@Aogami_project

藍瑠「はぁ、疲れたな。もうすっかり夜みたいだ」
藍瑠「嫌だなぁ夜の森は。色々不吉なものが出そうで」
??「帰って来ましたね」

徳映「まさか本当に生きて帰って来るとは。それも人間のまま」
徳映「想像以上でした。貴方は素晴らしい強さを持つ人間です」
徳映「でも今は……そんな貴方を讃える暇すら惜しい。少し待っていてもらえるでしょうか」
——
藍瑠「相変わらずここの主は強いな。どうやら今はもう戦う気は無さそうだったけど」
藍瑠「それにしても、あの子らは本当に凄いね。異変は帰り道まで一苦労だよ」
??「どうも、こんばんは」

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妖を束ねる面霊気
秦神 猿楽
Hatagami Saraku
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猿楽「寺の人間じゃないね。珍しいな、来客なんて」
猿楽「それにしても今日は良い夜だ。君もそう思うだろ?」
藍瑠「うん、そうだね。そんな素晴らしい夜の月をのんびり眺めたいから、僕はこれで失礼するよ」
猿楽「まあまぁ、もう少しのんびり行こうじゃないか。冬の夜は長いんだから」
猿楽「徳映ちゃんが言ってた人間って君の事だろ?俺には分かるよ、君強いだろう」
藍瑠「ここの主の知り合いかい?だとしたらちょっと悪い事したかな」
藍瑠「僕はたった今、この寺の計画を阻止して来たところだよ。里の人間を守る為にね」
猿楽「あぁやっぱり君か!そうだと思ってたんだ」
猿楽「それなら俺は何の文句も無い。俺も君と同じように、ここの横暴を制しにきた身だから」
猿楽「何事も無く終わったようでホッとしたよ。じゃあ後は、君の実力を俺が確かめるだけで良いね」
藍瑠「そうだね。…………は?」
藍瑠「何言ってるんだい君は?僕は戦わないよ?」
猿楽「問答無用。俺は強い奴に出会ったら、その力を試さずには居られないのさ」
猿楽「断っても無駄だよ。俺は君より強いからね」
藍瑠「なんて横暴な……妖怪かい?」
猿楽「酷い偏見だ。妖怪だけどね」
猿楽「ま、良いや。じゃあ行くよ?死にたく無いなら、全力でかかって来る事だ!」
——撃破後
猿楽「なんだ、君は森の人間だったのか」
藍瑠「ああ、そうだよ。それがどうかしたのかい」
猿楽「いやね。一応、森の人間を妖怪は殺しちゃいけない事になってるんだ。というかそういう契約を俺が結んでいる」
藍瑠「へえ……森に住む人間なんて、それだけで既に妖怪に打ち勝てるくらいの実力がありそうなもんだけど」
猿楽「それじゃあ俺が食ってやろうか?」
藍瑠「……冗談。君みたいなのは例外中の例外だろ」
藍瑠「この寺の長に匹敵する勢いだった。この世界にはまだ、君みたいな恐ろしい実力を持った者達が居るんだね」
猿楽「まぁね。それにこの契約は、森の均衡を保つ上でも重要だ。妖怪、妖精、そして人間……これらの種族が衝突しないよう、俺たち種族の長が対応している訳さ」
猿楽「そうしないと、この狭いコミュニティは成り立たない。結界の長はどうにも、この森には興味が無いようだからね」
藍瑠「成る程、知らなかったよ。じゃあこの森に住む人間のリーダーは、この寺の長だったという訳だ」
藍瑠「……大丈夫かな。僕、その長が住んでる寺をだいぶめちゃくちゃにしちゃったけど」
猿楽「ふははっ、暫くこの寺で修行させられるかもな!」
藍瑠「その時は君も一緒だからね?この惨状の半分くらいは君がやったんだから」
猿楽「はいはい、分かってるよ。俺は徳映ちゃんと話せる機会が増えるから幸せだなぁ」
藍瑠「のんきなもんだね。……さて、それじゃあ」
藍瑠「これからこの戦闘跡について、上手い言い訳を考える事にしようか」