KPミタラン氏 PLふらぺちん
@35kayaku
最初にクトゥルフ神話TRPGシナリオ【偽物であることの証明】の作者様、今回KPをやって下さったミタラン氏、PLとして一緒に遊んでくれたふらぺちん、観戦席の皆、本当にありがとうございました。楽しかったし、セッション良かったなあと振り替える度にそう実感する内容でした。
さて、ここから相当長い感想になりますよ。勿論シナリオネタバレがありますので、通過予定がある方は控えて戴くと幸いです。
自分『なんでこんな重っっっっっったいセッションになったんですか?!?』
KP『だって持ってきたキャラシが悪い』
相方『こっちは光だったろ!!』
過去のセッションを通しても、ダントツで重たい、頭を悩ませたセッションでした。こんな難易度インフェルノな話だとは知らなかったんですけど???なお、それは自分たちだけだったもよう。
本当に、市井くん……一番探索者の過去と自分自身と向き合っていたと思います。
今までのようにのらりくらりと躱して、軽薄な仮面で隠し通して目を瞑ってきた罪を改めて確認して、自分の価値観や固執していた考えを一から構築し直して、そして罰だと考え続けていたことを、償うんだと知って、向き合えたセッションでした。
そのせいで話がくっそ重たいし、セッション難易度も跳ね上がって「これもう幸せになんて、なれないんじゃないか」と諦めそうになった、相当引き摺るし拗らせるし心に跡をくっきりと残す物語でした……最近のセッション、拗らせてばかりなのでは???
【提出したキャラクターについて】
市井無弓イチイムキュウ 26歳 男性 職業暗殺者
STR12 CON10 POW10 DEX14 APP8 SIZ15 INT16 EDU16
回避50 投擲65 ナイフ65 応急手当50 隠す60 隠れる60 聞き耳60
忍び歩き60 目星60 跳躍58 言いくるめ60 薬学56
表向きは飄々とした性格。
過去、自分の両親が暴漢に襲われた際に揉み合いの末、相手を返り討ちにして殺してしまう。しかしそれを見た両親は彼を『人殺し!』と非難して拒絶する。その後の記憶は曖昧だが、行く当てのない所を現在の組織に拾われる。そこで組織での仕事をこなして生きていくことになる。つまり、彼は組織の命令に従って『組織が悪だと判断した人物を暗殺する』任務をこなしている。
現状について、何だかんだで自分はこの仕事に就いて適任だったと思っている。自分の行いが正しいとは思っていないものの、しかし自分が生きていくには必要なことで、そも既に人を殺している自分が赦されるとは思っておらず、いつか自分にその報いがくればいいと考えている。
元同僚に当たる碧衣については(この世界に向いていない)と思っていて、強引ながらも現在の主によって彼が引っ張られたことは彼にとって良いことであり達者でやってくれと考えている。ただお互いにどのような理由であれ犯した人殺しという罪は消えないし、一生この罪を背負って生きていくことは覚悟しろと思っている。
技能はほぼ暗殺目的である。
主に毒物を用いて対象の暗殺を行っていた。そのため薬学知識と隠密に長けている。そのような手段を用いているのには、最初に殺した暴漢の表情と、それを見て非難した両親の鬼のような形相が頭から離れないため、殺した相手の顔があまり見えないように間接的手段を取りたいからである。
初めての職業暗殺者という裏家業。言い訳させて下さい。相方のキャラシが現お嬢様に仕える使用人(なおメイド服を強要されているもよう)前暗殺者という内容だったので、「現同僚と、前同僚どっちがいいかな?!」と相談した結果、前職の同僚であるという内容になったんです。
まあそういった設定にして盛り込んだ結果、苦しんだのは自分だし、フィールドが地獄と言われてしまったし、なんなら観戦席も含めた全体に無差別攻撃が突き刺さることとなりました。
【前半】
導入がこんなに重たいとは思わなかった……!!
なんで自分たちのコンビは行きたい場所が、初めて任務に当たった路地裏へ呼び出し→自分たちが手に掛けた者が眠る共同墓地→任務の際に無関係な人間を巻き込んだ倉庫→同僚が任務失敗によって殺された倉庫、に行くことになったんだろうか。暗殺組織という設定にしたことが此処で裏目に出ている!
市井が飄々とした性格ということもあって、導入の呼び出しも「あの場所で会わない?」「君に会いたくなったじゃダメかい?」とデートに誘うように呼び出したら、案の定向こうが苛立ち混じりにケータイを放り投げていて笑った。「そういうところが大好きだよ」と返したら返信すら返ってこなくて更に笑った。しかしその夜、こっちはナイフを研ぎ澄まして不測の事態に備えている一方で、向こうがお嬢様に夜食が食べたいとせがまれてお粥を作っている対比が出てて(やっぱり居る世界が違うんだよなあ……)とちょっと寂しかったり。
そして路地裏で会おうか、で時間通りに待ち合わせ場所に行けるかDEXロールをお互いにして自分は失敗。自分から呼び出しておいて、寝坊するってどうなのだろう。でも仕事上朝ではなく、夜にやることが多いから起きられなかったのかな。
そして合流する。会って早々「会いたくなったからじゃダメかい?」と言ったら、即帰ろうとする碧衣くんに「愛想の一つでも覚えたらどうだい?元同僚じゃないか」と言って更に帰ろうとしたので草。その後「近々この場所で仕事があるから気を付けてね」と元同僚の好で忠告した上で、軽口を叩いて彼を揶揄っていく。
「こんなこと言いづらいよな……(お前が現在メイド服で仕事してるなんてなあ)」
「口を塞いでいいか」
自分『何対抗する??』
KP『では<回避>で』
「<回避成功>おおっと、どうしたの?いきなり近付いてきて、寂しかった?」
「刺し殺してやろうか」
あまりにも揶揄い過ぎて帰ってしまいそうになるので、本題を切り出して「ちょっと付き合ってほしい場所があるんだ」「俺にその時間をくれてもいいんじゃない?」と言って、碧衣くんと一緒に過去自分が仕出かした因縁の場所巡りに行くこととなる。
自分『聖地巡礼ですね』
観戦席『生死巡礼???』
ちなみに、行きたい場所を指定したのはほぼ自分なのですけど。何故あれらに行きたかったのかというと、ちょっとキャラの裏事情がありまして。
市井くん、長いこと仕事に当たっていたんですが、限界だったんですよね。軽薄な仮面を被って、自分の感情を押し殺して、そういった葛藤を全て内内に沈めて表には一切出さずにひたすら任務を遂行していた。だけど、次第に目を瞑っていた現実が迫っていき、心が軋み、精神が擦り減り、自我が歪んでいくのを感じていた。もう限界だと悟って、自分の引き際を考えて引導を渡したくなったんです。
その時に思い浮かんだのが、相方の探索者である碧衣くんだったんですよ。もう既に自分のいる世界から足を洗っていた彼が、妬ましくて羨ましくなって、自分と似ていると思っている彼に。なので最後に彼と会って、幸せに過ごしている彼に対して「結局お前は俺と同類なんだよ」って傷付けたかったんです。そして自分の行き場のない感情を彼にぶつけて、最期を迎えようと思ってました。だから、初めて人を殺した路地裏を指定したんですよ。幸せに過ごしている彼を、会いたくないだろう裏世界にいる自分が呼び出して。
【聖地巡礼、行きたい場所巡り】
その後、自分たちが手を掛けた対象が眠る共同墓地に赴き「君は何人殺したか数えられるかい?」「殺したことを割り切れるかい?」「君は狙撃手で、死に行く者の顔が見えるけど、それに何か思うことはないの?」と問い掛けて、碧衣くんの心情と考えを聞き出していく。そして"償い"という単語が出てくる。
「償うねぇ……果たしてその行為にどれ程の意味があるのだろうねぇ……」
「どれほどの意味があるかわからないけど、やらないよりましだろ」
この会話の中で、碧衣くんは「自分は割り切れない、お前は違うかもしれないが」と言われて市井は「本当にそう、思うのかい?」と返しましたけど。碧衣くんはポツリポツリとそうやって自分の感情を出して内面を吐露していたけど、市井くんは一切そういった事は今まで出さなかったんでしょうね。だから彼の事を淡々と任務をこなす暗殺者と思ってたんだろうなあ。
任務中、無関係な人間を巻き込んでしまい多くの犠牲者を出した倉庫へ行く。
碧衣くんはその倉庫の中に入って、自分が誤って外してしまった地点まで歩む。未だ血痕が残るそこへしゃがみこんで硝煙を嗅ごうとする。そこで物思いに深けている相手に対してわざと足音を立てて彼の元へ訪れる。「そこでやったことを後悔してるかい?」と「生きていくには仕方なかった、そう思わないのかい?」て問い掛ける。そこで自分が犯した失敗について後悔を吐露しているのを聞いて「あれは想定内の事態で、仕方のなかったことではないのかな?」と「心を痛める必要ってあるのかい?」「過去に自分がやったことを悔いているのかい?」「そうまでして自分たちには生きる意味があったのかい?」と更に質問を重ねていく。
