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戦国BASARA 雑賀孫市&濃姫 考察 2020

全体公開 29330文字
2021-01-10 01:00:03

♪前書き(というか注意書き)
この度は、拙稿に目を通していただき、誠にありがとうございます。これは筆者から見た戦国BASARAの濃姫と雑賀孫市というキャラクターやその在り方、性格など、所感をまとめたものです。
各媒体を略称で記載している部分もあります。以下をご参照ください。
・戦国BASARA→初代
・戦国BASARA2→2
・戦国BASARA3→3
・戦国BASARA3宴→宴
・戦国BASARA4→4
・戦国BASARA4皇→皇
・戦国BASARAバトルパーティー→バトパ
・学園BASARA→学バサ
またキャラクターの名前もなるべく下の名前で記載するようにしましたが、途中途中、普段の筆者の中での愛称だったり、苗字だったりするかもしれません。
そして、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、筆者は二次創作で頻繁に彼女たちを扱います。その作品の中には、百合と呼ばれるような描写も少なくありません。妄想も多いことをご了承の上、ご高覧いただきたく思います。
また、推しの解釈に本当に煩いです。ここではなるべくオブラートに包む努力をしましたが、万が一、ご不快に感じられたら、申し訳ございません。各シリーズ、媒体のネタバレも盛大に含みます。
勇気のある方はこの先へどうぞ。

というわけで、早速語りたいと思いますが、まずは何故、筆者がこのようなことをしようと思ったのか、というところから綴っていきたいと思います。ここから暫く自分語りです。お前の考察を早く読ませてくれという方は、少し下の方へスクロールして下さい(絵文字を目印にすると分かりやすいかもしれません)

♪筆者の中での濃姫と孫市(自分語り)🔥🦋
元々私は、初めて戦国BASARAに出会った時、佐助が推しでした。英雄外伝が発売された頃の話です。今でも彼のトレーディンググッズは、手放せないくらいには愛があります。その次点くらいに、濃姫やいつきがいたと思います。
しかし、ある日、諸事情でゲームを売られました。当時は筆者も幼く、数ヶ月くらいの間、修理に出していると誤魔化されていたので、それを完全に信じていました。売られたと知ったのは、かなり後のことです。この文脈ですと、根に持っているように感じられるかもしれませんが、その事実を知った時の感情は、あまり覚えていないです。ただ先述したキャラをはじめ、多くのキャラをカンストした思い出があるので、当時の記録が見返せないのが、少し悲しかったりします。
そんな時に普及し始めたのがWiiでした。いくつかの戦国BASARAシリーズは、Wiiでも出ています。筆者に戦国BASARAを布教された友人たちが、3や宴を持っていたので、コンテンツが続いているということは知っていましたし、Judge Endにも少し目を通しました。しかし孫市を見た時に、この性格で濃姫みたいな見た目だったらなぁなんて考えてしまいました。今にして思えば、当時の自分を殴りたいくらいですが。この時はキャラクターの内面というものを、全く分かってなかったんだと思います。実際に英雄外伝はプレイしたことあった筈なのに、つい最近お市のストーリーを実況動画で見返した時、「濃姫様めっちゃ優しいじゃん……!」ってなったりしていたので、昔の私の中の濃姫というキャラクターは、美人なお姉さん止まりだったんだと思います。それでも、ずっと3や宴を買わなかったのは、濃姫がいなかったからというのもあるので、やっぱり好きだったんだろうなと感じるのも事実です。昔は台詞をちゃんと聞いたりせず、とにかく鍛えることに注力していた記憶があります。プレイスタイルは、人それぞれでしょうけれども、こうして考察して解釈違いに騒ぐくらいにまで好きになれたキャラクターたちのことを思うと、ストーリーを見てくれと言わずにはいられません。
そんな中で数年の時が経ち、学園BASARAがアニメ化されました。気晴らし程度に見るつもりが、気づいたら生き甲斐になっていました。と言うのも、当時は私生活が本当に忙しくて、家にいる時間が全然取れなかったのですが、隙を見つけては、GYAOで学園BASARAを見ていました。久しぶりに携帯の速度制限を食らったのもいい思い出です。その時に惹かれたのが孫市でした。彼女は1話から出ていたんですが、登場シーンの歩き方が本当に綺麗でした。モデルウォークとでも言うのでしょうか。とにかく美しくて、完全に一目惚れでした。放送に合わせて学園BASARAの配信が更新される度に、気づいたら、「今週は孫市先生出てるかなー」と胸を躍らせていました。更に私を彼女に落とし込むきっかけとなったのが6話「乙女たちの宴」です。冷静で真面目な孫市ですが、まつ、鶴姫、かすがといった恋する女性キャラ達へのアドバイスが本当にポンコツで可愛いんです。「あんなかっこいいキャラなのに、実は天然なのか?!」ってなって、そのギャップに惚れました。そこからまた戦国BASARAやりたいと思い、4皇を買って、本能寺ルートの存在を知り、3や宴を買いました。濃姫が気になり始めたのは、戦国BASARAバトルパーティーが配信されてる直前くらいだったと思います。
濃姫に再びハマったきっかけは忘れてしまいましたが、孫市と濃姫というのは、関係性からして、良くも悪くも信長に大きく人生を動かされています。いつこの二人の間で戦いが行われても、おかしくないですし、そんな戦いが見たいという気持ちが大きくなりました。そのため、バトパの孫市のドラマ絵巻は、本当に嬉しかったです。とまあ、それから本格的に濃姫様に落ち、HD Collectionを買ったりして、二人の関係に悶えてるというのが、BASARAクラスタとしての私の現状です。
そして戦国BASARAシリーズ15周年を迎えた2020年。同人誌を書いてみたりしましたが、バトパでも色々ありましたので、以前にまとめたものから、飛躍したところから彼女たちを見たものになっていればと思います。
大変お待たせしました。そろそろ本題に入りたいと思います。
ご存知かと思いますが、彼女たち双方プレイアブルになっていたのは、戦国BASARAバトルパーティーのみなので、まずは、各媒体(シリーズ)でのそれぞれの描かれ方を見ていこうと思います。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。いよいよ本題に入ります🔥🦋


♡濃姫
その名の通り、織田信長の妻。戦国BASARAシリーズでは初代、2、英雄外伝、BATTLE HEROES、バトルパーティーで登場。
相手によって、魔王の妻としての顔、一人のごく普通の女性としての顔など色々な面を見せる。おそらくそのいずれも本当の彼女。多重人格とまでは思わないが、正直なところ、彼女の性格を一言でまとめるのは難しい。それ故なのかは分からないが、アニメ戦国BASARAでは、かなりの悪女として描かれていて、筆者の心は傷ついたとか何とか。誰にでも分かる単純明快なストーリーで、ヒーローアクションのような構成なので、アニメとしては評価はできる。しかし濃姫推しとしては、彼女の描かれ方には未だに納得がいっていない。とりあえず、この考察は濃姫を褒めるためのものなので、尺が足りず、彼女の葛藤を描けなかったと考えておく。

<(初代)戦国BASARAの濃姫>
エンドロールや、パッケージの裏面では、伊達政宗、真田幸村、織田信長らに続いて、その名を連ねる程の重役。ちなみにパッケージには上杉謙信と武田信玄もいた。おそらく、初代ということで、そこそこ無難な人選をした、というのが根幹にあると思われるが、それでも私は、このパッケージを見た時の喜びが忘れられない。
初代戦国BASARAには、ストーリーモードはないものの、天下統一にムービーがあり、そこでキャラクターの内面を知ることができる。
濃姫はEDムービーで露天風呂と思しき場所に浸かっており、文字に起こすのも憚られる際どいシーンがあったりする。「あの魔人の子を孕めば……」という台詞からは、正に蝮の娘というオーラが漂っている。野心家のような設定だったとも思える。これだけなら、アニメ戦国BASARAでの彼女の描かれ方に、そこまで声を上げることはないのだが、ここでお勧めしたいのが、いつきとのやり取り↓
濃姫「あんたみたいな子供がどうして!?遊びじゃないのよ、退きなさい!」(怒鳴る、躊躇っている)
いつき「遊びなわけがねえ。おら、本気だ。ねえちゃんだってそうだべ?」
(戦国BASARA台本全集 P55)
この時の濃姫は、信長の妻という肩書きにお似合いのヒール感があったり、父・斎藤道三(戦国BASARAにはプレイアブルとしては出てきません)に縋るような台詞も多く、少し幼く見えるシーンもある。しかし、蘭丸やいつきなどに対しては、このように優しさを覗かせており、加えて「慣れていく戦場の匂いに」という台詞のト書きには「汚れていく自分をむなしく感じた」とあるので、他の武将に比べると、初代の頃から好戦的と言い難い。

