@Aogami_project

アズール「はぁ……異変は帰り道までが異変ってか。面倒くせぇなあ」
??「戻ってきましたね」

徳映「どうやら我々は負けたようですね。まさかたった一人の人間に全てが壊されるとは」
徳映「予想外でした。……今宵は何もかもが、予想外」
徳映「残念ながら、今貴方に構っている暇は有りません。少し静かにしていて貰いましょうか」
——
アズール「ふぅ……なんだあいつ、急に襲ってきやがって。何とか撒いたようだが」
アズール「それにしてもデカい建物だ。一体いつになったら外に出られるんだ?」
??「やあやぁ、良い夜だね」

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妖を束ねる面霊気
秦神 猿楽
Hatagami Saraku
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猿楽「今宵の天楽寺は何やら愉しげな感情が渦巻いてる。まるで百鬼夜行のようだ」
アズール「あ?お前みたいな奴この寺に居たか?」
猿楽「俺はこの寺の人間じゃないよ。そも、俺は妖怪だし」
猿楽「この寺が何やら不穏な事を考えていたようだから、ちょっと叱りに来ただけさ」
アズール「そういう事かい。なら俺と一緒だ。心配しなくても、事の元凶は俺がたった今倒して来た所だよ」
猿楽「へぇ。見かけによらず強いんだね。君は妖怪には見えないけど」
猿楽「でもまぁ油断は良くない事だ。徳映ちゃんみたいな馬鹿力も実際にいる事だしね」
アズール「油断ってお前……どうしてこれから俺達が戦うみたいな流れになってんだ」
猿楽「当然だろう。強い者に出会ったら戦いたくなるというのが、妖怪の性というものだ」
猿楽「俺は君の力を見てみたい。君はただ、俺に全力で向かって来れば良いのさ」
アズール「あのなぁ……俺はもう帰りたいんだが」
猿楽「帰れば良いさ。出来るものならね。俺は君を、いつまでも追いかけて逃さない」
アズール「きめぇよ何なんだよ」
猿楽「ははっ……それが可能な事くらい、君の観察眼なら分かるだろう?……君は俺の言葉に、ただ従うしかない」
猿楽「さあ遊ぼう。大丈夫、殺しやしないさ。たぶんね」
アズール「…………っち。何なんだ今日はマジで。次から次へと」
アズール「良いよ、付き合ってやる。その気持ち悪い面ごと叩き割ってやる」
猿楽「……良い顔だ。それじゃあ始めるとしよう」
猿楽「多少なら建物を壊しても構わない。ここの人間どもに見せてやろうじゃないか。本物の妖怪って奴をね」
——撃破後
猿楽「いやぁ楽しかった。君本当に強いねえ」
アズール「……気に入らねぇ。さっきから全然、全力出してねぇな?」
猿楽「そりゃまあ。君も寺での戦いで消耗していただろうから。俺もそれに合わせるというのが筋ってもんさ」
猿楽「俺が全力を出したらこの寺を灰にしてしまう。そんな事して徳映ちゃんに嫌われたくは無いからねぇ」
アズール「安心しろ、これだけ建物ボコボコにした時点でもう十分嫌われてるよ」
猿楽「参ったなぁ。一応こことは契約を交わした身だから……。今度適当な和菓子でも差し入れてやるかね」
アズール「契約だ?妖怪にそんな高度な真似できんのか」
猿楽「酷いね、妖怪だって必死だよ。森の人間、妖精、妖怪……この種族は、互いに不可侵の契約を交わしている」
猿楽「人間の徳映ちゃん、妖精のバーバチカちゃん、そして妖怪の俺。この三人が、森の安全を守る支配者だ」
アズール「なーにが安全だボケ。里の人間がどれだけ妖怪に食われてるか分かってんのか?」
猿楽「里の人間は例外だよ。これはあくまで、森の中だけで通用する契約だ」
猿楽「君たちは君たちなりに、結界の中で統率を保っているんだろう。だったらそれに従えば良い」
猿楽「俺は干渉するつもりは無い。だから特別、里の人間を守るつもりも無い」
アズール「あぁそうかよ。……もう良い、俺は疲れたから帰る。もう着いてくるんじゃねぇぞ」
アズール「全く……今日は本当に、変な奴ばかりに会う日だったな」
猿楽「俺も楽しかったよ。久しぶりに軽い運動ができた」
猿楽「……あ、そういえば」
アズール「あんだよ」
猿楽「この建物の惨状、どう説明しよう。このままじゃあ徳映ちゃんに嫌われちゃうよぉ」
アズール「勝手に嫌われとけ気持ちわりぃ。俺はもう行くからな」
猿楽「えー待ってよ。ほら、俺と一緒に謝ろう?そしたら許してくれるかも」
猿楽「断るのは許さないよ?実際半分くらいは君の所為なんだからね」
アズール「……お前、マジで、ふざけやがって……」
アズール「…………ほんっっと、今日は最悪な一日だ」