「いつか自分たちには報いがくると、思っているかい?」
「……来るかは分からない。俺を恨む人がいるのは仕方ないし、それで殺されるのも無理はないと思う」
「それが今、君がお仕えするお嬢様に危害を加える者だとしても、かい?」
「……それは受け入れない」
「欲深だねぇ」
「今大切なものを大切にすべきだろ」
「大切……ねぇ。それが人間っぽいといえばそうなんだろうけど」
「……俺のよく分からない考えを聞いて、愉しいのか」
「楽しい楽しくないと言えば、愉しいねぇ」
「趣味が悪い」
「……ほんっと、悪趣味だと思うよ」
「お前はここに思い入れはないのか?まあ良いものじゃないけど」
「思い入れねぇ……まあ、もっと上手いやり方があったと思うことは幾らでもあるさ」
こうした場所を訪れて幾つも問い掛けをしていったのは、一番の目的が碧衣くんの罪悪感や後悔悲しみと言った感情を煽って心に傷を残したかったからなんですよね、市井は。キャラの裏事情で話した通り、自分が消える前に碧衣くんへ自分と同類なんだと突き付けて、己の行き場のない感情を発散させたかった。でもこれが八つ当たりで到底褒められたものではないことも自覚してるので、悪趣味だと言ってるんですよね。
そして、とある同僚が大事なものを見つけて裏家業から足を洗うため最後の任務に当たったものの仕事に失敗して殺された倉庫へと向かう。
KP『どんな感じですか』
自分『……という、設定です』
相方『随分地獄にするじゃん……』
自分『設定盛り込んだなあ』
「ここに連れてきたのはどうしてだ?……嫌味か」
「嫌味?なんでそんな風に受け取っちゃったのかなあ」
「アイツは失敗して、俺も失敗したのにのうのうと生きていて……勝手に組織から抜けて……」
「それは違うんじゃない?ちゃんと契約に則って正当な流れで抜けたんだから。君が勝手にと言って罪悪感を感じる意味が分からない」
「分からないのか」
「そう、分からない」
「分からない、か……そうか、それならその方が幸せだ」
「おや?俺より君の方が若いと思ってたけど……随分と達観してるねぇ」
「運が悪かっただけだよ」と言ってたけど、本当にこの同僚が死んだのも運が悪くて、逆に碧衣くんは運が良かっただけで、そこにそれほど意味があるわけではない。そのことについて碧衣が「それほど割り切れていれば良かったのに」と言われたときに「割り切れていると思っているのかい?」と返して「昔の市井は割り切っているように見えた。こうやって話をしていくうちにそんな簡単な人間ではないと思ったよ」と付け加えられて、市井くんが思いがけずに出していた感情に気付いてたんだなあと。割り切れなくて自分でも押し殺した感情を持て余しているところがセッション中少しずつ表在してきた気がします。
「今も昔も君も変わらずつれないねぇ」
「お前もな、変わらないな」
「……そうだよ、人間、そう易々と変われないよ」
「大事なものが見付かって、少しは幸せだと感じるのかい?」
「あの頃に比べて、幸せだと思っているよ」
「……そっか」
【運命の分岐点へ】
そうして三つの箇所を回って解散しようかといった場面で、悲鳴が聞こえる。その悲鳴は碧衣くんが仕えているお嬢様のものだった。目の前で男に連れ去られ、そのまま車に乗せられる。それを見た碧衣くんが追い掛けるため近くにタクシーがあるか<幸運>を振って発見。そしてタクシーに指示を出して車を追い掛ける。
KP『なら<ナビゲート>で、目の前なので補正+20で』
相方『初期値なんだが……!?<ナビゲート成功>ピッタリだ!』
KP『では再度<ナビゲート>』
相方『また~~?!?<ナビゲート5クリティカル>えらい~~~!!』
自分『やっばいめっちゃ感情乗っかってるじゃん、すご!』
そして車が止められた場所まで辿り着く、そこは倉庫だった。既に車は乗り捨てられていて、倉庫には人がいるようだ。<目星成功>で少なくとも4人中におり、そこには拉致された相方の仕えるお嬢様が拘束されて座られていた。<忍び歩き>を振るものの、失敗してしまい見つかる。
碧衣くんの武装を解除させるため、お嬢様の首筋へナイフを当てる犯人。そして武器を放棄させたところで「もう一人いた、市井無弓はどこにいる?」と名指しで呼ばれる。
素直に出ていくのは躊躇したので、碧衣くんと犯人が話して気が反れている間に市井くんが裏手から補正+10で<忍び歩き>で侵入する。そこには少なくても2人、奥には4人見えている。かなりの人数に囲まれていることが判明する。
相方『これPL相談なんですけど、市井くん、そこまで碧衣くんにする義理ある?』
自分『あれだよねぇ、PLPC視点からも市井くんがどういうスタンスで動くか見えてないからねぇ』
これについて中の人としては、市井くん視点は最期に彼へ嫉妬に駆られて八つ当たりしてしまったけど、ここまでの問い掛けを通してやっぱり自分は彼と違う人間だから裏の世界で死ぬべきなんだと思って行動していた。それなのにその間際で幸せになるべき碧衣が、彼が大切にするお嬢様と共に危険へ晒されている状況に、自分の持てる能力を全て使って、何ならここで死ぬつもりで動いてましたよ。だから彼らを助けるために潜入しようとしたし、その場から逃げるという考えはなかった。
そして裏手から潜入しながら、相方と犯人の会話が聞けなかったか<聞き耳/2>を振ることとなる。
>>100ファンブル<<
自分『wwwwwあっははははwwwww』
KP『(予定調和のようなファンブル!)』
観戦席『正直聞き耳ファンぶってほしいなって思っちゃったから期待にこたえてくれる、すこだ』
聞くことに集中して気配を察せず、不意打ちで拘束されてしまう。そして拘束された状態で首謀者と対面させられる。首謀者が俺たちに見覚えはあるかと聞かれたとき、KPへ許可を貰って<アイデア>を振って成功する。そしてこの首謀者が、自分が殺した者の家族であることを知る。
しかし市井としてはそれを敢えて言わずに「心当たりはないなあ」とすっ呆けて「随分と御大層な人数集めたねぇ」「お礼参りってわけかい?」「関係のない人間を巻き込んでまで?それじゃあやってることは同じじゃないか」「無関係な人間を巻き込んで何とも思わないのかい?」と煽ったり、「自分には無関係ですよ」「関係者同士で話を付けるべきじゃないのかな?」と白を切ってました。
この辺りは、相手を煽って自分にヘイトを集めて報復の矛先が自分だけにならないかとか、自分と碧衣くんが無関係であることを強調してどうにか彼らを逃がせないかと足掻いてました。ここで口を回して言いくるめたり、相手の感情を逆撫でしたりして試みるところが市井の生き方というか性格がよく出ているなあと。素直に話す、誠意を見せるというところから程遠いところが。
でもどうしようもなくて、自分は両腕を折られて拘束されて何も出来ない状態で、碧衣くんがリンチされる状況に陥る。何か言い残すことはないかと首謀者が碧衣くんに問い掛ける。その際に、アイツを恨むことはない自分も同じ報いを受けるべき人間だと言ったところで、彼も同業者ならば同じく報いを受けるべきだと無関係である拉致されたお嬢様を目の前で殺される。絶望に暮れる碧衣くんも囲まれて蹂躙されて殺される。それを市井はただ見ているしか出来ない。
そしてKPが碧衣くんに対して最期に言い残す言葉は有りますか?と聞き、「幸せになってくれ」と言って事切れる。「確かにさあ、本人よりも、周りの人間を巻き込んだ方が効果的だけど、本当にやり口がえげつないよねぇ」と軽口混じりに恨みを込めて非難するものの、首謀者は一切気にも留めず同行者と一緒に敢えて急所を外して死なない程度に暴行を加えていく。
そしてこの凄惨なリンチが終わって、二つの亡骸と自分が取り残される。両腕を折られて、脚も折られて、這い蹲った姿勢でなんとか相方の元へ駆け寄るものの、彼は悲しみに暮れた表情で事切れていて、彼の大切なお嬢様も恐怖の表情を浮かべて息絶えていた。
このときのPCとしての心境ですけど、悲しみ怒り無力感罪悪感絶望でごった返した感情を何とか普段のように表に出さまいと押し殺すため、軽口を叩いてましたね。どうにか折れてしまいそうな心を何とか保とうとしているという感じ。取り繕うと必死で、軽薄な仮面を被り続けている滑稽な自分。
でも、彼の経緯からして己の動揺を周囲に悟られることは自分の身の危険に繋がるんですよね。それに此処で動揺を見せたら相手の思うがままだと思ったんですよ。なので火に油を注ぐぐらいに軽薄な態度を取り続けた。あとあと振り返ると、まだこの頃は市井は軽薄なキャラを演じられる程の余裕はまだ残っていたんだなあと。
ちなみにここまでが前半、そしてシナリオ導入。
皆で重っっっっっ!!!!と言ってました。
地獄だと言われました、散々。
綺麗にフラグを立てていくんだもん!!!!