<戦国BASARA2の濃姫>
戦国BASARA2からは、ストーリーが追加され、キャラクターの内面だけでなく、性格的な面もより分かりやすくなったと筆者は感じている。濃姫は勿論、明智光秀やいつきのストーリーも、是非とも履修していただきたい。
ではまず、濃姫本人のストーリーのポイントを簡単に。全ての敵武将との会話が尊い。これは惚れた弱みというものかもしれないが、本当に尊い。本能寺の変が勃発してから、ストーリー本編に突入するため、ほとんどの武将は、既に信長は死んだものと考えていることを、抑えていただきつつ、お読みいただけたらと思う。光秀の裏切りを知り、蘭丸と共に本能寺へ急行するというのが大まかな流れになっている。
*第1章 本能寺への道(最北端一揆勃発)
敵大将は初代でもお馴染みいつき。やはり前作のように、いつきを斃すのを躊躇うところを見せる。そんな濃姫に対して、いつきは、「本当は優しい人なんだな。もう無理しなくていい」と言う。魔王の妻でありながら、幼いいつきを前に、本来の人の心を隠し切れない濃姫と、幼さ故にそんな彼女の気持ちを、真っ直ぐに見抜いてしまういつきという構図が完成している。
*第2章 険しき道のり(春日山忍法帖)
ここでの相手は謙信とかすが。かすがは謙信に心酔しており、主人のために剣となるべく戦っているが、幼馴染である佐助には「忍に向いていない」と言われている。つまり、かすがは忍が務まる程、冷徹になれないということを意味しているのではないだろうか。濃姫との掛け合いにも、そういった面が顕著に現れており、かすがは(信長が亡くなったので)「お前が戦う理由はなくなった。強がるのはやめろ」と言う。魔王のために血に塗れてきた濃姫と、軍神のために戦うかすが。濃姫は「自分たちは分かり合えない」と話すが、愛する人のために戦うという意味では、濃姫とかすがというのは似たり寄ったりということになるだろう。実際、濃姫は佐助に「逃げてもいいと思う」と言われており、その内面の脆さを見抜かれている。
*第3章 甲斐の虎(三方ヶ原逆襲戦)
お相手は戦国一の熱血軍・武田。佐助とのやり取りは先述したのと同じような感じ。「戦に向いていないと思うんだよね。自分でもそう思うだろ?」と問いかけられ、本当にどこに行っても、哀れみの目で見られてしまっていると感じざるを得ないが、それだけ濃姫は本来戦に消極的な人なのだと解釈できる。
そして信玄。基本的には大人の余裕を相手に見せる濃姫ですが、彼とのやり取りでは、怯えつつも、立ち向かう。そんな気持ちが見え隠れしている。史実的に見ても、織田にとって、武田は脅威みたいな面があったので、そういったことも踏まえているのだろう。
*第4章 道の行方(賤ヶ岳の戦い)
ここでは時として、織田軍に所属している前田家の登場。山崎に向かって、光秀を討とうとしている濃姫を全力で止める前田家という話。ここは本当にしんどいやり取りが多い場面。
まずは慶次。これは常日頃からTwitterでも話しているが、慶次は、濃姫の信長に対する気持ちを恋だと言っている。彼が諸将に好かれる理由はそういうところにもあるだろう。一見、織田夫婦は、「亭主関白な夫に尽くす妻」という雰囲気があり、そういう見方も強ち間違いではないと思うが、ただ夫に平伏すだけでなく、恋慕の情があることを示してくれているのが良い。そして他の武将は、大体彼女を「魔王の嫁(もしくは妻)」と呼ぶが、慶次は「濃ちゃん」と呼ぶ。伯父の上司の奥さんをちゃん付けである。可愛い。非常に可愛い。そしてそれを特に咎めない濃姫。気にしていないだけかと思われるが、慶次も濃姫もお人好しなところがあるので、そんな渾名も許されてしまうのだろう。そしてもう一つ、このストーリーの中だと、濃姫と蘭丸を除き、慶次だけが信長の生存を信じていてくれている。本当にいい人。
利家とのやり取りでは、「まつもそれがしも、濃姫様が大事!命を粗末にしちゃいかん!」と言われた時に「それでもいい上様を裏切った男を倒せるなら!」と返すところに、濃姫の一途な思いが溢れている。
まつには、光秀のことは慶次と利家に任せて、耐えることも女の戦だと涙ぐみながら説得されるが、それすらも振り切るわけで、仮に自分が死ぬことになろうとも、信長の裏切り者は絶対に自分の手で倒したいという確固たる意志を感じる。濃姫の気持ちが分からない前田家ではないだろうし、濃姫も3人が心配してくれていることはよく分かっているだろう。それだけに、辛いやり取りだが、だからこそ味が出るものとなっている。ちなみにまつに関しては、皇やバトパなどでも、濃姫のことを気にかけているシーンが見られる。
*第5章 旅の終り(山崎布陣戦)
言うまでもなく、ラスボスは光秀。ここに関しても、再三ツイートしているが、本当にしんどい。特に光秀が珍しくセンチメンタル。基本的に彼は、狂気に満ちた殺人鬼という印象があるが、濃姫と話す時はどこか人間味があって、天海となってからも、それらしい描写が見受けられた。詳しくはバトパに関する部分で記述する。本当は台本全集の該当ページを写真に撮って載せたいくらいだが、流石に怒られそうな気がしなくもないので、ここでは控えておく。では内容の方に入るが、開口一番「やはり貴方(濃姫)が来ましたか」と言う光秀。光秀から見ても、濃姫の信長への思いというのは、それだけ歪みないものだったことを感じさせられる。信長を裏切った理由を聞かれても「貴方には言いたくありません」と頑なに口を開こうとしない。本当にこの時は、光秀が謀反を起こした理由が謎であった。普段の光秀を考えると、狂気や快楽を感じるためと考えるのが無難な気がするが、濃姫に撤退するよう忠告したり、「貴方の血はまるで夕焼けだ」と言っているくらいなので、彼女にこれ以上、戦で汚れることを知ってほしくなかったのかもしれない。この辺は完全に筆者の妄想の域。明智が登場する直前になると、濃姫は「上総介様濃は、あなた様を」、「蘭丸くん私が死んだら逃げるのよ」(遠くにいる蘭丸を見ながら)と、その場にいない大切な人たちに、自分の思いを告げようとしている。濃姫と光秀の過去については、公式でも深くは触れられていないが、かつて信長に共に仕えていた仲であることは疑いようもなく、光秀に至っては、彼女を幼名で呼ぶくらいなので、お互いがどれだけの腕前の持ち主かは双方心得ている筈。濃姫は自分が死ぬか、良くても相討ちくらいの覚悟はあったと思われる。実際、本気で光秀が殺しにかかってきたら、そのような結果になるだろう。しかし、光秀と遭遇した直後に再生されるムービーでは、光秀はガードもせず、高笑いするばかり。撃てばいつでも殺せそうなものだが、濃姫は手を震わせ、なかなかその引き金を引けずにいる。これが彼女がいろんな武将から哀れみの目で見られてしまう所以だろう。戦闘が開始してからも、光秀に対して、「お前を弔う」と言う濃姫だが、弔うというのは、言うまでもなく、哀悼などの意味が籠っていることが多い。しかしこの時の濃姫は、とにかく裏切り者となってしまった光秀を倒さなければという気持ちで一杯だっただろうから、これが無意識のうちに出た言葉だとすると、少なからず仲間として信頼はしていたことは間違いなく、情もあったと考えられる。光秀との戦闘が始まるまで、何故殺したのか、本当に殺したのかということを、重ねて聞いているが、このストーリーのOPムービーで、謀反の報告に来た蘭丸の言葉をそのまま信じるなら、わざわざ確認することでもない。それでも何度も尋ねるという行為には、怒りや悔しさの他にも、嘘であってほしいと願う気持ちもあったのではないだろうか。

2のストーリーの考察はこのようなところだろうか。本能寺が勃発してから、ストーリーが始まるという、かなり衝撃的なスタートだが、濃姫も精神的に辛い部分があっただろうに、道中ずっと蘭丸を励ましている。初代の汎用台詞でも、蘭丸との親子感溢れる掛け合いはあったが、2ではより一層母性が増したようにも思える。そして初代の頃に比べると大人びたと言うべきか、健気で一途な女性というキャラクターにシフトチェンジしたように思える。そんなわけで、筆者は2の濃姫が本当に好き(聞いてない)

