@Aogami_project
とある結界の秋の日。
里では年に一度の豊穣祭の準備に追われ、忙しない雰囲気が常に辺りを包んでいた。
そんな賑やかな里の様子を、二つの影が見下ろしている。いつもの青髪とオレンジ色の髪。二色の髪が、柔らかな秋風に揺らめいた。
アズール「ほー……また随分と賑やかだな」
マリー「あんたもボーっとしてないで手伝って来たら?どうせ暇なんでしょ」
アズール「俺は里の人間じゃねぇから関係無いな。お前こそ手伝うべきだろ」
マリー「あんたが来たから話に付き合ってあげてるんじゃない。アズ、私以外に話せる相手いないでしょ?」
アズール「余計なお世話だ。……それはそうと」
そう言って、彼はふと空を見上げる。視線の先には、いつもの秋空とは明らかに違う鮮やかな青色が広がっていた。
アズール「この空。どう考えてもおかしいと思わないか?」
マリー「……んん?ああ、確かに言われてみれば」
彼女は少し遅れて、真っ青に染まった空を見上げる。どうやら彼に指摘されて初めて気付いた様子だった。
アズール「お前にしては珍しいな。まさか今までずっと気付いて無かったのか?」
マリー「ええ……どうしてかしら、お祭りの準備で忙しかったからかな」
アズール「確かに里人も全然気にする様子無いし、そうかもな。……まあ、それは良いとして」
アズール「行くよな?勿論」
マリー「そうね。これは放っておくと、ちょっとマズいかも」
こうして、二人は青すぎる秋の空へと飛び立っていった。
歪な形をした黒い影が、二人の進路に着いていくかのようにふと現れては消えた。