と言われました。
正直こんな地獄めぐりツアー(冒頭から地獄)(この先も地獄)(地獄しかない)になるとは思っていなかった。どうして……?もっと自分達和気あいあいとやっていたかったよ……
【後半戦】
不思議な部屋に連れられたところから始まる。
碧衣くんが今まで来ていた私服ではなく、メイド服なことに狼狽える。
「よりによってお前に見られるなんて……」
「まあ俺は偏見がないから、君がそんな恰好をしても何も言わないさ。人の趣味嗜好は自由であるべきだ」
「ああ……終わりだ……」
「まあまあ大丈夫だよ、見てしまったことを二度と思い出せないように記憶を消してしまえばいいんじゃないかな?」
「そうか……絶対お前の記憶は消す、いずれにせよ絶対に消す、絶対にだ」
あんな導入からこんなギャグパートに持っていけるとは。たまには辛みよりも甘味が欲しいときはあるよね。地獄だけでなくギャグも欲しいささやかなPLの望みロールプレイである。
そして碧衣くんは一緒に行動したあの日の事は覚えていないようだ。
「あんなことやこんなこともしてもらったのに、全部覚えていないんだあ」
「もし記憶がなかったとしても、お前に何かしたということは絶対ない。お前がそういう人間で、俺がこういう人間である以上は」
意味深方向に弄ったのにつれない返事しか出てこない。まあ市井的には、軽薄な口調を叩くのはあの日の記憶を思い出したくないから、茶化して誤魔化したかったというのがあるんですけどね。
【迫る壁の部屋】
最初の部屋を出て、二つ目の部屋に入る。
ボタンを押し続けないと開かない扉があり、碧衣くんがいち早くそれに気付いてさっさと行けと言う。梃子でも動かぬ様子のため、渋々その扉を潜って別の部屋へと向かう。そこはPLとしては見慣れた碧衣くんのと思われる部屋、PCとしてはホテルの一室のような豪華な一室。ベッド下にあわよくば、如何わしいものが無いかと探したがそれはなく(相方:置いてある訳ないだろ!!)ただ隠してあったライフルを発見する。あとは離れたところから棒を伸ばして押せないかな~と長い観葉植物ないですか??と聞いたら、KPが『お嬢様が「寂しい部屋ね!」と置いてありそうですね』とパキラがありますと言うのでそれもかっぱらう。
パキラの鉢植え部分で鏡をかち割るものの、そこからコンクリート壁が見えるだけでどうにもならない。相方の案でテープを持ち出してそれを張ってもボタンから手を離したところで破れる。扉の間にパキラを設置すると1秒フラットで粉砕されて木っ端微塵になる。パキラぁあ!!!
良い案が思い付かないところで、ボタンを押す係を代わって自分ではなく碧衣くんが次の部屋に入って探索をすることとなる。すると碧衣くんにとっては見慣れた部屋で、そんな部屋から一つ観葉植物が無くなっている事に気が付く。
「これ……あの、もしかして……」
自分『あ、パキラ壊したことがバレた』
「そんな……パキラが……」
自分『割とショック受けてる、すっごい申し訳ないなあ!?』
碧衣くんが一冊の本を見つけ出したところで、壁はすれ違いが出来ないほどに迫っていた。
その頃、市井が鏡を見ると幾重にも写る自分から泣いている自分を見つける。それが碧衣の死に際を見て泣いている自分だと気付いて、SAN値チェック失敗、1d3→3点失う。最大値引いていくのはやはり気にしていない体を装っていてもあのときのショックが大きいからだろうか。
「別に俺が死んでも……どうでもなるって」
「どうでもって……!!」
相方『PLとPCの思考がごっちゃになってとんでもねぇことになってる……!』
自分『ただ市井くんは残機が思い付いてるか分からないけど、でも自分が死ぬことはどうでもいいと思ってるよ』
相方『そうゆうこと!そうゆうこと!自分のことどうでもいいって……死にたくないって言われるのも嫌だけど、死んでもいいと言われるのも辛いんだけど!』
「運が悪かっただけだよ、そう気に病むこともないって」と言われて、廊下と迫る壁の間のスペースから立ちつくしてしまう碧衣。最期に市井は「見ていい気分はしないと思うから、死体は見ないでね」と言い残す。そして生き残ることを諦めた自分はそのままドアに押し潰される。
そして市井はデスルーラで最初の位置に戻される。そうこうしているうちに戻ってきた碧衣とも合流する。
「あの時も言ったけど運が悪かっただけだって」
「……俺もそうやって割り切れたら良かったのにな」
「良かったじゃない、割り切るんだ。そうじゃないとこの先、もたないぜ?」
これ相手に言っているように見えて、実は自分にずっと言い聞かせている言葉なんですよね。
運が悪かったから、自分は裏の世界で生きていくしかなかった。運が悪かったから今の境遇がある。そうやって思っていかないと生きていけなかった。
【影との対決】
DEXが一番早い自分がライフルを構える碧衣の盾になるべく、「そっちは下がってて」と最初に前に飛び出して影をナイフで切り付ける。そのとき、碧衣自身にもダメージが及ぶことに気が付く。ちょっと待とうか?という中の人を無視して撃っちゃってもいいかな??と言いながらライフルを放つ相方。答えを聞く前に撃つな。しかしそれは失敗に終わる。
そして影が目の前にいる市井を差し置いて本体の碧衣くん目掛けて真っ直ぐ突っ込んでナイフを刺す。折角斥候って感じで市井前に出てたんだけどな?!このときの市井のナイフは1d4+1d4+で3点だったので、本当に切っ先を掠めて勢いは殺せず影が迫ってきただろうな。市井、碧衣をリンチで殺されているからこそ守りたいのに、無情にも影を止めれず碧衣くんが傷付けられたときどれだけショックだったんだろうか。
そして2ラウンド目。影を傷付ければ碧衣くんにも傷付いてしまうことを知ってしまった市井。しかしそのまま黙っていれば一方的に影に殺されてしまう、それで影が本体に成り代わるのも嫌だ。そう思いながらナイフを振れば65>66で1足りず失敗。殺してしまうのではという本当に躊躇いがダイス目に出ている。
次に碧衣くんがライフルを構える。
「これで俺が死んだらアイツのことも殺してくれよ、頼む」
「お前……なに、いって」
「お前にしか頼めないんだ、頼む」
そういって成功して2d6で5点ダメージを与える。勿論そのダメージを負って、本体の碧衣くんがHP9から4点まで減少する。次に影がナイフを取り出して攻撃して成功、1d4で3点ダメージを与えて本体の碧衣くんが自動気絶に陥る。
相方『言いたいことは言ったので良いです』
自分『良いですって、さあ!!』
「なんでだよ……そもそも原因はこっちにあるんだぞ……アイツを殺るのはお角違いじゃないのか……!」
思わず呻くものの、影は物も言わず。なんとかナイフで応戦して成功、2d4で3点ダメージ。影を倒すには足りず、本体の碧衣くんのか細い息が止まり、引き取る。碧衣の死に、SAN値チェック、成功、減少は無い、が……
これ市井くん視点、碧衣くんから俺ごと影も殺せと言われていたのにもかかわらず、傷付けることに躊躇ってしまったが故に碧衣だけ死んでいったんですよ。自分のせいで、碧衣くんが死んだんですよ。この戦闘中、ナイフのダメージが期待値以下をずっと出していた辺り、普段の仕事中の手捌きが見る影もないぐらいに動きが鈍かったんだろうなあ。しかし、SAN値チェック成功しているところは心はショックを受けているものの、頭は無情にも冷静に状況を刻々と整理しているんでしょうね。仕事柄、人の死は見慣れていてそこから情報をまとめるのも慣れているだろうから……そこに恐らく感情などは置き去りになっていることでしょう。
「なんでだよ……悪いのはこっちだろ……全部自分のせいじゃないか……なんで関係のない方ばっかり……」
応急手当を振りたくても、脈は感知できず、段々とその身体から熱は奪われていく。もう間に合わないのは明白であった。碧衣くんの死体からダガーナイフを拝借して、彼を抱え上げてベッドに横たえる。気絶からの死亡だったので、瞼は既に閉じている。そのまま冷たい床に亡骸を置いておくのは堪えられないので、ベッドに寝かせてあげたかった。
そしてクローゼットから彼のヘッドドレスを取り出して、碧衣くんの遺体に付ける。本音はメイド服を着させたかったけど、流石に本人の意思を無視して死体を脱がして着替えさせるのはドン引きでも済まされないと思ったのでやめておいた。
たぶん、なにしとんねん?!と理解されない行動セッション中No1だったと思うんですが、一応意味と言うか意図はあったんですよ。碧衣くん、メイド服着ることも見られることも相当嫌がってたので、市井くんの中で(君が嫌がることをしたら、顔を顰めて「お前なにしてんだよ」って起きてくれないかな)って思ったんです。職業柄既に息は止まっていることは理解してしまって、生きている可能性なんて微塵もないのに、でも彼が嫌がりながら起きてくれないかと思っちゃったわけです。有り得ないのに、ね。
そして彼の遺体をベッドに寝かせたまま、部屋を出て最初の部屋へと戻る。そこには碧衣くんが目を閉じて横たわっていた。先程の戦いとは打って変わって、傷一つなく、呼吸はしている。寝ている彼の手に、先程拝借したダガーナイフを握らせる。そして碧衣は飛び起きて反射的に市井の首元へ突き付ける。
相方『そんなことしたら反射的に首に突き付けますよ!』