<戦国BASARA2英雄外伝>
これも語ることが多いシリーズだが、濃姫が主役となっているストーリーは収録されていないため、個人的にお勧めしたいシナリオがあるストーリーのみ大雑把にまとめる。
*お市 第4章 開け根の国(最北端一揆勃発)
いつきが敵大将になっている筈のこのステージだが、最終的には長政を殺されて、精神が壊れたお市が、濃姫と蘭丸に牙を向き、2人が敵となる。飛び道具コンビに挟まれて戦うのは少し苦しかったりするのだが、この頃のお市は薙刀を使用していたので、今よりかは身軽というか、動かしやすかったというのが個人的な感想。それはいいとして、この濃姫たちに斬りかかるまでの、濃姫の台詞が本当に優しさに満ちている。このお市のストーリーは元々、長政が信長に殺されたところから始まるので、お察しというものかもしれないが、話が進むに連れて、お市は精神を病んでいく。そんなお市を濃姫が必死に励ましたり、庇ったり……という話が見れるステージ。これはお市が主役なので、当然蘭丸と濃姫は殺されてしまうのだが、濃姫は「お市あなたは生きる、の」と言い残す。味方だと思っていた人間に突如殺され、なぜそこまで優しくなれるのだろうか……しかしそこが好き。
*浅井長政 最終章 決着!魔王・削除(安土頂城決戦)
バトパでは、お市にはかなり好意的だった濃姫が印象的だったが、このストーリーの長政と濃姫のやり取りも必見。お市に花を贈ろうとしている長政に対して、濃姫が「その率直な気持ちが羨ましい」と話す。初めこそ、濃姫も女であるので、伴侶から花の1つや2つ貰ってみたいということなのかと解釈していた。しかし2のストーリーなどから察するに、濃姫は信長に献身的に尽くしているものの、その気持ちはちゃんと伝えたことがないようにも思える。つまり、濃姫は信長に対して、自分の思いを伝えたいと思っているものの、なかなか踏み出せずにいて、それを実行しようとしている長政を羨んでいるという見方もできるのではないかと考えた。

<アニメ戦国BASARAの濃姫>
原作ゲームとは全く性格が違う。本当に違う。ゲームの彼女をちゃんと見ていれば、ああはならない筈。信長公もまた然り。もう何も言うまい(好きな方には大変申し訳ない)

<戦国BASARA BATTLE HEROESの濃姫>
ゲーム自体は所持していないため、プレイ動画を少し見た程度であるが、その中で得たものを語らせていただきたい。
濃姫のストーリーは、全体的にシリアス。ここでも第1章から、いつきとのやり取りがある。さては公式CPだな?という妄言はさておき、個人的に注目したいのは、第3章の浅井夫婦とのやり取り。肉親相手には流石に手を出しにくく感じている濃姫だが、信長の指示なので、どうにか自分を律しながら、進軍していく。
市「野望のためなら何をしてもいいの?濃姫様はそんなに市を殺したい?」
濃姫「そんな言い方はやめて!」
↑この掛け合いが本当に辛い。濃姫本人のストーリーは本当に最後まで暗い話だが、いつきのストーリーでは、本来の彼女の面倒見の良さが垣間見える。
蘭丸に「濃姫みたいになってみろ」と言われ、苛立ったいつきが、全国の女性武将の所へ女の心得を学びに行くような話なのだが、かすが、市と来て、第5章で本人に聞きに行こうということで、いつきは濃姫の元を訪ねる。「よーし、色気の秘訣聞いて来るだよ!」と気合を入れるいつきに対して、「色気?この子は一体、何を言っているのかしら」と戸惑う濃姫。さては、自分の美しさを分かっていないのか。あのような格好をしているくらいなので、全く無自覚ということはないと思うが、なんて純粋な反応なのだろうか。これまでは、濃姫といつきの掛け合いと言っても、織田軍と農民ということで、どうしても相容れない部分があったが、いつきのストーリーでのやり取りは、このように本当に可愛らしい。戦闘が始まってすぐの台詞がこちら→「あんた(いつき)が蘭丸君の言ってた子ね?」(嬉しそう)
ホントにママ……同級生の母親みたいな台詞をしれっと言ってのける。蘭丸は、濃姫にいつきのことを話していることが分かる。親子感が素晴らしい。極め付けだと感じているのは、いつきに「ねえちゃん(濃姫)みたく綺麗になりたい」と言われた時に、「ありがとう。でも大人になるには大きくなるだけじゃダメなのよ」と、正論をぶつけつつも、褒められたことを素直に喜ぶ濃姫。確かにこう言われたら、悪い気はしない。ましてや、いつきちゃんのような子に言われたら、尚のこと。濃姫といつきのやり取りを沢山あげてしまっているため、筆者が幻覚を見ているように感じられるかもしれないが、全て公式である。本当に可愛いので、ぜひプレイ動画等ご視聴あれ。

長々と失礼致しました。続いては、漸くあの方の登場である。

☆雑賀孫市
鉄砲の傭兵集団をまとめる雑賀衆の頭領。契約金以上の働きをするレベルで統率されているとのこと。一説には、雑賀孫市の名は世襲制だったため、女がいてもいいのではという発想から、戦国BASARAの孫市は女になったとかなんとか。ちなみにサヤカという名前は、中の人ネタと思われがちだが、元ネタとなっている伝承がある。その辺は色々調べてみると、割とすんなり出てくるので、興味のある方は是非。筆者は戦国BASARAで雑賀孫市を知った人間なので、史実には明るくない。そのため、とりあえず、筆者から見た孫市というキャラクターを簡単に述べていきたいと思う。第一印象は今までにないキャラクター。雑賀衆として独立はしているものの、傭兵というだけあって、ストーリーやナンバリング、更にはステージによって、様々な軍と契約している。契約金の良し悪しではなく、雑賀衆をどう評価するかでその契約主を見定める。そして契約金以上の働きをもって、その生き様を示す。いつでも言うことが核心をついており、ブレることを知らない。そんなイメージ。かと思いきや、少し天然な面もあり、真面目さ故にどこか抜けている、勇ましさの中に、愛らしさを感じてしまうようなキャラクター。

<戦国BASARA3の雑賀孫市>
彼女が初めて登場したのは戦国BASARA3。濃姫と入れ替わるような形での登場。3では関ヶ原がメインのため、織田軍は既に滅んでいる設定。そのため、黄泉がえりと言うべきか、3の本能寺の変は、敵大将である信長が何回か生き返る仕様になっている。ただ陣の討伐具合によっては、復活回数が前後するので、もしかしたら復活阻止できたりするかもしれない(筆者はゲーム音痴なので、大体3つ程陣をとられる)。
それはさておき、3の孫市でご紹介したいのは本能寺ルート。前述したように、様々な軍と契約しているので、東軍に所属していたり、西軍に所属したりするルートもあるが、一般的な定説やストーリーの内容から考えて、本能寺ルートが彼女の本分と言っても過言ではないだろう(個人的感想)
しかし、せっかくなので、全ルートの好きなところを抜粋したいと思う。3は一つのストーリーをクリアするのに、7〜10戦くらいしないとならないため、台本を参考に、主要なやり取りなどをピックアップしてまとめる。ではまず東軍から。

