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Loreley〜Magia Notes Part.2〜

全体公開 ツイステ二次創作 2788文字
2020-10-12 13:38:21

私の歌声が異世界の学園生活での新たな居場所を作った。
ツイステ二次創作、シル監ラブストーリー第2話。
※創作女監督生の名前が出ます
※捏造設定あり

Posted by @natsu_luv

だんだんと異世界の学園生活にも慣れてきた。
授業が終わって、私はオンボロ寮へと帰ろうとしていた。
今日は購買部でのアルバイトも無いし、シルバー先輩は部活だ。
シルバー先輩は馬術部に所属していて、相変わらず鍛錬に励んでいるらしい。
馬で駆けるシルバー先輩の姿は、きっと白馬の王子様のように美しいに違いない。
そんなシルバー先輩の姿を想像しながら、私はグリムと一緒にメインストリートを歩いていた。

「ニコル、歌を歌ってほしいんだゾ」
「良いよ。何の曲がいい?」
「ニコルが朝歌ってた曲がいいんだゾ!」
「あの曲だね」

私は頭に描いたメロディをそっと口ずさんだ。
曲に合わせて、グリムが上機嫌でぽてぽてと地面を歩く。
普段は生意気なトラブルメイカーも、こういう時ばかりは可愛らしい。
このままオンボロ寮へと帰り着こうとしていた矢先、誰かが私の名前を呼んだ。

「お主、部活を探してはおらんか?」
「あなたは……リリア先輩!」
「驚かせてすまんのう。お主の歌声に聞き惚れてしまってな。軽音部はどうじゃ?」
「軽音部ですか。良いですね。ちょうど予定が空いてたんで伺います」
「そうか。では、部室へと出発じゃ!」

リリア先輩に連れられて、私は軽音部の部室へと足を踏み入れることになった。
元の世界の人格であるニコル・イーリスが好きだったというのもあり、ロックやメタルのような音楽には親しみを感じる。
この捻れた世界でもそういった音楽が愛されているようで嬉しい。
部室の扉が開かれると、ケイト先輩とカリム先輩が私達を待っていた。

「あっ、ニコルちゃん。いらっしゃい!」
「軽音楽部を見に来てくれたのか? 嬉しいなぁ」
「ケイト先輩、カリム先輩、よろしくお願いします」
「じゃあ、さっそく何か一曲やろうか。リリアちゃん、準備はいい?」
「おう、始めようぞ!」

ケイト先輩がギター、リリア先輩が五弦のベース、カリム先輩がドラムといった編成で楽曲の演奏が始まった。
疾走感のある息の合った演奏に聞き入った私は、思わず少しだけ頭を振ってしまった。
隣にいるグリムも可愛く手足を振りながら踊っていた。
演奏が終わり、私とグリムは奏者たちに拍手を送った。

「お見事です!」
「ありがとう、ニコルちゃん、グリムちゃん!」
「次はニコルも一緒にどうだ?」
「お主、先程この歌を歌っておっただろう。わしらの演奏に合わせて歌ってくれんか?」
「えっ、いいんですか?」

もちろんじゃ、そう言ってリリア先輩は私に譜面を渡した。
歌詞を完全に覚えていない私は、譜面を見ながら歌ってみることにした。
いつもはテレビやラジオから流れてくる曲に合わせて、適当にメロディを口ずさんでいるだけだった。
だから、本格的なバンドサウンドに自分の歌声を乗せることは初めてだ。
イントロが奏でられ始めた。
少し緊張していたけれど、一度マイクに向かって声を出したら気分が乗ってきた。
目の前にいるグリムも曲に合わせて踊っている。
思うままに歌っていたら、いつの間にかフルコーラス歌い切ってしまっていた。

「ニコルちゃん凄いよ! めちゃくちゃ上手いじゃん!」
「メタルを歌い上げるとは……逸材じゃ!」
「なぁ、まだどこにも入部してないよな? じゃあ、軽音楽部に決まりだな!」
「はっ、はい……

カリム先輩のダメ押しのひと言で、私は軽音部への入部を決めてしまった。
元々歌うことは好きだったし、せっかくナイトレイブンカレッジに入学したからには何か部活をしたいと思っていたのだ。
後日に入部届をリリア先輩にお渡しすることを約束して、私はオンボロ寮へと帰った。
帰った後は宿題と入部届の記入に時間を充てた。
それらを済ませた後、イーリスに今日の出来事を話して、私は眠りについた。

翌日、私は放課後にシルバー先輩と会う約束をしていた。
エースくんとデュースくんと別れた後、私は中庭へと向かった。
もはや、中庭の木陰はシルバー先輩との待ち合わせ場所と化している。
大きな木の下で、シルバー先輩は小鳥たちと戯れていた。
小鳥たちを驚かさないようにそっと近付いて、私はシルバー先輩の隣に座った。
少し落ち着いたところで、昨日の出来事や軽音部に入部を決めたことなどを話した。

「軽音部に入るのか。いいと思う」
「たくさん部活があるから、どこに入ろうか迷ってたんです。そしたら、リリア先輩が勧誘してくれたんですよ」
「そうだったのか。良かったな。そういえば、軽音部には同じクラスのカリムがいるな」
「カリム先輩ってシルバー先輩と同じクラスだったんですね!」
「あぁ、そうだ。あいつは優しいから、安心していい」

シルバー先輩にそう言われて、私はほっとひと安心した。
軽音部は部員こそ少ないけれど、自由で楽しく過ごせそうな気がする。
私はリリア先輩に軽音部に誘われた経緯についても話した。
話に夢中になっている間、突然グリムが私のスマートフォンをいじり始めた。
一体何を探しているのかと思いきや、グリムは私のプレイリストの楽曲を漁っていた。

「あっ、あったんだゾ! ニコルが歌ってた曲だゾ!」
「ちょっと、グリム! いきなりどうしたの?」
「ニコル、オレ様たちのために歌うんだゾ!」
「ええっ、ここで!?」
「ニコル、俺もお前の歌声が聴きたい」

真っ直ぐな視線で私を見つめながら、シルバー先輩が頼み込んできた。
無碍に断るだなんてできない。
グリムが上機嫌で再生ボタンをタップした。
イントロが流れ出した途端、グリムも踊り始めた。
ここが中庭であることを忘れたかのように、私は流れる伴奏に身を任せて、メロディを高らかに歌い上げた。
歌い終わった後、私はまたシルバー先輩の隣に座り直した。

「親父殿の昔話を思い出した」
「昔話……ですか?」
「歌声で人を魅了する妖精の話だ。どうやら、俺もお前の歌声に魅了されてしまったようだ」
「えっ、ええっ……!?」

シルバー先輩がはにかんだ表情で言った言葉に、私は戸惑いを隠せなかった。
心拍数も上がっているし、今にも顔から火が出そうだ。
シルバー先輩が近付いてくる。
もしかしたら、心臓が止まってしまうかもしれない。
そんな大袈裟なことまでも頭をよぎっていた。

「ニコル、大丈夫か? 熱でもあるのか?」
「私は大丈夫です……
「子分のヤツ、照れてるだけなんだゾ」
「そっ、そうか……

グリムの言葉を聞いて、少し慌てた表情をしていたシルバー先輩も落ち着きを取り戻した。
ギャラリーとなっていた小鳥たちが空へと羽ばたいていった。
もうすぐリリア先輩との約束の時間だ。
シルバー先輩もそろそろ部活に行くようだ。
私は昨日仕上げた入部届を持って、リリア先輩の待つ軽音部の部室へと向かった。


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