KP『殺し屋にナイフ握らせるってそういうことですよね?!』
「なんだ……そのまま、引いてくれると思ったのに。俺の事は、殺してくれないんだ」
「……、そういえば影は!影は!?」
「影はそのまんま……君を殺したよ。満足そうに笑って影は消えていったよ」
「……そうか、やれなかったのか。もっと上手い所に当ててやれば」
「いや君の射撃に落ち度はなかったさ。そもそもスナイパーを敵に近寄らせたこっちの責任だ」
「こっちも近寄られても護身術程度にナイフは使えるはずだった……それは俺が悪い。お前が落ち込むことはない」
「落ち込む…………ああいや、そういうことだね、うん」
「そういうことにしておけ」
ここで部屋の隅に何か落ちていることに気が付く。凹んでいる市井を置いて、血塗れになっている碧衣くんの服を彼自身が拾い上げる。それに市井も気が付いて、傍に寄ってよく見ようと手に取ろうとする。それは、あの倉庫で最期に碧衣くんが来ていた洋服であった。その瞬間、堪え難い眠気に襲われる。
自分『市井の心は既に折れ始めているというのに……』
相方『市井が折れ始めたから、碧衣が立ち直ってきたよ』
KP『面白いペアだなあ』
相方『我々、良い組み合わせなので。バランスを取っていきますよ』
自分『間を取ってバランス取っていきますんで……シーソーゲームしたかった(観戦席)って、何の感想なんだろう』
【追憶、彼の心情と共に振り返る】
あのときの場面に戻り、市井は碧衣くんの傍に付くことに。ここからは碧衣くんのあの日に遡り、彼の心情が伝わる。しかし自分の存在や声は届かない。
その日は、お嬢様のためサンドイッチを作ろうとしてファンブルを出して落としてしまったところで始まる。
「急に市井に誘われるし、サンドイッチは落とすし、ヤバイ一日になりそうだ……」
「まあ……実際、そうなったんだけど、さ……」
久し振りにあった市井に安心する碧衣くん。デートとか会いたくなったとかという彼の軽口に呆れつつ、本当は昔から自分が完全に気を許して接することが出来たのは市井だけだったと聞かされる。それを初めて知った市井は、自分にそこまでの価値はないと考えていて、たぶん自分の軽口に彼は言葉通りそのまんま苛立ったり呆れたり不快としか思っていなくて、それでも仕事上仕方なく付き合っていたんだろうと思っていたんですよね、碧衣くんが自分に対して。だから、そんな風に思われていた事を初めて、この追憶で知って戸惑い呆然として言葉が出なかった。
だって、君、俺のこと良くは思ってなかっただろ、うざがってただろ、軽蔑してると思ってたよ。だから、そんな風に思ってたなんて、じゃあ、俺は、君に、
と、その後彼にした仕打ちを思い出して絶句していた。
KP『そして君たちは共同墓地に向かいます』
相方『めっちゃ、聞かれたこと多くて、何聞かれたか思い出せない!』
自分『wwwwwww』
共同墓地で真っ先に話したことは、殺した人の数であった。20を超えたところで数えるのを止めた碧衣くんは自分の手が朱く染まっていることは変わらないと改めて感じ、それでも償っていきたいという意思は変わらず想い続けていることを知る。彼は殺した人間が悪人であっても、彼らには待っている人がいるかもしれないし、人の命を奪った事には変わりないと話していた。
それについて、市井はやっぱり一緒に組織に居たときと変わらず「君はそういう人間だよね、だからこっちの世界には合わなかったんだよ」と改めて思っていた。
市井は自分勝手な人間なので、碧衣くんほど殺した人間のことは考えていないです。だってそんなこと思っていたら、手が鈍るし、自分の心が早々にもたない。だから、それらのことには目を瞑って軽薄な仮面で、まるで何も感じていないように振る舞っていたんです。そうじゃないと自分が保てなくて、人を殺すという任務をこなせなかったから。でも碧衣くんは忘れることなく向き合い続けていた。自分と違って。だからやっぱり彼は表の世界で今みたいに過ごしているのが一番良かったんだって思ったんです。
無関係な人間を巻き込んだ現場だった倉庫に向かう。
碧衣くんは自分が失敗して無関係な人間を巻き込んで更に血を流す結果になってしまったことに、市井に励まされたけどもやっぱり罪の意識は変わらないし、考えは曲げずこれは自分一人の責任でこれからも忘れられない、背負って行かないといけない罪だと思っている。
そのことを改めて知った市井はそうじゃない、あのときも言ったけど、君だけの罪じゃない、関わっていた自分にも責任があるんだ、でもそういったところで君にはそれが届かないんだろうな……と己の無力感を味わっていた。
市井は碧衣くんだけの罪ではない、計画に関わった全ての人間の責任だったと思っているですよ。碧衣を狙撃手に決めた者、巻き込む可能性が高かったのにターゲット以外の人間をそのままにしておいたこと、そもそも無関係な人間を巻き込むようなずさんな計画を立てて実行したこと、など。だから彼一人が背負うものじゃないのに、頑なに一人だけで背負い込もうとする彼の罪の意識をなんとか自分も一緒に背負ってやりたいのに、どう言葉を掛けても彼には伝わらなくて。自分はやっぱり何一つ彼にとって何にもならない存在だったんだな、と痛感した場所でもあります。
同僚が任務失敗して殺された倉庫へと向かう。
吐き気、動悸がしながらも現場に向き合った碧衣くん。自分と同じだった同僚、彼は殺されたのに、自分は生かされて幸せだと感じている現状が悪いことのように思えて、俺も死ぬべきだったのかな、と吐露した。
それについて市井は即座に違うと否定する。碧衣くんはこの裏世界に居るには相応しくない人間だからこそ、そのままその表世界の幸せを受け取っていられれば良かったのに、と思っていた。
彼は自分が今生きている事を、今幸せだと思っている現状をそのまま罪悪感など感じずに受け取ってくれれば良いんだ。君が悪いと思う所なんて一つもないのに、罪だと感じることなんてないのに。死ぬ必要なんてないのに。確かに人の死を悼み、忘れず償おうとする心優しい君はそのまま今居る場所が相応しいからいてほしいんだ。自分のような身勝手で独りよがりの奴よりもよっぽど人間らしい、君こそが生きて幸せになるに相応しい。自分なんか、よりも。
そして市井が行きたかった場所へ全て連れていき終わったところで、碧衣くんが今日一日自分の罪を振り返るような場所に連れて来られたことに感謝をする。そしてそのとき一緒に居たのが同じ境遇だと思った市井で良かったと言われる。
市井、立場がないんですよね。だって、彼はこの聖地巡礼は「お前も俺と同じ罪を背負った人間なんだ、その苦しみ、痛みを思い出せ、お前も汚れた人間なんだよ」って自分が消える前に碧衣くんを傷付けるためにやったことなんですよ。本編でも言ってましたが、八つ当たりです。自分の理不尽な癇癪をぶつけただけのことなのに、それにお礼を言われて良かったと言われたら立つ瀬がないんですよ。こんな自分勝手な人間に言う言葉じゃないって。
この巡礼でますます、市井は碧衣という人間が自分とは全く違う人間で、だからこそ彼は自分のような人間に関わることなく幸せに過ごしてほしいと思ったんです。そして自分はそのまま黙って、彼の知らない所で一人報いを受けて野垂れ死んでしまえばいい。出来たら今回の事も、自分なんかのことも忘れてくれればいいと思ってました。
そう、思ってたんですよ、市井もあのときは。
そして悲鳴が聞こえて、いよいよあの惨劇が幕を上げる。
これは過去の記憶で、いくら声を上げて引き留めようとしたところで止められることはない。起こった事を覆すことは出来ない。無駄だと分かっていても碧衣を呼び止めようとするが、彼には当然届かず駆け出してしまう。自分が休みを取った事を悔やみ、どんな手を使っても助け出そうとする必死な声が聞こえる。
「死んででも……助けなきゃ、殺してでも……助けなきゃ」
「違う……違う……死んだら元も子もないし、足を洗ったお前が殺す意味もないんだよ……!」
倉庫内に入るとそこには碧衣の大切な人であるお嬢様が捕まっていた。それに成す術もなく、武器であるナイフを手放す碧衣。そして自分も倉庫の裏から捕縛されて連れて来られる。その事について無関係なのに自分のせいで巻き込まれたと悔やみ、自分だって同じ罪を背負っている、恨むなら俺を恨めと叫ぶ碧衣に、うわ言のように違う、嫌だ、俺が悪いんだ、と言う市井。そして目の前でお嬢様が殺されたことにも自分のせいで、報いなのかと言って一切巻き込んだ市井を責めずに彼を最後まで案じていた碧衣に呆然とする。
KPも言ってたけど、最期に苗字で呼んでいた相手を名前で言うってずるくない??なにそのムーブ。これ好きなんですよってナイフ持ちだして刺してくんじゃないよ、死体蹴りかな、既に息のない人間にこれ以上突き刺すんじゃない。その前から好かれてはいないだろうなぁと思っていた相手が、実は割と自分の事を受け入れてくれていたという点で突き刺されていたのに。更にその相手が自分のせいで大切な人も巻き込んで無残にも殺されていったにもかかわらず、一切責めることなく気遣いながら死んでいったことを知って、そんな彼を自分が一番悲惨な方法で死に至らしめたという現実に一層罪悪感が募ってたというのに。そこにもっと罪悪感を駆り立てるような言葉を入れるの???もう市井の心めった刺しどころか粉砕して何も残ってないよ???