☀️東軍所属ルート
*三方ヶ原断崖戦
最初に忠勝を倒しておきたい場合は、3戦目辺りで三方ヶ原断崖戦に行き、忠勝に追われながら戦うことになる。孫市はチートと言われているくらいには、素晴らしい性能の持ち主なので、初めて使う方でも、おそらく忠勝を倒すのは、そんなに難しくないかと思われる(難易度とレベルのバランスにもよる)。ステージ中、契約を成立させるべく、家康と孫市が会話をしているのだが、家康は「契約という形であろうとも、ワシはこれを絆と呼ぼう」と言っている。家康の平和主義(?)的な考え方が顕著に現れているなと思わせられる台詞(※正直なところ、この家康の言葉を、平和主義と捉えるかどうかは人によると思うが、筆者の語彙力の限界で、他の言い方が思いつかなかった)。孫市はそんな家康に対して、傭兵に対して絆という言葉を使うのは変わっていると言いつつも、雑賀衆は、敵兵士の台詞から、「全は個、個は全」を信条としていることが分かるので、彼の考え方は嫌いではない様子。契約を結ぶ際には、家康に対して、忠告として「我ら(雑賀衆)の君主は我ら自信だ」と言い放っている。「私」ではなく、「我ら」である点が重要。雑賀衆の味方兵士の孫市に対する台詞が、敬語になっていないことが時折あるが、孫市として雑賀衆の統率・牽引はするけれども、雑賀衆の中に序列のようなものは存在しないということなのではないだろうか。色々書いてしまったが、難なく無事に徳川との契約が成立。いくつかステージをこなすと、ふと思い出したかのように孫市は家康に対して、家康の契約の目的を聞いていなかったと告げる。これには家康も「そんなことも知らずにワシと契約したのか?」と驚きを見せるが、孫市は淡々とした口調で、「雑賀衆の能力を高く評価する。それ以外の理由など必要ない」と述べる。彼女の天然な面とプライドが高い一面が表れている。
*川中島凍土戦
総大将はその名の通り謙信。謙信は家康に対して、「来ましたね、虎の魂を継ぐ男(実際には平仮名表記だったと思います)」と語りかける。それを聞いた孫市は、「軍神から覚えがあるとは大した男だ」と評価。謙信は軍神という肩書きもさることながら、他の武将たちからも慕われている印象が強い。信玄が病床に伏し、スランプになった幸村に手を差し伸べたのも謙信。孫市がそのことを知っていたかどうか、筆者の中でも記憶が怪しいが、謙信に一目置いていることは間違いように思う。
そして、ここでもう一つ確認しておきたいのが慶次とのやり取り。アニメ戦国BASARAでも、慶次と謙信は友人関係として描かれており、3の慶次は上杉に身を寄せている。そんな彼から一目惚れされた孫市は、「好みの男を教えてくれ」と尋ねられた際に、「この世にはいない男」と答える。もしかしなくても、これは先代孫市のことと見ていいと思われるが、恥ずかしがるわけでもなく、躊躇いもなく、サラッと答えてしまうのがかっこいいところ。相手が亡くなっているというのもあるだろうが、先代が亡くなったのは、現孫市が彼を守れなかったからと言っても、間違いではない。にもかかわらず、当時の秘めた思いを隠すことなく言えるのが雑賀孫市という女。筆者からしたら、先代が亡くなったのは、孫市だけのせいではないと思いたいところだが、バトルパーティーのドラマ絵巻でも、その辺が少し語られていたので、後ほど補足する。
*奥州走竜戦
こちらは政宗が総大将のステージ。台詞を聞いていると、孫市と政宗は面識があることが分かる。家康が、政宗に対して、小十郎のように、時として兄・父・友となりえる者を、生きているうちに見つけられたことを羨んでいるが、孫市はそれに対して、時には君主(政宗)にも手加減無しの男だと話す。しかしこれは、評価の高さの裏返しという面があり、対小十郎台詞では、「お前の生き様は美しすぎる」と言う。孫市は小十郎に限らず、様々な武将の生き様を考察しているが、おそらく3の時点では、小十郎に対する言葉が最も評価が高いようにさえ思える。
*関ヶ原の戦い
遠くの石田陣営を見つめる家康、そしてそれを少し離れた所から見ている孫市というシーンからムービーが始まる。
孫市は「一度踏み出したら引き返せない、投げ出せない、苦しむと分かっていたのに進むことしかできなくなった」、「笑いも怒りも涙も、とうの昔に置いてきた」とまるで独り言のように呟く。意外と家康の生き様に共感している部分があるのではないだろうか。ステージ開始後には、「私は雑賀の長、動揺は許されない!この名を勝ち取ったその瞬間から!」からと高らかに叫ぶ孫市。先述したように、雑賀衆の中に序列のようなものはないにしても、一度は壊滅寸前まで陥った雑賀衆を再興し、こうして関ヶ原の戦いに動員するまで導いた孫市の功績は大きく、誇りを忘れない信念が感じられる。
ステージ終了後、倒れた石田を前に立っている家康を、遠くから見守るというシーンが流れる。「煮える怒りも、胸を抉る悲しみも耐えよ、徳川。お前も自分でそう決めたのだろう?」と相手に聞こえもしない問いを投げかける孫市。
東軍所属ルートは当然、家康とのやり取りが多かったが、自分に言い聞かせているようにも感じられる台詞も多く感じられた。筆者としては、2人は似た者同士とまではいかなくとも、家康の生き様を見た孫市は、どこか懐かしんでいるようにも感じられた。平らかな世を目指す家康と、戦場を住処とする雑賀衆(孫市)。全くそのあり方は違うようにさえ見えるが、両者に分かり合える部分があることを感じさせてくれるのが、戦国BASARAのストーリーのいいところなのではないだろうか。

🌙西軍所属ルート
*大阪・冬の陣
こちらでは三成率いる西軍との契約。吉継が三成に雑賀衆と契約するように入れ知恵をしたという体(てい)で話が展開する。しかし三成は、雑賀衆がかつて豊臣への従属を拒んだことに、かなり苛立ちを感じている様子で、とてもこれから契約を交渉しようとしているとは思えない態度。しかし三成の熾烈なまでの怒りと視線が、孫市の中での三成の雑賀衆への評価となったようで、割とあっさり契約が締結。ただここでも一悶着あり、三成は「豊臣の一員として心を砕け」と告げるが、孫市は家康にも話したように、自分たちの君主は我ら自身で、他に持つつもりはなく、雑賀衆を正しく評価するなら、契約相手が誰であろうと関係ないと話す。そこで凄まじい勢いで、三成が孫市に斬りかかるが、孫市は難なく銃を盾に、その刃を受ける。表情一つ変えずに、気性が激しい三成に対応できるところが非常にかっこいい。
*中富川海砦戦
このステージの総大将は元親。元親はかつて家康と共に戦場を駆けた仲だが、ある人物の謀略によって仲違いしている。そこで元親から三成に同盟の話を持ちかけられたというストーリー。元親は孫市とも旧知の仲であり、本名であるサヤカと呼んでいる。サヤカというのは、孫市を継ぐ前に、彼女が名乗っていた本名。そしてもう一人、それをよく知る人が現れるが、そちらも後ほど。元親の所へ到着すると、2人は互いの武器を軽くをぶつけ合う。台本によるとこれは孫市流の挨拶とのこと。似たようなムービーが政宗との対決でも見ることができる。本当にかっこいいので、そちらも興味がある方はぜひ。ここでのステージが終わると、慶次が現れ、何故元親と孫市が仲良いのかと問われるが、元親も元親で、慶次と孫市に何があったのかという話になっていく。慶次が孫市に一目惚れしたことを告げると、ぎょっとした様子で、「そ、そうかい」と。更には慶次がついて来ているのを見て、元親がこっそりと「まさかとは思うがお前っ?!」と焦りを見せる。孫市は、元親が勘違いしていることを指摘し、自由という偉大なる我侭を尊重しただけだと伝える。それを聞いた元親は安心した様子。三角関係染みてて、可愛らしい。この辺の関係、私としては大変推せるのだが、いかがだろうか。恋バナもそこそこに。
次のステージが始まる前に、三成と少し会話が発生。裏切りは許さないと主張する三成に対し、我ら(雑賀衆)個人を信用しなくても構わないが、雑賀衆の能力は信じたらどうだ?と聞き返す。事あるごとに裏切るなと迫られ、精神的に構うのも疲れてくるキャラクターがいてもおかしくないこの契約。それに特別腹を立てることもなく、冷静に返す孫市。本当に好きが溢れ出す。続いては、かわいい妹分・鶴姫の元へ。
*能島海戦
元親と付き合いが長い様子が窺えたが、鶴姫とも馴染みがあり、孫市は彼女を「姫」と呼ぶのに対し、鶴姫からは「ねえさま」と慕われている。鶴姫も西軍から誘いを受けており、悩んでいるようだが、孫市から遠回しに関わらないように言われ、でも雑賀衆は西軍にいるということで、痛い所を突いてくる。しかし、西軍との契約は雑賀衆の問題であって、できれば(鶴姫は)戦いとは無縁に生きるようにと言う。ここもここで、孫市の王子様感が溢れているが、群雄割拠の時代、戦わなければその先には滅亡しかない。その中でも、できれば無縁に生きてほしいと願う孫市。鶴姫の年齢や性格などを考えた上での忠告と見ていいと思うが、万が一、鶴姫が戦うことを止めてしまい、その隙に伊予が襲撃されたら、孫市が助けに来るのだろうかなどと考えてしまった。これは完全に妄言だが、その確率は高いだろう。
*厳島の戦い
続いては元就戦。ここでは元親と家康の件について、吉継と元就が話し合っているのを、孫市が盗み聞き。それに気づいた元就は「愚劣な趣味」と言い放つが、孫市は「お前が清く正しく生きろ」と告げる。孫市は元親や鶴姫と親交があるため、元就とも決して縁がないわけではないだろうが、対元就の台詞で「思い出は少ない」と語っているので、相容れない部分があったと思われる。
ここで、先を急ぐのに、雑賀衆をテキパキと動かそうとする三成に対し、孫市が雑賀衆を使ってもいいし、その働きに期待してもいいが、傭兵の身であり、心はそこにないので、頼るなと話す。公私の分別があると言うべきか、このように一見ドライに見えるところも彼女の魅力。
三成「能力がある者は、須く秀吉の宝だ。それを留め置くことの何が悪い!」
孫市「それが本音か?」
三成「最初からそうだと言っている、嘘などつくものか」
孫市「本当に面白い男だな」
(戦国BASARA3台本全集 P95)
という、三成にとっては、腹の探り合いでも何でもない、ただただ普通のやり取り。三成が重ね重ね、睨みをきかせていたので、孫市の中では、雑賀衆が三成にどこまで信頼されているか、判断し難い所があったのではないだろうか。それを「能力があり、秀吉の宝」という彼なりの褒め言葉(三成自身、褒めているつもりがあるかどうかは分からない)を頂戴したものなので、少し意外に感じたといったところだろうか。
*石垣原坑道戦
ここでは官兵衛が敵大将。かつては豊臣軍にいたと思われる彼だが、関ヶ原の戦いで味方するなら、東軍だと言い切り、日和見を見て、勝った方と上手くやればいいと言っている。枷を嵌められ、一見、闇を彷徨っているように感じられなくもないビジュアルの彼だが、その内には野望を秘めており、力強い肉体に相応しい渋とさが感じられる。そして孫市も「目と頭は冴えたままか惜しい男だ」と言い残しており、評価は悪くないことが分かる。
*関ヶ原
いよいよ最終戦。当然、ここでは家康が敵大将。ステージ開始直前には「生きて、その生き様を世に示せ!」と雑賀衆を鼓舞するような台詞が。この台詞はつまり「死ぬな」と言っているようにも聞き取れるのだが、いかがだろうか。こんな頭領に、私もついて行きたい。
いよいよステージ開始。孫市は、家康に三成について問われた時、「偽り方を知らない男。裏の心を持たぬ不調法」と答える。一言で言うなら、「潔白」ということだろうか筆者の個人的な意見を述べさせていただくと、三成は気の毒なくらい真っ直ぐだと感じることさえある。
戦いが終わり、家康は斃れ、三成は笑い声を上げている。解放感とはまた違った感情があるように感じるが、それはさておき、契約は履行したということで、解除しようとした途端、三成が遠くから大声で孫市を呼び、ずかずかと歩いて来る彼。孫市は流石に少し疲れた様子を見せる。そこで三成から、次の契約の話を持ちかけられる。その後の会話↓
孫市「それが我らへの評価か?」
三成「そうだ!何度も言わせるな!」
(戦国BASARA3台本全集 P97)
言葉足らずではあるが、台本全集のト書きを見ると、三成の中で、最高の評価と記されており、またその時の孫市の表情も、いつにない喜びに満ちていたとある。

