまらない研究を続け、自己肯定を望んでいたが時には外の世界が羨ましくなる。
現実とは違うバーチャル空間。こことは別にも存在するのだろうか。俺もいつかはそこで……。
……。いや、叶わぬ夢を語るのはよそう。
7,8,9,10
(抜け落ちている)
11
アバターとして存在し自殺した男がいる。
彼が死んでからもう2ヶ月も時が経過していた。
不穏が迸る。嫌な予感がする。何かがある。アイツはそういう男だ。
しかし何の根拠も示せないままそれを語る事は出来ない。俺の妄想だろうか。
12.
ジャム・プレイスで死ねばどうなるだろうか。
1度目は無条件で復活出来るだろう。通常はそこで終わり。
2度目は現実でのバックアップ機材があれば可能となる。
俺は持っていない。そもそも高額だし、俺は巻き込まれ。用意する事は不可能だ。
レコード・レイド、何人がそれを保有しているのだろうか。