市井としては碧衣がお嬢様と共に殺されたのは完全に自分のせいだと知ってる訳ですよ。しかも自分が最期に八つ当たりしたかったという理由で、抜けてから一切連絡を取っていなかった碧衣を呼び出したせいで己の復讐のための標的として利用された訳なんですから。自分のせいで巻き込まれた+自分の身勝手な感情に付き合わせたせいで罪悪感マッハなところを、碧衣はそれら全て自分の罪だと背負って死んでいったというので突き落とされましたよね。そりゃあ「なんで、」とか「違う、」とか言いたくもなる。自分のせいなのに、全て自分の犯した罪なのに、自分に報いが来ればいいと思っていたのに、彼が全て持っていくことになったというので「どうして俺の罪をお前が持っていくんだよ!」という理不尽さと自分の不甲斐無さに怒りが噴出したんですよねぇ。
【生贄の間】
意識が再び浮上して、象の頭部を持った人型がいる祭壇の前に連れて来られる。
SAN値チェック、市井は成功して-1、碧衣が失敗して-5しかし発狂なしで処理される。
市井は今までの追憶に呆然としているところに、碧衣は自分が死んだ日の記憶も全て甦ったということを告げる。仕方なかったという言う碧衣に、今までの軽薄な口調を取る余裕もなく、荒い口調のまま全部見て来てどうしてそんなことが言えるんだ!と言いつのる市井。それとは対照的に落ち着いた様子でそれでも気持ちは変わらない、自分も同じことをしてきた報いが来たんだと返す碧衣。
それについてお前と俺は違う。表の世界で幸せそうに過ごす碧衣が妬ましかったから、俺と同じ同類なんだと突き付けたくてあの日呼び出したことを告白すると、その事について自分が任務を失敗しなければ一緒に居られたのにゴメンと謝られる。謝られたことに激昂して、謝るなよ、何も分かっていない、やっぱり俺とお前は違う人間なんだと反論する。
「お前には大切な人が居るだろ、今仕えているお嬢様が」
「ああ、いたな」
「「いたな」じゃない、いるんだ。俺には大切な人なんていない、大切な存在なんていない……!」
「それを作れっていうのも難しい話だよな。作りたいと思って作れるものじゃないし……」
「そうだ、だからお前と俺は違う。お前は俺たちのいる場所には合わない」
「それは……自分でも薄々感じてたさ。そして心の甘えに乗って昔いた組織から一人で勝手に抜けて、人を殺したのと同じぐらい許されないことだと思ってる……許されようなんて思わないよ」
「勘違いするなよ。お前が勝手に組織を抜けたんじゃない。組織がお前を要らないと思ったから外しただけだ」
「そっか優しいな、市井は」
「優しいわけあるかよ……だからお前が勝手に背負い込もうとしているのは俺の罪だ。お前が勝手に持っていけるものじゃない」
「そうか……だったらちょっとだけしょってくれよ」
「最初からそのつもりだったさ……!」
「やっと本音で喋ってくれるようになったじゃん、市井」
「はあ…………こんなの柄じゃないよ」
この辺りの会話というかやり取り結構好きなんですよ。
初めて自分の感情をそのまま剥き出しにぶつけられたというか、一番市井の人間味が表れていた場面だと思います。こうして見ると彼まじで性根は悪い人間ではないんだなあ。自分があの日呼び出したことが八つ当たりだと思って自己嫌悪しているところとか。それに碧衣が謝ってきたのも、自分と一緒に居れなくなったことだと思った事も、お門違いなんですよねぇ。謝る筋ないもん、市井からしたら。自分が勝手に思ってたことに謝られても、そりゃあ謝るなよと声を荒げるのも無理ないって。あとこんな真っ当な職業じゃない自分達と一緒に居れなかったことを謝るなよと。お前は大切な人も出来て、居場所もみつかって、それは良かったことなんだから勝手に罪悪感持ってんじゃねぇよと。だからその事を指摘したし、碧衣が「いたな」って過去形にしたことにも怒ってるんですよ。今も「いる」んだから自分がお嬢様を大切だと思う気持ちをもっと大事にしてやれよと。自分にはいない大切な存在はいるのだから、そこも決定的な彼との違いですよね。
そして彼が勝手に組織を抜けたことを許されないことだと気にしているならそれも違う。たぶん組織って裏世界で存続していくために情報統制とかもきっちりしていると思うんですよね。その辺の設定が曖昧なままですけど。そんな組織が任務に失敗して尚且つ生きたまま別の場所で雇われている碧衣を本当にそのままにしておいたのか、たぶん全て知った上で彼を組織から追放したと思うんですよ。そして同僚の市井に黙って結果組織から抜けたことを勝手にというなら、抜ける抜けないは個人の自由ですし自分に許可を取るものでもない。組織が何も言わない以上、末端の自分がどうこういうつもりはない。だから誤解するなよ、こっちからお前を手放したんだって返したんですよ。散々自分のエゴで振り回しておいて、そんな奴が優しい訳あるかよって。まるで自分のことを良い奴のように言うなよ、そんな人間じゃねぇよって本心で思ってる辺りこの男は……
それでようやく碧衣が一人で背負うとしてたのは本当は自分の事で、お前が人の分まで勝手に責任感じて背負い込もうとするんじゃないって本人に言えて伝えられたんですよね。最初から市井はそのつもりでいた。碧衣が組織に居たときから。
本当はこんな自分の感情を表に出すつもり彼は無かったんです。本音なんて言っていたらこの世界やっていけない。でも一連の事があってついに抑えていた感情が爆発してしまった。なんなら碧衣とあの日会おうとした意図まで、自分の本心全て誰にも知られることなく墓場まで持っていくつもりだったのに。隠し通せなかったから不本意だったんです。最後の「柄じゃないよ」で少しだけ仮面を付け直しましたが。
そして会話が一区切りついて辺りを見渡すと台座に何かがあった。暫くショックで呆然としている市井を他所に碧衣が気付いた。彼は台座の上に腰掛けてそこにあるナイフを取って躊躇いなく自分の心臓に突き刺そうとする。それを見た市井がDEX対抗を図る。しかし、97でファンブル。
目の前で再び碧衣が死んでいく、それを見たくないと急いで駆け寄ろうとするも焦りからか足がもつれる。伸ばした手は一歩届かず、そのまま心臓へとナイフが突き刺さる。いい友人だったよ、ありがとう。そんな言葉が聞こえた。
PL的にはあんなことがあってしばらく動揺が大きいだろうからすぐには動けないだろうなと思って。普段の余裕があれば辺りを見渡したり、碧衣が何か動いたら一緒に見ようとしたんですよね。ただ呆然としていてそこまで気が回らなかった。なので一番最後のDEX対抗だけやろうと思ったんですよ。解釈一致のファンブルだったなあ。未だかつてなく動揺して焦ったんだろうな。彼、DEX14でそれなりに高いのに。
【汝は偽物か、問答】
「汝は偽物か」そう問われたとき、目の前で再び碧衣が死んだことも、自分が止めようとして間に合わなかったこともあって、既に市井の精神ズタボロで呆然自失という有り様でした。だから偽物かと問われて自分が本物だと言えなかった、何も出来なかった自分が本物だと思えなかった。あれを繰り返すしかないんだろ、と全てを諦めてうわ言のように言っていると、問い掛けをしたものが「あそこの守れなかったものが現実か」と問われたとき、ようやく見失っていた自分が少し定まって碧衣が死んだことを受け入れられるわけがない!と自分の本音が吐き出す。
だってさあ~~~~あの状況で言えるかあ~~~~もう自我なんてないよ!SAN値はあるけども実質廃人みたいなもんだよ!!ようやくKPが誘導してくれたお蔭で、呆然と起きる現実を何もせず受け入れるしかなったところに、焚き付けられてしがらみを取っ払って本音を吐き出せたって感じ。
そして「偽物であることを証明せよ」ともう一人の自分が現れる。
もう一人の自分は「自分が本物だと言うなら、どうやってアイツを守れるんだ?」と問い掛ける。
自分が傍にいなければいい、屋敷の人間が守ってくれるだろ、といえば「それでどうやってアイツを守るんだ?」「そんなんで守れるのか」と曖昧な回答を許さず、じゃあどうしたらいいんだよ、と嘆けば「お前はどうするんだって聞いているんだ」と逃げることも許さない。
本当に何を言ってももう一人の自分は納得しないし、折れる様子もない。この段階だと自分が碧衣の元から離れる事が最善だと思ったんですよ。そも今回の事件のきっかけが自分が迂闊にも彼を呼び出したことで、結果彼と彼の大事な人も失うという最悪を生んだので。じゃあ裏世界に居る自分が、足を洗って表世界で過ごす彼と接点を持たなければ碧衣が死ぬことは無いんじゃないかと。だけどそれはもう一人の自分は納得しなかった。
はあ~~~~どうしたらいいんだよ~~~とPLが頭を抱えていると、KPから彼はもう一人の自分である、その彼を納得させること、何故彼が納得しないのか、ちなみに信用マイナスですよと告げられる。じゃあ納得しない理由って何だよと。自分が思いつかなかったので、なんとかそれを聞き出そうと取っ掛かりを見つけるところから始めることに。
「そのままでいてもいずれアイツは罪の意識で潰されるかもしれない。誰かが守ってくれるって楽観的だな。いつからお前は楽観主義者になったんだ?」
「その口ぶりだと自分が彼の傍に居ないとって風に聞こえるけど。逆に自分なら彼を支えられるってことかい?」