以上が西軍所属ルート。
三成と孫市のやり取りが面白く、想像以上に、語る場面が多く感じた。吉継と孫市が合うかどうかと言われると、疑問は残るが、不器用な三成と上手いこと同じ軍としてやっていける人はなかなか少ないだろう。三孫はいいぞ。

🔥信長討伐ルート
*金ヶ崎の退き口
お市を撃破したと思ったら、天海が登場。公式で名言されていたか定かではないが、BASARA MAGAZINE vol.9に収録されている「ああ、懐かしの織田木瓜」から、光秀と天海は同一人物と見て、差し支えないと考える。名を変え、顔を隠し、己を偽りながら生きていた天海だが、お市の肉体を苗床とし、信長を呼び戻そうと目論んでいた。信長というと、先代孫市の仇。先代は先述した慶次とのやり取りからも分かるように、現孫市にとって師であり、特別な人物でもあった。しかし3では、光秀に謀反で討たれたということになっているため、孫市にとって信長が蘇るなど、あってはならないこと、信じられないことだった。
*本能寺の変
いつも冷静な孫市だが、本能寺が幻出した際、とても分かりやすく動揺する。声も震え、一人称が「我ら」ではなく、「私」となるシーンも。また師匠であり彼女の思い人である先代に縋るような描写も、他より多く見受けられる印象(語弊が生じそうなので、補足するが、先代が登場するわけではない)。そして本能寺のステージに行くと、赤と青の人魂が信長の周りを飛んでいる。よく見ると、赤い方は信長に寄り添うように、青い方はその2人(?)の後ろで、はしゃぐように右行ったり左行ったりという感じ。台本全集や該当のシーンを見ていただければお分かりになると思うが、この人魂は濃姫と蘭丸と解釈して間違いないだろう。そして赤い人魂から何かを聞き取るような仕草をした後、信長は「金色の坊主を守護せんとする者共の頭、その屍の傍に立ち尽くす者、有り。貴様、彼の者なり」と言う。要約すると、「本願寺顕如に加勢している者共の頭(=雑賀衆の頭、即ち先代)の屍に立ち尽くしている者が彼の者(=現孫市)」ということになる。信長はこれらの情報を、赤い人魂から聞き取っているわけだが、このやり取りを伏線とし、2019年にリリースされたバトルパーティーで、あの方がしっかり拾ってくれています。それについては後ほど。
ステージが終わり、孫市が涙を堪えながら、踵を返すシーンも大変印象的。
あの孫市が、師匠だった人に、想いを寄せていたと考えるだけで、かなりしんどくなる。切ない。

🎀鶴姫 ドラマ絵巻 戦国競艇西海杯🏆
タイトルでお察しかと思われるが、鶴姫のドラマ絵巻の青及び緑ルートでは、元親との競艇が行われる。勝負を申し込んだのは元親。鶴姫は最初こそ、冷静に海賊からの挑戦状はお断りと言ったものの、放棄するなら不戦勝と言われ、決断は呆気なく一変。ルールは先に日ノ本を1周した方が勝者、という至って簡単なもの。順路としては、四国からスタートして、孫市や家康が控える東側を通る。その後に東北まで北上したら、北陸・中国・九州という感じ。第1戦は孫市が控える雑賀荘の戦い、もしくは家康が主将の三方ヶ原断崖戦です。無論ここで孫市の方に行けば、鶴姫とのやり取りがあるのですが、孫市をスルーしても元親と孫市のやり取りが見れるという素晴らしい分岐。
もし1戦目に雑賀荘に向かうと、競艇の事情を聞いた孫市は、やや呆れつつも、好きな方法で好きに戦えと伝える。元親と鶴姫、双方を見てきたからこそ、ここまで言えるのだと思うが、ここで元親が登場。
元親「小娘(鶴姫)の味方をする気か?そいつは聞き捨てならねぇなあ」(ややふくれる)
孫市「お前はそんなに我らに応援してほしいのか?」(余裕)
元親もこれには、頭をかいてぼやくことしかできなくなってしまった。
そして1戦目に三方ヶ原断崖戦へ向かった場合、鶴姫がリードしている形になるが、元親は、もし鶴姫が来たら足止めするように孫市に頼み込む。孫市はそんな元親に己の行動を省みたことがあるか尋ねますが、元親は「お前に言われると腹が立つんだよ!」と悔しそうに怒る。
このルートは孫市、元親、鶴姫の関係性が一発で分かるストーリーになっているので、ぜひお試しあれ。

🌸前田慶次 ドラマ絵巻
謙信より雑賀への遣いを頼まれた慶次が、そこで偶然出会った孫市に一目惚れし、そのままついて歩くストーリー。しかし途中で、まつが東軍の人質として攫われ、まつを取るか、孫市を取るかという選択に迫られる。ここでまつを取ると、その先のステージでは、孫市が先回りし、まつの居場所を突き止めていた。二人はそのまま関ヶ原へ向かい、関ヶ原両軍喧嘩両成敗という無難な形に終わる。そして孫市を選んだ場合に発生するのが以下の会話。
孫市「まつねえちゃんはどうした!なぜ大切な人を選ばない!」
慶次「俺にとっちゃ、あんたも大切なんだ!」
孫市「からすめ、まつねえちゃんはこの世に一人だ!」
慶次「からすはそっちだ!あんただってこの世に一人だ!あんたと一緒に東軍に乗りこんで、まつねえちゃんを助け出す!」
(戦国BASARA3台本全集 P156)
一度大切な人を喪ってしまった孫市なので、ここまで厳しく慶次を叱りつけることができるのだろう。しかし似たような経験があるのは慶次も同じこと。彼はどっちも守ると言い出す。流石の主人公っぷりである。ここで利家が合流するのだが、「よろしく頼む、利」と挨拶してきた孫市に対して、利家は戸惑いを見せた。ただの天然なのか、それとも本当に名前を知らなかったのか定かではないが、傭兵をやっている以上、名前を知らないというのは考えにくいので、ここでは天然なのだということにしておこう。この後、無事にまつとも合流するが、やはり似たようなやり取りが見られる。

次に移る前に、番外編として一つご紹介しておく。戦国BASARA3ではプレイヤーがぼんやりしている時の汎用台詞として、信長の口から「蝶か」という言葉が聞ける。無論、戦国BASARAのステージは華やかな所ばかりではないので、人外となりつつある3でも心のどこかで濃姫を忘れられずにいるのではないだろうか。

<戦国BASARA3宴の雑賀孫市>
3の派生作品。松永久秀などが新たにプレイアブルキャラクターとして追加され、ファンから根強い人気を誇るシリーズ。孫市は秀秋のストーリーにて登場している。

🥘小早川秀秋 ストーリー
小十郎が栽培した葱を求めて、一人旅をすることになった秀秋。道中の諸将には、天海より連絡が入っていた筈だが、中身は旅の目的とは関係のないものになっていたため、好戦的に秀秋に勝負を挑んだりしている者が多い。また秀秋と相手武将、双方の聞き間違いが甚だしく会話が成り立っていない場面も多く見受けられる。
*第二章 雑賀荘を喰らう
前章で元親と対峙し、そのまま彼の船に乗り込んでしまった秀秋は、雑賀荘へ辿り着く。孫市の所には、天海より「勇者・秀秋が雑賀の火力を欲しているので、盛大なおもてなしを頼みたい」という文が届いていた。雑賀衆の兵士たちも秀秋の登場に「勇者を確認!常にも増したおもてなしを!」と意気込んでいるが、秀秋は食べ物をもてなされると思っているようで、おもてなしは一人旅の醍醐味だと語る。孫市との戦闘が始まってからも、双方誤解が生じたままであるが、ステージをクリアすると、孫市は「さらばだ勇者よ、我らは語り継ごう!あくなき追求者のその姿を」と秀秋の(食べ物への)執着心を賞賛している。相変わらず孫市は天然だと言いたいところだが、このストーリーでは、最終章のステージをクリアするまで、どの武将への誤解も解けることがないので、何とも言い難い。

