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【IDEAPOLIS】day24-5 生体記録保存抑制

全体公開 1467文字
2021-01-23 00:15:19

“欠落した宵闇”



自分がおかしい、なんてことはとうの昔から分かっている。
周囲と違う価値観。趣味。思想。
そんなことは生きていれば自然と理解できるものだった。
生まれた頃から自分自身は人間に生まれるべきでなかったのだと思いながら生きてきた。

真っ暗闇を空っぽな心で歩いていく。
自分のやることなすことが全て宙に浮かんでいるような、そんな気さえして。
それでも歩むことは辞めなかった。理由はなかった。

とある翼に入社して、まともそうな仮面を被る。
そうして一般的な“普通”を装うことは簡単だった。
ほんの時折、自分の趣味を満たして、隠すことだって容易いことだった。


あの事件が起きるまでは。


元いた翼で起きた事件。調律者による施設の破壊。
そこで撒き散らされた職員の肉片を見た瞬間に、かちりと自分の中のパズルのピースがあてはまったのを感じた。
事件は……まぁ、収まったし、自分という存在がはっきりと確立した瞬間だった。

1番お気に入りの彼に出会うまで随分とそれで欲を満たしてきた。
ただ、今。
今、この企業にツァディクとして入社してからは、随分と普通に生きすぎたらしい。

俺の目の前には、アナウンスに呼ばれた配属職員たちが集まっていた。


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アコニタム:職員ウランランス、職員デオン、他生体記録保存配属オフィサー。


うん、全員ちゃんといるな。


急に呼び出してすまない、もう業務も終了しているのに。


大丈夫、話はすぐに終わるよ。


(ざわめく声)


アコニタム:研究は随分と進んだ。幻想体の収容が増えると同時に。


部門内の水槽も随分と意味を持つようになってきた。


でも、足りていない。……最近起きるようになった抑制に関するデータが何も。


まぁ、データが集まらないのは無理もない話なんだ。保存できないからな。


だから、…………ああ、職員デオン。少しこっちに。


うん、そこで後ろを向いて。


そう。


【大鎌で切り裂く】
【大鎌で切り裂く】
【大鎌で切り裂く】


(なにかの飛沫が上がる音)

(無数の悲鳴、職員ウランランスの怒号)


アコニタム: …………


何を激昂してるんだ? ああ、説明が足りてなかったか。


ツァディク暴走のひとつの要因として感情の昂りがあるそうだ。
また、その暴走によって職員を操ったりしてたツァディクもいるらしいな。


まぁそれは置いておくとして。


データ取得のために暴走を起こせるであろう行動を起こす。その為に全員を呼んだんだ。


………っふ、ふふ。
ふふふふふ!はははは!アッハハハハハ!!


いいな、その顔!1度は見てみたかったんだ、いつもいつも見るのは既に死んだ顔だからな!
やっぱり直接が一番いい!のんびり眺めているなんてもったいない!俺自身が手を下さなきゃ気が済まない!
絶望した気分はどうだ?逃げ道がない気分は?結末を見すえた感想は?っふふふふふ!!


ああ、逃げても無駄なのは本当だ。別部門に行く通路は閉めた。残念だな?


でも安心して欲しい。幻想体進行抑制剤は確保してある。君たちがここでどう最後まで足掻いて死んでも君たちは幻想体になることはない。
どれほど絶望しても。どれほど生き返りたくないと願っても!


俺はそれが楽しいから別に気にしやしないさ。


じゃ。


全員、横一列に並べ。



【ツァディクコア無効化 ツァディクコアの抑制が必要】

 


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