「さあな」
ここらへんで一人で背負うとしてた罪を碧衣と一緒に背負うという気持ちが出てくる。問答に区切りが付いて<信用>を補正込みで40振るも失敗。もう一人の自分にこれじゃあ任せられない、お前が本物だと言うなら証明して見せろよと戦闘へ突入する。
KP『(この問答をしてから)1時間経ってますね』
自分『もうRP無理だよお!!!!戦闘しかなくない??』
相方『碧衣のためにこんなに頑張ってくれてすまねぇ……って気持ちだ!』
「俺は救うぞ。少なくとも、救えないと思ってるお前よりは救えるさ」
「……だったらそれを証明して見せろよ」
DEXは同じであるものの、こっちから攻撃して構わないという事で先手を取る。
<ナイフ>を振って成功、ダメージが1d4+1d4(=2d4)で5点、もう一人の自分は<回避>を取るものの失敗する。そしてそのまま反撃を試みるも<ナイフ>96でファンブルして転倒状態に陥る。そのためもう一人の自分が1R行動不能に陥る。その隙にこちらが追撃で<ナイフ>64でギリ成功、2d4で4点のダメージを入れる。回避は行動不能のため不可。
更に2Rに入り、再び<ナイフ>を振って成功する。もう一人の自分が<回避>を試みるも失敗。そして2d4で7点を出して、とどめを刺す。
「これが気持ちの問題ってやつか」
「結局気持ちだろ、行動も何もかも」
「……そうか。お前の行く末を祈るとするか……」
「言われなくてもな」
影との戦闘では振るわなかったナイフが、自分との戦いで冴え渡っていたのが気持ちの強さを表していたなあ……期待値以上のダメージも出てたしねぇ。そして一方の自分は、色々な気持ちや考えがごっちゃになって精彩を欠いていたのが表れていたなあという感じ。同じステータスなのに、ああも出目の違いが出て一度も攻撃を食らわないまま終えるなんて。最後の攻撃も確実にトドメを刺すように貫いたんだろうな。
そして「偽物であることの証明は成された」と光が差して、それを追い掛けるように手を伸ばした。
いやほんと、感想戦でも言ったけどもう一人の自分は解釈完全一致。だって彼曲げないもん、頑固だもん。
そして自分が曖昧な言葉や誰か任せでのらりくらりで今まで躱してきて、適当に言いくるめて煙に巻いて逃げてきたから。辛い現実からも目を背けて。でもここではそれはさせてもらえなかった、自分だからこそ、譲れないことだからこそ、軽薄な口調も態度も捨てて突き付けるようにもう一人の自分は問い掛けてきたんだろうなあ。
でも今の市井からはもう一人の自分が納得するような言葉は出なかったんだよね。そこまで考えが至れなかった。今振り替えると市井、最初の巡礼で「償いにどれほどの意味があるのかねぇ」と言ってたしな。となると結局問答は平行線で終わるしかなかったような。
ただあのとき気持ちが違うって市井は言ってたけど、気持ちだったら向こうだって相当強いものを持っているわけですよ。そこに実際はそれほどの差は無いように思えるんです。でもそれでもダイス目があれほど違ってたのは、彼も自分に対して相当きつい言葉で追及したり挑発したり詰問してきたのはたぶん発破掛けていたんじゃないかなと。そこで呆けている場合じゃない、お前が立ち上がらなきゃ碧衣はどうやって救えるんだよと。もう一人の自分は譲ったのかなあ。
【再び、あの日の出来事へ】
2人ともあの時の記憶を持ったまま、タクシーで追い掛けてお嬢様が拉致されて連れ込まれた倉庫へと巻き戻る。状況を整理して、倉庫内には多数の人間が潜んでいることから屋敷と組織から増援を呼ぶことに。それで30分後に駆け付けると連絡を受ける。その応援が来るまで何とか時間を稼いでいくという作戦方向にまとまる。
とはいうものの、他にも倉庫の外から投擲するか、中に侵入して暴れるか、首謀者を何とか潰せば統制が取れなくなるのでは、とあれこれ相談しているとKPから失敗したら知らないぞと警告が飛ぶ。
更にKPから助言として状況整理として『何故男がお嬢様を連れ去らったのか、碧衣を連れ出したかったのか、市井へ同じ絶望を味わいさせたかった』という点とを踏まえてどうするのかと提案がされる。それに対して碧衣が出ていって話を引き出して時間を稼いでいくという方針でいくことになる。
碧衣の<忍び歩き>は成功するも、倉庫内にいる残り15人が<目星>初期値で振ったとして気付けたかということで15d100を振ることとなる。そして何人かが成功したため存在に気付かれる。首謀者に見つかった碧衣が、市井は無関係で自分がお嬢様を助けるために来たんだと話す。しかし首謀者は既に市井が同じタクシーに乗り込んでいて近くにいる事を察していて、彼に復讐するためにおびき寄せようと呼び掛ける。早く来ないと君の大事な友達がどうなっても知らないよ、と安否をちらつかせる辺り本当にえげつない。
え、どうする?これ難易度ハード過ぎない?無理じゃない??と言うPL達に、KPがここから一応ハッピーエンドになる展開はあると言われて『あるんですか!?!?!?』と叫ぶ我々。更に助言として『もう一人の市井が何度も言っていたのは何か、彼は欲しかった言葉があるがそれが出てこなかった』と告げられる。KPもこれ以上は答えになるからなあ~~!と頭を悩ませる。
KP『市井くんには分からないのも理解出来る、碧衣くんなら気付けるかな』
相方『えっ?!』
自分『市井くんには思い浮かばないって事ですよね』
相方『碧衣はずっと償うと言ってたんですよね』
遂にカウントダウンが始まり猶予がない事を察して市井が表側から姿を現す。どうしてこんなことになっているかわかるかい?と言われて、前回の<アイデア>成功の情報から彼らが自分が殺した者の関係者だということは知っていたので、俺が殺した者の関係者だろと話して、自分が彼らの大事な人を殺したからか?と返答を返す。仕事だと割り切ってたんじゃないのかという問い掛けには、人を殺しているのに割り切れるわけがないと押し殺していた本音を吐く。人を殺したことについて許されることではないけども償わなくてはと思っていることも話し、今まで命令だったからと言って逃げていたことも自分の罪だと告げて「ごめんなさい」と謝罪を口にする。
それに対して首謀者が、どうせお前は言い逃れして真実から目を背けてまた同じことを続けるんだろう。必要に迫られたらまた言い訳をして。なら同じような人間を生まないためにも一度罰を与えるべきだと主張する。そして碧衣を取り囲む他の衆に襲い掛かるように指示を出す。
KPからは応援は間に合わないと告げられる。それを受けて、碧衣を助けるために市井が持っていたナイフを取り出して自分の心臓を突き刺すことを提案する。KPからは本当にそれでいいんですか、一応ハッピーエンドに至る道程はありますと再度告げられる。
KP『あとロールプレイ次第なんだけどなあ~~~KPちょっと安心してました』
自分『その道に至れないのですが!』
KP『お前は今良い所まで来てるんだぞ!!軽率に地獄に走るな!!!』
自分『自分も光に行きたいんですけど!決定的な言葉が無いんですよね!?』
相方『あとロール次第なんだよなあ~~』
KP『さあお前らロールしろよ、ここが俺との違いなのかあ』
自分『思考の違いですよね、前の話にあった命を「捨てる」か「賭ける」かみたいな』
KP『もっと主人公になりましょう!』
自分『主人公したことないから分かんない!!!』
相方『私脇役しかしたことないから分からない!!』
KP『一番良いところだったのに!中断してる俺たちの気持ちが分かるか!?』
KP『今一番したいことは何ですか?』
自分『碧衣を助けたい……』
KP『その気持ちのまま突っ走りましょう!』
相方『碧衣を助けたいんだろ、その気持ちをロールプレイに乗せろ』
KP『もうどんな結末になっても覚悟しました。温情はここまでだ!もう知らない!』
KP『もう長すぎてお手洗いしたいって苦情が入ってます!』
自分『もう行ってこいよお!!』
KP『はいじゃあ10分休憩!再開は……久々にこんな深夜帯の時間言ったわ』
自分『今まで市井は感情を内に秘めていたから、割り切って仕事してるって思われてたのかなあ』
相方『それはあのやり取りでひしひしと感じた。もっと人なんだよってとこをみせてくとか』
自分『でも……地獄の所以かもしれないけど、そんな情を見せたら利用されかねないって』
相方『碧衣情まみれだけど。やってきたことは闇だけど心の中は光だから』
自分『市井くんに光の発想ないから』
相方『お前に光の発想が無いからだろ、思い出せよ、もっと昔のお前は光だったろ!』
自分『光と言う言葉なんて忘れちまったよ……』
というところでシーン再開。
碧衣へと暴力が差し向けられそうになって、市井は彼は俺の大事な人なんだ、だからやめてくれ、お願いだからアイツだけは手を出さないでくれと懇願する。その姿に首謀者も何故大切な人が奪われる気持ちが分かっていて殺したんだ、自分の親父も悪い人間だったがそれでも割り切れない気持ちがあると吐露する。重ね重ね市井は、自分はどうなってもいいから碧衣と彼の大切なお嬢様だけは手を出さないでほしいと縋る。