<アニメ戦国BASARA Judge Endの雑賀孫市>
初めにお話ししておくと、筆者はこのアニメを全話視聴していない。動画サイトなどで載っていたものに少し触れた程度なので、おそらく他の方々とは些か解釈が異なる可能性があるということを前提にお読みいただけたらと思う。
総じて、伊達政宗・真田幸村のダブル主人公が迷走しているという印象が強かった。ただし、孫市においては、ゲーム同様、家康や三成から契約の話を持ちかけられ、鶴姫と元親に頼られ、慶次に一目惚れされるという人間関係になっており、申し分のない仕上がりになっていたと考えている。関ヶ原の両軍からの勧誘に関して、いずれにつくべきか頭を悩ませていた孫市に対し、鶴姫が「どちらかにつかなければならないのか」と問う。これに孫市は、はっとさせられた様子を見せる。筆者としては、このやり取りが本当に気に入っている。普段は孫市が鶴姫をリードしているが、この助言は純粋でまだ世間を知らない鶴姫だからこそ、言えたものだろう。
まつが囚われの身となったことを受け、その捜索を手伝うべく、関ヶ原両軍いずれでもなく、慶次と契約を結ぶ孫市。結末から言うと、天海など西軍についていた武将たちがまつを人質にとっていた。無事に彼女を救出し、関ヶ原へ。しかしそこに天海が復活させた本能寺が幻出する。孫市はかつての悪夢を払拭すべく、禍々しいオーラを漂わせる本能寺へ。お市を苗床とし、復活した信長により、天海は呆気なく殺される。そして信長戦。雑賀衆の兵士たちの銃弾が底を尽き、残りは孫市の手元の物のみとなる。慶次が信長に飛びかかり、強引に動きを封じようと試みるが、孫市は何をしているのかと叱咤。しかし慶次は俺に構わず撃てと言い、孫市は引き金を引く。その銃弾は、慶次そして信長を貫いた。天海により復活した信長に取り憑かれていた(?)お市は、無事。慶次も傷はついたようだが、大事なかった様子。
正直なところ、慶次を撃ち抜いてしまったのはいかがと思うが、孫市の視点で見た時、私はそれ程嫌悪感は感じなかった。しかし、全体的なファンの方からの評判はまちまちなので、この考察に囚われないでいただきたい。

<戦国BASARA4皇の雑賀孫市>
PS4でも販売しているシリーズなので、画面が本当に綺麗。そしてCP要素が他のシリーズに比べて圧倒的に多い。
まず見所の一つとしてあげておきたいのは、信長と対峙した際に流れるムービー。お互いに何発も放つが、その全てが全てを堰き止める。これだけでは何を言っているか分からないという方も多いと思うため、この投稿のリプライ欄に添付しておこうと考えている。
そしてこれまでにならい、ストーリーについて述べていこうと思うが、率直に感想を申し上げると、彼女のストーリーと言うより、慶次のストーリーという印象を受けたので、おそらく、ここまで登場した作品に比べると、多くは語ることができないということをあらかじめ明記しておく。ご了承いただける方のみ、先に進んでいただきたい。皇ではドラマルートと戦国創生ルートの2種類が基本。キャラクターによっては、アニメルートなどもある。

○他の武将のドラマルートで見る孫市の幼馴染への想い。
🌙石田三成 ドラマルート
豊臣に向かって反旗を翻した家康に苛立つ三成。大谷や半兵衛などに宥められるが、家康が元親と手を結び、進撃してきたと聞き、半兵衛から大阪城に戻るように指示されるも、そのまま進軍してしまう。
*第4章 海賊要塞・百鬼富嶽
元親を大将とし、孫市も敵将として登場するこのステージ。三成は孫市に対し、家康からどんな指示を受けているのかと迫るが、何も吐かなかったため、その場で彼女を抹殺。ここで
孫市「後はお前次第だ進め、元親
元親「サヤカッ!最期までお前はよう
というやり取りが見れるのだが、元親の台詞のト書きには、「最期までいい女(やつ)だぜ」と言いかけたとある。筆者からしたら好きになるしかないというものである。
また元親は対信長の汎用台詞でも、「この鬼にも、勝手に交わした契約ってもんが在ってよサヤカ、お前への借りはここで返すぜ!」と語っており、元親がかつて雑賀衆が織田から奇襲を受けた件(おそらく石山合戦)について知っていることを示唆しているように感じる。

🥷🏻風魔小太郎 ドラマルート
松永と契約している風魔。松永に指示されるまま、各地に出向いていた。松永は北条が小田原を追われた際、風魔が密かに北条を連れ出し匿っていたことを調べ上げ、風魔個人に興味を示す。完全なる虚無を風魔に求めていた松永は、風魔に想いを寄せる鶴姫を葬るように命じる。
*最終章 伊予河野船・鶴の丸
鶴姫の指揮する船に、孫市も敵方武将として参戦しているこのステージ。恐らく鶴姫たちの軍に雑賀衆が雇われていると考えられる。風魔の登場に心を躍らせた鶴姫だが、風魔から漂う血の匂いに、ただならぬ気配を感じ取る孫市。当然、鶴姫は、自分が慕う人たちが争っている状況を見て、半ばパニック状態に。そして孫市を撃破した時に聞けるやり取りが以下である。
孫市「姫、逃げろお前の手には負えない!」
鶴姫「い、嫌です!ねえさまを置いて逃げたりなんかできません!」
(戦国BASARA4&4皇 台本全集 P523)
元親とはまた違った雰囲気を感じる。鶴姫は世間知らずな点もあるので、それを心配しての言葉だろう。無論、三成のドラマルートとは状況が違うということもあるだろうが、孫市が、元親と鶴姫をどのように捉えているかが感じられるものとなっているように思う。

○4皇ではNPCとしてすら登場しない濃姫。だが、その存在はかつての馴染みのキャラクターたちの中に根付いている。
⛏天海 ドラマルート
織田と烏城を行き来する日々を送っていた天海。しかし信長のことで物思いに耽っていたところ、秀秋から天海が後悔しないのが一番だと言われ、織田に戻る決意をする。
*第4章 加賀国境・賤ヶ岳
安土城に帰参するに辺り、織田から離反した利家の首を手土産とするため、加賀を攻める光秀。そこでのまつとのやり取りに注目したい。
まつ「一つだけ伺いまする。行方知れずの濃姫様と蘭丸は、あなたが?」
天海「いいえ手になど掛けていませんよ、本当に」(この時点で既に2人を幽閉していたことが分かる)
(戦国BASARA4&4皇 台本全集 P463)
そしてまつを撃破すると、「濃姫、様あなたならばこの方に、何と」という台詞が聞ける。織田軍の中では、一番の常識人と言っても過言ではない濃姫。まつもそれを心得ていたからこそ、このように言い残したのではないだろうか。
そして対天海のまつの汎用台詞でも、
まつ「濃姫様どうかこのまつめに、全てを救うお力を!」
天海「クククどなたの名を呟いておられるのです?蝶は手の甲に降りぬからこその蝶なのですよ」
(戦国BASARA4&4皇 台本全集P467)
というやり取りが見られる。天海はしらを切っているようにも思えるが、蝶を話に出す辺り、確信犯である。
*最終章 織田・安土城
利家の首を手土産に、信長の元に帰参したが、濃姫と蘭丸を幽閉した罪に問われ暴走。信長を殺した後、自身も自害するという非常に悲しい終わり方をしている。
ステージに入る直前のモノローグ的なシーンでは、濃姫と蘭丸を幽閉した理由として、2人が謀反の妨げにならないようにしていたが、その言葉の裏には「殺したくない」という気持ちもあったのだろうとしていた。そして信長に相対し、そのことを問われ、「帰蝶を戦禍に巻き込まないように」と言っている。蘭丸とは不信不仲というコンビ名があるくらい相性が良くない。そして信長に詰問された時のこの反応からして、蘭丸はさておき、濃姫を手にかけたくなかったというのは、本心だろう。また天海は放置していると、独り言で「帰蝶、私は」と呟いており、拠り所とまでは言わずとも、彼女を気にかけているのが感じられる。

💃マリア 対信長汎用台詞
戦国BASARA4から新たに参戦したマリア。お市の義姉であるため、濃姫のことは知っているようで、信長を弄ぶような台詞が見られる。
マリア「飛び去った蝶など忘れて目の前に咲く華を愛でてはいかが?」
信長「華、だと?余を誰と心得て謀るか。この五月蝿い毒蛾女がッ!」
(戦国BASARA4&4皇 台本全集 P56)
蝶は濃姫と捉えて問題ないであろう。そして信長のこの激昂。信長にとって妻は濃姫以外にはあり得ないのだろうと感じさせられる。

