@takonsm
エイセル魔法学院。
魔法の普及を進めており、世界初の魔法使い養成機関として設立された。
種族間の融和は魔法の普及によって成される、という理念を掲げている。
そのとある教室で、授業を待つ6人の若者のうちこの場に居るのは5人。
1人の男は椅子を逆向きにして座りながら会話の中心となり、1人の男と1人の女は椅子を逆向きにした彼の行儀が悪いと嗜め、また別の1人の男と1人の女は笑って眺めている。
「ちょっと、行儀悪いって。やめなさいってば」
「そうだよブラギ。そういうのはだめ、めっ。だよ」
「いーじゃん。そーいうウルズもヘルモもさあ。本当はちょっと憧れてるんでしょ?」
「……べ、別にっ!」
「この女、気持ち弱っ」
ブラギは狼狽したウルズに対して一通り笑った後、別の椅子に正しく行儀良く座る。
ドヤ顔のまま男の方であるヘルモを一瞥。
「ムカつくな」
「俺の顔の良さが? 照れるなあ」
「殴っていいか?」
「優等生くん?」
「殴っていい?」
「だめだよ?」
「……お前ら、そろそろ授業始まるぞ」
「だよ? いつまでも遊んでないで、そろそろちゃんとしてないと先生に怒られるって。
先生は怖いってこと忘れてない? 先生がクラスに入ってくるまでにちゃーんと座ってないと、雷が落ちるの。魔法的に」
笑いながら傍観していた2人は頃合いと見て話しかける。
「ヒカル、ヴォル。そんなに強く言わなくたっていいだろ~? それを言ったらまだフラッドも来てねーじゃん」
「まあアイツは遅刻癖あるからな」
「認めてんのか」
「諦めている……」
「ヒカルも大変だな……」
「ああ……」
飛び入るように1人の男が教室に入り込んできた。
彼は、遅刻していたフラッドという男。全員の注目を集めながら視線は時計を向く。
「お待たせ。いやー、間に合った。まだ10秒もある」
「いーち、にー、さーん、しー」
「あ、やめてヴォル。カウントやめ」
「なーなー、きゅー」
「飛んでますけど!?」
慌てて席に走り出す男、フラッド。
しかしそこには椅子はなかった。その理由は明らかだった。
「ブラギ……?」
「あ、ごめん俺お前の椅子借りて座ってたわ」
「里山浩司ーーーーッ!!!!!!!!!!」
「急に本名言うスタイルやめろ」
ヒカル、フラッド、ヘルモ、ウルズ、ブラギ、ヴォル。
彼らは別に本名を持っているが、彼らにとってこれらの名称はあだ名であった。
ところで、フラッドは時間内に席に着くことは出来ないまま先生が入ってくるのを目撃してしまうことになる……。
ついでに他の5人は先生がフラッドに雷を落とす一部始終を目撃することになる……。
「アーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!」
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気付けばザーザーと雨が降り注いでいた。濡れてはいけないと思い、俺は黒い傘を差す。
それぞれの墓は各家庭にあって、一々回るのはなんだか友達に真摯に向き合ってる感じがしなくて
俺は友達の墓をとある神社にそっと作ってやった。
"フラッド ヘルモ ウルズ ブラギ ヴォル"
俺の友達の名前だ。彼らが集団で自殺したのは驚いた。
魔獣に負けて相当ショックそうだったからとか、人間関係の拗れが凄かったとか、色々言われてるけど
別に彼らが自殺するような人間には到底思えなかった。
「……フラッドの、遺体は見つかってない」
確かに世間じゃ行方不明扱いだけれども、状況証拠から考えて一緒に死んだって考えるべきだ。
ヘルモの部屋に4人の死体、更にフラッドの所持品があった。だから、一緒に死んだって考えるべきだ。
俺の周りでどうしてこんなことが起きたのか理解できないけれど、起きてしまったことは受け止めなければならない。
……なんで、俺だけを置いていくんだよ。なんで、だよ。ばぁーか。
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ID:Frad
認証コード:2008
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