「正直、お前と居る時だけ人になれたかもって。だからお前に大切な人が出来て居場所が出来たとき、嬉しかったし、ちょっと悲しかったとこもあった……俺にとってはお前だけだったんだよ」
「お前も十分人間だっただろ……!置いてかないでくれ……」
「違うよ……俺は大切な人を奪った奴だよ……人間なんかじゃない」
お前は都合の良い事を言っていることを自覚しているかと言われて、大切な人を奪っておいて自分の大切な人は手を出さないでくれと虫のいい事を言っているとは自覚していると話す。そして自分はどうなっても良い、そうなるべき人間だと告げる。更に首謀者からもう人は殺さないかと問われて、碧衣は脚を洗った身だからもう絶対しないと言い、市井はこの後があるか分からないけどもう人は殺さないと答える。そして最後に碧衣に問い掛ける。今の状況は市井によってもたらされたものでこの先同じことが有るかもしれない、それでも市井と一緒に居るのかと。
「ああ、俺にとって唯一無二の友人だ。だから俺が責任を取って、こいつを殺しの世界から抜けさせる」
そう碧衣が答える。それを受けて首謀者が、この場に居る全員から一発受けて貰う、それで手を打とうと提案される。だが忘れるな、お前が同じことをしないか見ていると釘を刺される。それに対して市井からは思う存分やってくれ、そのまま監視し続けてくれと返答する。そしてその言葉を受けてその倉庫内にいる全員から重たい一撃を順番に貰い、全てを受けたところで解放される。場には最後まで意識を飛ばさなかった市井と、碧衣、拘束されたお嬢様が残される。すぐに碧衣が市井の元へ駆け寄る。暴行を受けた市井の手当てするため<応急手当>を振って成功。血を拭って、着ていた服の袖を破って止血処理をする。それは大事なお嬢様から貰った服だろと指摘すれば四の五の言っていられる場合かと一蹴される。処置が終わり、次いでお嬢様の拘束を外していく。目覚めたお嬢様にこのようなことはもうなさらないで下さいと、急に休みを取った碧衣が気になって付けていった行為を窘める。
そしてその頃、屋敷と組織それぞれから応援が駆け付ける。碧衣に言われて、組織へと事情を説明しようとしたタイミングで連絡用の無線を切っていなかったことを思い出す。そのとき上官が市井の前へと現れ、殺しに足が付くような奴は組織には要らないと一方的に告げられる。そうして部下を率いて帰っていき、後に残された市井の持っていた無線から退職金も今回の報酬もないと言われて以降この無線は使えないと思えと声が届く。それを受けて、市井は了承の旨を伝えて最後に今まで組織に世話になったことへお礼を述べる。上官からは、どう転ぶかは分からないが未来に幸あれと送るような言葉を貰った。
「まあ帰ったら職探しからだな」
「そうだねぇ、今の身は無職だからねぇ……」
そして市井はお嬢様と碧衣と共に車に運ばれて、屋敷に連れられる。その後、どうなったかはまた別の話……
ということで、【偽物であることの証明】セッション終了。Fake ENDでした。
長丁場のセッション本当にお疲れ様でした。
いや本当に深夜通り越して明け方突入しかけるぐらい長くなりました。本当に最後まで最善を探ってくれた、物語を紡いでキーパリングして戴いた、PLふらぺちんとKPミタラン氏には頭上げられません!それを見届けてくれた観戦席の皆にも感謝しかありません。
最後のくだりは、碧衣が本当に男前でカッコよかった。市井が弱り始めていくにつれて本当に迷いがなくなって頼もしくかっこよくなってったなあ。唯一無二の友人と言ってくれたことに感謝という言葉だけでは伝えきれない、万感の思いがあります。市井からしたら、同僚時代もなんだかんだ言って碧衣をからかったり話したりしている時が楽しかったし、自分の感情全てを押し殺していた状態から少しだけ感情を出せた、人間らしくいられた大切な時間だったんでしょうねえ。そしてそんな彼に自分を受け入れて貰っていたことに気が付いて、更に自分を温かい世界へと連れ出してくれた恩もあって、恐らく碧衣には一生尽くしても返せない恩を抱きながら今後を生きていくのだろう。最初は市井が碧衣をからかって遊んでいた関係だったのが、その力関係が逆転してましたね、たぶん覆せないと思うなあ。
上官もカッコよかった。無線繋いでたから全部やり取り聞こえてたのでしょう、その上で市井を組織から出したんですから、本当にこちらも頭上がらない。あのやり取りは痺れる、カッコいいって。正直こっちから組織に抜けることを告げなくてはならないなと思ってたので、その前に余計な感情を持たせないようにきっぱりとそっちから別れを告げてきたのはずるいなあ。いや似たような事、生贄の間で碧衣に対して市井は言ってたけど。まさか自分がその立場になるなんて思わないじゃないですか。
首謀者とのやり取りも、結局市井の中に「犯した罪は変わらない、背負うしかない」と感情を押し殺して過ごしていたから、償いという発想が無かったんですよねぇ。謝っても何しても償い切れないじゃないかって。自己完結してしまっていたんですよね。PLとして振り返ると、だとしても誠意ではないけども気持ちを伝えることで受け取り側が変わるかもしれないじゃないかって。人間どうしても情に引きずられるから、気持ちが揺らぐことも、考えが変わることも有るかもしれない。やっぱり感情を表出しないと周囲から誤解されるぞってこともありますよね。
【セッション後の感想戦】
なんだよ、地獄に跳躍って。綺麗なフラグとか。どうしてこんなくっそ重たい話になったんだ!!いやでも現暗殺者と元暗殺者なら命がかかわる以上はどうしても話が重たくなるよね……人の命奪ってるんだから悪くないわけがなかった。画像に観戦席のコメントを乗っけたんですが本当に地獄言われ過ぎてゲシュタルト崩壊を起こしそう。相当カロリーが高いセッションだったね!
というかKP~~~自分が報いを受けるんじゃなくて、自分が殺した者の関係者たちに、自分が大切にしていた無関係な人間を殺されるってシチュが自分PLでやったときに辛すぎたからってそれこっちにも与えてくるとか、ま???えっぐいんだけど、心がズタボロに傷付けられたけど、この展開そらあ地獄だわ!!しかもこっち大切な人の大切にしている人も巻き込まれて目も当てられませんよ!!KPの前であんな例え話するんじゃない、大切な人は出しちゃいけない。綺麗にフラグ回収されたなあ~~~しかもあれ突発で、お嬢様拉致ってくるかって地獄に更に叩き落されるという。そして戻される時もお嬢様が拉致されて倉庫の前という最悪なタイミングで!絶対言い逃れできないような、向き合うしかない状況に持っていくの、本当に酷い。重たい。KPもどこまで戻そうか悩んでいたみたいですけど、まさかこんな詰んだ……みたいなところから始まると思わないじゃないですか。偽物であることの証明が出来たら、だいたい勝利確定BGM流れるくらい生存ロールプレイを楽しむエンドロールなんですって。どうしてあんなに修羅場の展開から始まって、どうやって探索者の未来を手に入れるかと足掻いてたんでしょう。どうしてあそこクライマックスシーンだったんでしょう、おかしいなあ。KPいわく「普通あんなヤバイ死に方しないんですよ!」と言われてええー!と叫んでました。
あとどっちが犠牲になるかはキャラシ提出の段階で決められていたようですね……念のためのシークレットダイスでもそうだったのならもはや女神さまが望んでいるとしか……自分が元同僚の暗殺者で来たのが事の発端ですけど!一般人だったら同じような状況に碧衣君が立たされていたんですって!どうしてこっちがめっちゃ傷付けられたのです!?おかしいなあ、元同僚か、現同僚か悩んだ末の元同僚の市井くんだったのに。結果として現同僚になったけども!そういうことなのだろうか。
それとこのシナリオ、PLと連れてくるPCによってだいぶ雰囲気が変わってくるんですけど。自分のカラーが全面に出た……いや認めたくない。こんなくっっっそ重たい、地獄に叩き落されて、むち打ちのような仕打ちが自分のカラーって。最後、クモの糸のような一筋の光に導かれて這い上がれたけど。そっちみたいに青春スポ根とか、先生と生徒の甘酸っぱさとか、そんなのやってみたかったよ!!!
正直市井は組織に残り続けていくかその過程で死ぬかのいずれかだと思っていたので、まさか足洗う展開になるとはねぇ。失職しました。まあ碧衣が彼が二度と人を殺さないように見ていくし、殺し屋だと知っていながら雇ったお嬢様もいることですしきっと屋敷で働くことでしょう。
メイド服?着ませんよ、あれは可愛らしい方が似合うから着るのであって、間違っても自分みたいな大柄な男(STR12、SIZ15)が着るものでは……なんでそんな寂しそうな顔してるんです?お嬢様、ちょっと、え、待って下さい。
なんというか殺しのために使っていた薬学の知識を今度は屋敷で命を守るために役立てるって、言ってましたけど良いですね……あと隠す隠れる投擲といった暗殺技術もきっとお嬢様を喜ばすための手品や余興として使われるならきっと彼にとって良いことだと思います。彼もまたあの世界は生きにくい人間だったから。こうしてほのぼのとした日常を享受出来れば良いなあと。
待って、KP。なんで幸せになれたのに、これが幸せを掴むための物語なら今度は幸せを守るための物語ですねとか言うんですか。悪魔かな???