<アニメ学園BASARAの雑賀孫市>
詳しくは後述するが、公式アンソロジー学園BASARAが原作となったアニメ。筆者が初めてまともに雑賀孫市というキャラクターを見た作品でもある。
*6話 乙女たちの宴
その名の通り、恋する乙女たちが主役となっている話。原作にも似たような話があるため、それを元に作られたと考えている(ちなみに原作では濃姫も登場していた話)。小太郎に思いを伝えるため、矢文を飛ばす鶴姫だが、失敗してしまい、彼と同じ新聞部に所属する佐助に協力してもらうことになった。その代わりとして、かすがに佐助との相性がいいと伝えるように頼まれる。しかしかすがと鶴姫は、謙信と小太郎、どちらの相手が素晴らしいかという話になり、まつも参戦。ここに現れたのが孫市である。彼女ならこの場をかっこよく治めてくれるかと思いきや、「究極の元気と明るさを身につければ、風魔どころか、どんな男も手に入る」、「究極の愛は胃袋の底に存在する」などという具合に、謎めいた(?)助言をする。そこが可愛い。
*12話 避難訓練は突然に
信長の気紛れにより急遽開催された避難訓練。校内中の非常扉が閉められ、生徒たちは閉じ込められる。しかも、避難できなかった生徒は退学処分という鬼畜っぷり。そんな中、停学中である筈の秀吉の登場によって、無事に全員脱出するのだが、信長が仕掛けた訓練。当然一筋縄で行く筈もなく、脱出に至るまで、罠が張り巡らされていた。黒板から無数の矢が飛んで来たり、廊下に蝮がいたり、鉄砲も登場する。おそらくこれは濃姫や蘭丸を彷彿とさせるための意図的な描写だったのではないかと考えているが、いかがだろう。視聴機会があれば、そちらにも注目していただきたい。

<学園BASARA(公式アンソロジー)の孫市と濃姫>
ありがたいことに、学園BASARAの原作には、濃姫も孫市も登場しており、一緒に出てくる話がちらほら見受けられる。
*まずは先述したアニメ学園BASARA6話乙女たちの宴の元となった話だが、長政を喜ばせたいと悩むお市に対して、「時代は肉食系女子。いい例があるので見に行こう」と言い濃姫が連れて行ったのが、孫市の所。「これがオラオラ系の頭領よ」。濃姫の中での孫市とは一体。原作では、お互い好いているのなら心配することはなく、気持ちが大事だと、とてもクールに真っ当なアドバイスをする孫市が見られる。(詳しくは「戦国BASARAシリーズオフィシャルアンソロジーコミック学園BASARA4」をご覧いただきたい)
*そしてもう一つ。松永が生徒たちの答案用紙を偽造し、平均点が減少したように見せかけたことで、学校全体でのテスト対策が始まる話があるのだが、その松永がやったという証拠を掴んだのが濃姫であった。松永の机を調べるように指摘したのは孫市。いいコンビではないか……ぜひアニメ学園BASARAでも濃姫の活躍を見たかったものである。(こちらは「戦国BASARAシリーズオフィシャルアンソロジーコミック学園BASARA6」に載っている)

戦国での立場はともかく、二人とも性格は、ごく普通の人たちなので、こうして面白おかしく教員生活を送っているところを見れるのは、学園BASARAならではの面白さだろう。

<戦国BASARAバトルパーティー>
遂に乱世でも彼女たちが共演する時がやってきた。2020年12月21日をもって、サービス終了を迎えてしまったが、筆者にとってこのアプリが見せてくれたものはとても大きい。まずは濃姫の復活。学園BASARAのアンソロジーでも最近のものでは、濃姫は登場しなくなっていた。そのため、彼女が公式に顔を出したのは、かなり久しぶりであった。さて、こうなるとやはり見たいのが、孫市と濃姫の対決。おそらく筆者以外のファンの方でも、同じように思っていた人はいたのではないだろうか。まずはそこから見ていこう。
*ドラマ絵巻 雑賀孫市編🔥
鶴姫、鹿之介の鍛錬に付き合っていた孫市だが、そこへ元就や天海がやって来る。秀秋が口を割ったことにより、織田軍が奇襲をかけようとしていることが分かり、孫市は信長の首をとりに戻る。そこで待っていたのが濃姫。「久しぶりね、雑賀孫市。もっとも、以前会った時は違う名だったけれど」。サヤカ時代の、先代に恋してる時代の孫市を知ってることが察せられるこの台詞そして、考察を書いていて気づいたことがある。以前に彼女たちが対面した時から、この再会までにどれだけの時が経っているのか。孫市は先代を殺され、悔しい思いをしたと考えると、先代の仇の妻の顔を覚えているのは、分からない話でもない。それでも、お互いここに辿り着くまで、数多の戦場を駆け抜けてきた筈で、その中にも勝ち戦、負け戦はあっただろう。なのに何故、お互いの顔と名前をしっかり覚えていられたのか。特に濃姫。普段は冷静な孫市だが、濃姫の挑発に踊らされてしまい、暴走している点も大変気にかかる(慶次が止めに入る始末だった)。そして濃姫に関しては、先代が信長の手によって死んだ時のことも、鮮明に覚えているかのような口ぶりをしている。
濃姫「二代目が討たれたあの時、あの場にいた私を前にして
3の孫市のストーリーを思い返していただきたい。本能寺の変での赤い人魂から何かを聞き取った後の信長の台詞は、これと重なるものがあるのではないだろうか。
孫市との出会いは、濃姫にとっても何か大きなものをもたらしたと考える。

*ドラマ絵巻 竹中半兵衛編🔍
半兵衛のドラマ絵巻は織田は滅んだ直後。豊臣軍は、信長の猛威の下で疲弊しきった日ノ本を変えるチャンスと捉えていた。そして手始めに、豊臣の軍師・半兵衛は雑賀衆との契約に乗り出す。味方につけた者が戦を征すると言われる程の火力を誇っていた雑賀衆。他国と契約している可能性もあるため、豊臣の要である秀吉を傷つけないためにも、半兵衛は自分一人で交渉に行く。
半兵衛は豊臣に従うように勧めるが、孫市は3の時と同様、主は持たないという意思を見せる。傭兵である以上、雇い主がいないことにはどうにもならないのだが、豊臣が先に手を回し、雑賀荘へ至る道を全て封鎖していたため、織田が滅んでもなお、契約の話は他から来ていなかった。孫市もこの状況は不審に感じていたようで、察しはついていた様子。両者とも流石の頭脳である。そして半兵衛は孫市に、彼女が遺したいのは三代目の生き様か、先代から受け継いだ雑賀衆そのものなのかを問う。どちらも先代が残し、引き継がれたものであると答える。孫市のこの我儘加減が本当に彼女らしい(褒め言葉)。そして孫市に雑賀荘の周りを封鎖しておかながら、脅しもせず、半兵衛がわざわざ一人で来た理由を問われ、雑賀衆の意思で最高の仕事をしてもらうためだと答えている。旧作から軍師として名高い半兵衛からのこの評価の高さには本当に恐れ入った。推しとして大変喜ばしい限りである。

