@kogarasiyuri
鴉の濡羽色とは良く言ったものだ。
不衛生な裏路地の端でも、鴉たちの翼はしっとりとして艶めいている。人が少し近付いても知らぬ素振りだ。彼らは今日も我が物顔でゴミバケツを突いていた。
昨日と同じ。
「こら」
立浪鴉城は箒を左右にふった。彼らは迷惑そうに二、三度飛び跳ね、如何にも億劫そうに翼を広げた。優雅に羽ばたいて、電線の上へ。
鴉城は眠たげに彼らを見送ると、欠伸一つして箒を置いた。今日の天気は昨日と同じ曇り空。徹夜明けには有り難い。
鴉城はゴミバケツに生ゴミを継ぎ足した。ズレていたゴミバケツの蓋をしっかりと閉じる。
カァ。
振り仰いだ。真っ黒な硝子玉に似た瞳と目があって、眉を下げる。
「そんな目で見るなよ。食い散らかすおまえらが悪いんだからな」
カァ。
カァ。カァ。
「開けないよ。半端にしてオーナーに怒られるのはおれなんだ」
交互に鳴くのに言葉を返す。別に彼らの言葉が判るわけではないが、鴉城はいつもたむろする彼らに話し掛けてしまう。バーテンダーの仕事以外で話し相手が欲しいのかもしれないし、“鴉城”という名前から一方的な親近感を抱いているのかもしれない。
たぶんどちらもだ。
鴉城は箒と、今度は背の高い塵取りを取って、鴉たちが散らかしたゴミを片付けた。
あとは着替えて帰るだけ。
もう一度欠伸をして、薄暗いBARへと戻る。
「じゃ、またな」
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鴉と話をさせたかっただけ。
名前の所為で鴉城が鴉に一方的に親しみを持ってます。別に本当に会話できてるわけじゃない。
続きが思いついたら続くかもしれないし思い立ったら弄ります
登場:立浪鴉城(http://privatter.net/p/627879)