しかし今回のセッションは出目が神懸っていました。ロールプレイがあんなに反映されたダイス目が合っただろうか。出目が生きているっていうぐらいに合致してましたね。碧衣がお嬢様の危機でナビゲート成功させるところも。市井が碧衣の危機に気を取られ過ぎて聞き耳100ファンして捕縛されるところも。そして自殺しようとする碧衣を止めようとしてDEX対抗ファンブルするところも。解釈一致のファンブルとはこれ如何に。
市井くんPOW10なのでSAN値50スタートなんですけど、SAN値チェック割と成功してましたね。感情は追い付かなくても嫌が応にも仕事で人の死は見慣れているから正気を保てる、からこそ狂えなくて苦しいという感じなんでしょうね。
ちなみに最後の巻き戻ったあの場面。
市井が碧衣が襲われる前にナイフを取り出して自害していたら、碧衣くんたちへの暴行は止まっていたみたいですね。首謀者は市井が自分の大切な存在を目の前で殺されるのを黙って見ているしかないという絶望を与えたかったので。なので目的の市井が死んだらその時点で碧衣達に手を出す理由が無くなると。ただ去り際に碧衣に対して「お前はああなるなよ」と首謀者が告げていく。そして市井が目の前で死ぬと。
相方『え、そんなのされたら碧衣一生ショックで立ち直れないです。屋敷に居られなくなるかも』
自分『別に気にしなくてもいいのに、お嬢様も自分も生きているよ、馬鹿な奴がいたなって忘れてくれれば』
相方『友人って言ったんだが?!』
KP『当然目の前で死んでいくのでSAN値チェックが入ります』
自分『人の死は……0/1d3だったかなあ』
相方『近しい人の死は1/1d6です、こっちです』
自分『1d3ぐらいなもんでしょ!?』
相方『お前、お前!!』
でもそのルートで行っても市井は良かったと思うだろうなあ。だって守れたもん。
というか、導入のときには「碧衣くんを傷付けたかった」と思ってたのに、過程を経て傷付いて欲しくない守りたいという気持ちに変化しているの、変わっていった様子が表れてますね。
本当に市井くんが幸せな道を歩むことが出来て良かった。
確かに罪を一生背負ったままではいつかその重みに潰されるんでしょうね、もう一人の自分が言っていたみたいに。だって人を殺したという罪を背負いきれなくて、冒頭市井は今回の行動に出た訳ですから。共有しても背負う重さは然程変わらないですもの。しかし今回の一件で償うという行為を知った彼は少しはその背負うべき罪の重さが軽くなったように感じたんでしょうね。
【探索者について】
セッション中の感想で、本編中どう思っていたとかこんな人物だろうといったことは綴りましたけどね。市井くんまじ面倒な男だな。やってることは犯罪で悪だし、本人も小悪党のように振る舞ってましたけど、結局性根が真っ当というか善人なんでしょうね、悪に染め切れないというか。でも既に罪を犯しているし善人には成りきれない。
表向きは飄々とした性格。
って暗殺者として生きていくには、そういった人物を演じて感情を殺していくしかなかったんですよね。割り切れないけど割り切るしかない。そうでないと罪の意識に押し潰されてしまう。あとは情を見せると命取りだと思ったところもありますね。結果、周囲の人間が飄々として感情のない割り切ったドライな性格だと思ったことが今回の悲劇の発端であったと。更に彼はトラウマがあって、死んだ人の顔をあまり見たくないという事情があるんですが、たぶん任務を終えたら自分が手に掛けた死体に一瞥することなく去っていく姿も余計にそう見させたのかな。
別に殺しが好きでやっている訳ではないですし。元々両親を助けるため不本意ながら殺してしまい、更に居場所がなくなり生き延びるためにせざる得なかったという。彼もきっと10代半ばでこの世界に足を踏み入れることとなり、温かな家庭や生活があったけども失って、それからずっと孤独に生きていたんだろうな。
そしてすごい勢いで回収された「いつか自分にその報いがくればいいと考えている」というキャラシ説明文。……自分にその報いは来なかったよ!
元同僚の碧衣に対して「犯した人殺しという罪は消えないし、一生この罪を背負って生きていくことは覚悟しろ」というのは、冒頭の会いたい理由である「人殺しの自分と同類」だと突き付けて傷付けたかったという意味です。
でも結局はやっぱり彼の事は幸せになってほしいと思ってるんです。自分を唯一人間だと実感を与えてくれる彼が大切な人なんです。そして自分ですら気付けなかった本音や気持ちを気付かせてくれた存在だし、そんなどうしようもない自分を救い上げて温かい世界へと連れてくれた恩人でもある彼のこと。
彼、今までの軽口や軽薄な態度は自分の感情を抑えて誤魔化すための仮面だったんですけど。もうそれは少なくとも碧衣の前では必要のないものなので、恐らく自分が組織に入る前の頃だった割と乱暴な口調へと変わっている筈です。そして市井がからかうことが減り、碧衣が彼の事を弄ったりからかったりすることが増えて、それに翻弄されるのではないかと。
それから彼は恐らく任務以外は淡々と流れるまま日々を過ごしていたと思うので、自室が質素で物がほとんどないのは解釈一致です。今までの彼には仕事以外無さそうだから、趣味とか好きなもの嫌いなものも全くないんだろうなあと。食べ物などの好き嫌いとか。だって市井くん食事を『ウィダーゼリー食べながら向かいます』で済ます辺り、衣食住マジで無頓着だと思うんですよ。食事作ったこともないし、最低限動ける程度に食べるぐらいで味とか全く気にしないぐらいかもしれないですね……それから欲しいものとか、やりたいこととか、そういったものを感じたり考えたりする余裕もなかっただろうから。屋敷で生活するようになってから、いろんなことが気になったり好きになったり気付いたりしたら良いなあと思います。
もしかしたらまた追記で書くかもしれないです。ひとまずはこれで。
下のは新たにキャラシに加わった紹介文ですね。
【偽者であることの証明】通過
裏社会の組織に属し任務に当たってひたすら人を殺して来た。自分の感情を押し殺して、日に日に増していく罪の重さに精神を潰されていく半生。そうして自身の精神の限界を感じたとき頭に過ぎったのはそこそこに付き合いのあった元同僚の碧衣だった。碧衣のことが羨ましくて妬ましかった自身は、自分の引き際に彼の心に傷跡を付けたかった。自分と結局は同類なのだと。
しかし、彼を呼び出して一緒に自分達の罪の場所へと足を運んで問答を重ねていくにつれて、彼と己は似ても似つかないと痛感した。やはり彼は幸せになるべきで、自分はそのまま果てるべきだと思った。
だがその気持ちは裏切られた。自分に殺された遺族達が復讐するため、碧衣の大切なお嬢様を連れ去った。そして人質に取って碧衣を呼び出し、己を誘い込んだ。報いだと。何も出来ない己の目前で、彼の大事な人と彼自身は惨たらしく惨殺された。そしてそのまま自分は生かされた。自分が直接報いを受けるべきなのに。それすらもさせてもらえずに。
そうして彼は、不思議な部屋にいた。そこには碧衣も一緒にいた。そして部屋の中で自分が犠牲になり、何故か生き返って、再び碧衣が目の前で殺されて死んでいく。何故かそのとき彼と最後に会った日に意識だけ飛ばされて碧衣がどういった心境だったのかを追憶した。次に碧衣と自分が祭壇の前へと連れられる。そこで碧衣が死のうとするのを自分は止められず、彼はまた目の前で死んでいった。後悔と絶望の中で助けられなかった己と、今居る己がいた。どちらが本物か、どうすれば碧衣を救えるのか、問答の果てに殺し合い、そして再びあの惨劇の直前へと戻る。
今まで軽薄な仮面で抑え込んでいた感情を噴出して、遺族達に乞う。懺悔する、謝罪する。自分がどうなってもいいから、目の前にいる彼と、その彼が大切にしている存在だけは助けてほしい。形振り構わず、遺族に縋って懇願する彼の姿に、遺族たちは行き場のない怒りを吐いて問い掛ける。もう人は殺さない、と誓い彼は遺族達の怒りを受け止めた。
その後、それを見届けていた組織は足が付いた彼を追放した。そうして行き場を失った市井は、彼が再び道を外さないか傍で監視する碧衣と、そんな彼を従わせるお嬢様によって屋敷に拾われる。かつて暗殺のためと培われた毒薬の知識と暗器技術は、仕えるものを楽しませるための大道芸と手品へと変わり、医務室にて皆の健康を守る術となる。自由奔放なお嬢様に振り回されて、かつての同僚には笑われるものの、それが嫌だとは決して思わない。彼は温かい居場所と、確かな幸せを手にしたのだった。