*師走・探求の旅路🍲
これは2019年末から年明けにかけて配信された天海が中心のイベントストーリー。醤油を買うため、秀秋と市場に向かった彼だが、そこで長政と遭遇。残り1つだったため、どちらが買うかと揉めていたところに、マリアが登場し、あっさりそれを買って行ってしまう。マリアは秀秋が年末の宴で最高の料理を用意し、彼女を満足させることができたら、分けてあげてもいいと告げる。秀秋はその場で捕らえられ、その料理の具材探しをさせられるのが天海という流れになっている。
*3話「情熱とうま味の道」
敵大将は、紅装束・雑賀孫市。これは通常衣装を身に纏っている孫市とは違い、彼女のURとして登場したキャラクター。銃火器の荷に紛れ込んでいた南蛮渡来のドレスを、戦装束と解釈し、身を包んでいる。バトパでは比較的真面目な要素が強かったように思われた孫市だが、意外なところで天然な面を見せつけてくる。余談だが、南蛮渡来というと、濃姫が日頃愛用している銃も南蛮製の物だ。二人で仲良く旅行にでも行ってきてほしいくらいだが、妄想は程々に、話を戻す。この時は出汁を探し求めていた天海。道中、マリアに宴に相応しい装束を探すように言われていたお市と合流する。そこにドレスを着た孫市がいたというわけだ。孫市はその装束は宴までに届けることを約束。そして出汁として孫市は鰹節を差し出す。というのも、雑賀衆への借金の返済の代わりとして、元親が用意したものであった。その他にも借金をため込んでしまった元親は漁に行かされたり、このアプリでも孫市と元親は、親しくしていることがうかがえた。
*第4話「遮るものの道」
ここでは濃姫が登場。シリーズ全体を通して、濃姫と天海のやり取りが見られるのはこの話だけである。材料の一つとして薬味を探していた天海。濃姫と鉢合わせ、双方、言葉を詰まらせる。ちなみにここに至るまで、誰一人として、天海が光秀であると疑っていなかった。この時、濃姫は勝家と行動を共にしていたが、勝家も特に気づいていない様子であった。また天海も、お市などの顔見知りと会っても、これといった反応は示していなかった。濃姫は光秀という名前こそ出していないものの、遠回しに天海を詮索するような言葉をかける。しかしなかなか口を割らないため、力づくで言わせると意気込んだ濃姫に対し、天海は「あなたを傷つけたくありません」と語る。4皇のドラマルートを思い起こさせる展開となっていた。勝家が負傷したところで、濃姫も手を引いたが、天海が薬味を探していると聞き、「あなた、変わったわね」と口にする。確かに光秀としての彼を知っている濃姫からしたら、こうして食材探しをしている姿など想像できないだろう。濃姫たちは堺の商人から仕入れた黒胡椒を薬味として提供。天海は無事に役目を終え、その場を後にしたところで、勝家は濃姫に天海と知り合いなのではないかと問うが、濃姫は私の知らない男だと答える。この時の彼女は、その場の空気を読んだように感じた。しかしこの流れ、いささか疑問がある。濃姫の性格からして、もし天海がかつて信長に仕えていたのなら、そのまま強引に織田に連れ戻してもおかしくない。信長も生存しているため、謀反も起こしていないと考えられるので、尚更であろう。そして勝家もお市も、天海を見て何も思わないというのも不可解である。と考えると、この天海は、信長と出会う前に何らかの理由で出奔していたという可能性があるのではないだろうか。仮にそうだとしたら、昔から関係があったと思われる濃姫以外の武将たちが彼を見抜けないという点にも納得いくものがある。

*WANTED04 追跡!お市
これは2020年3月末に配信されたお市が主人公となっている短編イベントストーリー。濃姫は義理の姉妹として、お市と仲を深めようと遊覧に誘うが、濃姫は信長に頼まれて、自分を監視しているのではないかと思い込んだお市はその場を逃げ出してしまう。振られたショックからか、濃姫は涙目になってしまう始末。濃姫には申し訳ないが、非常に可愛い。国主(ユーザー)と出雲阿国の仲立ちにより、無事に彼女たちは和解。
濃姫「魔王の妻と、魔王の妹乱世の日ノ本でこんなにも尊い姉妹がいるかしら?」
阿国「姉妹と言うよりも、どこかのお母さんと娘さんのやり取りみたいですけど」
濃姫「ちょっとあなた(阿国)、聞こえたわよ。美人姉妹と言い直しなさい。さあ!」
可愛い。あれ程までに母性を醸し出しておきながら、あくまでも姉妹として見られたい濃姫が本当に可愛い。

*WANTED16 追跡!まつ
2020年7月に配信されたまつが主人公となっている短編イベントストーリー。加賀の留守を預かっていたところに現れたのは、信長だった。自分を人質に取りに来たと思い込んでいたまつは、戦闘後、人質となり利家の足を引っ張ってしまうくらいなら、と覚悟を決めるが、濃姫の作る膳に飽きてしまった信長は、濃姫に料理を教えるように、まつに頼みに来たことが分かった。人に教えさせてでも、濃姫の作るものを食べたがる信長。そしてまつもそれを聞き、快く引き受けると同時に、濃姫と会えることを楽しみにしているシーンが見られる。皇の時といい、まつの中での濃姫の存在の大きさが、計り知れないと感じるのは筆者だけだろうか

*バトルパーティー
これは、お宝(スマートフォン)を巡って、諸将たちが争うアプリのリリース1周年を祝したイベントストーリー。そこで濃姫はマリアとの邂逅を果たしている。こちらも学園BASARAのアンソロジーを除いては、シリーズで初めて対面することになった。スマートフォンが信長に害をなすものなら、自分が破壊すると言い出す濃姫だったが、マリアに本当は自分が欲しいだけではないかと問われ、図星だったようで、以下がその時の会話。
濃姫「想いを伝える文が、一瞬で送れる(おそらくメール機能のこと)能力があればそれさえあれば、義理の姉妹として、お市ともっと仲良くなれるじゃないっ!」
マリア「魔王の妻にしては、随分とささやかな願いなのねとってもかわいらしいわ」
ちなみに濃姫は、常日頃からお市に手紙を送っているようで、返事は貰っていない様子。そのため、自分からの手紙を読んですらいないと考えていたようだが、お市によって、どう返せばいいか分からないだけで、全部何度も読んでいることが告げられ、安心した様子を見せた。とにかく可愛い。

*天下統一
ある程度育成すると、国主レベルを10上げないと、先のストーリーへ進めないという鬼畜仕様であった。しかしサービス終了の約1ヶ月前、運営の厚意により、天下統一の全てのストーリーが解放されることになる。終盤は本能寺の変が題材になっていたため、織田軍や前田家の出番が多く見られた。前田家というと、今となっては織田と敵対するような立ち位置にあるが、2の濃姫のストーリーからも分かるように、かつては織田軍の傘下にいた。濃姫はまつと利家を連れ戻すべく、説得を試みるが、利家に、信長の天下ではできないことがあると断られてしまう。ちなみにこの時、濃姫は一人で前田を訪ねていた様子。話ぶりからして、前田を取り込むための説得は彼女の独断だったと考えても差し支えないだろう。そこでいよいよ争うことになるかと思いきや、信長が登場し、利家とやり合うことに。しかし信長は不敵に笑ってその場を後にする。
国主は信長の不在を知り、安土に攻め入った。そこには濃姫、蘭丸、勝家が待ち受けている。光秀の策によるものであったが、これが本能寺の変への布石となっていた。詳しくは後ほど語ることとし、前田夫婦に火をつけた国主に対し、憤りを見せる濃姫(前田は元々離反はしていたが、利家を鼓舞したのは国主や阿国)だが、信長の妻である自分に、利家が語った「信長の天下ではなし得ないこと」を一瞬でも想像させられたことが、何よりも許せないと話した。蘭丸はそんなものあるわけないと話し、濃姫もそんなことがあっていい筈がないと答えるが、濃姫だからこそ、利家の言わんとしていたことが分かってしまったのだろう。そんな中、光秀の謀反の知らせが入る。判断を迫られた濃姫は、信長あってこその織田軍であり、彼がいればまたいつでも城は取り返せるとして、3人は本能寺への道を急いだ。
そこへ慶次がやって来る。本来ならこちらの類の揉め事は得意ではない彼だが、混乱している尾張を前田が、豊臣などの諸勢力を上杉が抑えるということで、慶次は本能寺に向かわされた。勝家はかつて謀反を試みたこともあり、思うところがあったようで、道中で思い悩んでいる様子を見せた。慶次が勝家に濃姫の行き先を尋ね、本能寺に向かったことを知ると、相変わらず辛い恋をしていると呟く。2の濃姫のストーリーで、彼女を励ましていた男はやはり言うことが違う。
続いて慶次と国主が出会ったのは、本能寺の門前辺りに控えていたと考えられる蘭丸。濃姫は彼を巻き込まないように、自分一人で燃える本殿の中へ飛び込んだ様子。しかし蘭丸は濃姫から誰も通さないように伝えられていたからと、道を開けようとしない。そこで慶次と国主は仕方なく、蘭丸を気絶させ、本殿へ。
光秀を撃つため、攻撃はしているものの、「あなたには似合わぬ乱れた舞」とあっさりかわされてしまっている濃姫。光秀が「他でもないあなたです、この私が」と濃姫に斬りかかろうとしていた。信長を殺し、濃姫をも自分の手にかけようとする光秀。歪みきってはいるが、彼なりの愛情の示し方だったのではないだろうか。そこへ国主たちが登場。見事に国主は光秀の刃を受け止め、濃姫は助けられ、慶次にじっとしているように言われる。国主たちによって、追い詰められた光秀は、死期を悟ったかのように「再び、公と公の、近くへと」と呟く。そんな彼を見て濃姫が呼びかけるも、彼は信長の後を追うのは自分だけなので、ついて来るなと語る。言葉通りにとるなら、信長と共にいるのは自分だけで、他の人間の介入は許さないということになる。しかし、これまでのナンバリングで、度々濃姫のことに関して人間味を見せてきた光秀。地獄に染まるのは、自分たちだけで充分だという意味も込められていたのではないだろうか。

長々と失礼しました。
今回は考察ということで、各媒体のストーリーを中心に語ってみましたが、いかがでしたでしょうか。
彼女たちのキャラクター、人間関係本当に見所が沢山あるなと改めて感じました。私は書いていて楽しかったです。とても満足しております。
ご閲覧いただき、ありがとうございました。
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