@Aogami_project

羽珠女「はぁ、やっと終わった……」
羽珠女「邇々芸様、ちゃんと夜ご飯食べてるかな……?あの方ズボラだからなぁ」
??「椿宮の巫女よ」

徳映「帰って来ましたね。それも人間のままで」
徳映「今回は潔く引くとしましょう。先程別の者にも忠告を貰ったばかりですし」
徳映「貴方も早く帰った方が良いですよ。あの妖怪に見つかる前にね」
——
羽珠女「妖怪って何のことかしら。さっき退治してきた奴らの気配は地下から動いて無さそうだし」
羽珠女「まだ寺の手先が残ってるのかしらね」
??「やぁ、こんばんは」

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妖を束ねる面霊気
秦神 猿楽
Hatagami Saraku
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猿楽「可愛い子だね。今日はついてるよ」
羽珠女「……妖怪?この寺の連中かしら?」
猿楽「いいや、俺はこの寺とは関係無い。あぁでも妖怪ってのは正解だ」
猿楽「なんだか怖い顔してるね。勿体無いよ、折角の可愛い顔が」
羽珠女「黙ってなさい気持ち悪い。あんたのその、気配を隠す巧妙さ……明らかに普通の妖怪と違う」
羽珠女「あんた、何者かしら。この寺にただ遊びに来たなんて言わせないわよ」
猿楽「怖いなぁ。巫女さんってのには初めて会ったけど、随分と好戦的な生き物なんだね」
猿楽「でも君のその鋭さには感服だ。その通り、俺はただの妖怪とは違う」
猿楽「俺は言わば、この森に住む妖怪の頂点に立つ男だ。俺の家族は、みーんなこの仮面が見ているんだよ」
羽珠女「妖怪の頂点……聞いたことあるわ。数百年の時を生き続け、やがてこの森を支配するまでに至った面霊気」
羽珠女「その妖怪としての凶暴さは群を抜く。……今まで一体、どれだけの人間を殺してきたのかしら」
猿楽「嫌だなぁ。俺はもう人は食ってないよ。契約があるからね」
猿楽「それにしても、俺の噂は立てないように気を遣ってたんだけどなあ。流石に結界の神社にはお見通しだったかい」
羽珠女「全部分かってるわよ。それにしても、想像以上の気持ち悪さね。まるで人間の振りをしているみたいで」
羽珠女「……退治するわ。覚悟しなさい」
猿楽「……おっと、強いな。君のそのオーラ、人間にしては凄まじい練度だ」
猿楽「じゃあ俺も。君の実力には、実力で応えるのが礼儀だよね」
猿楽「それじゃあやろうか。……本当に、今日は良い夜だよ!」
——撃破後
猿楽「いやぁ強い強い。楽しかったよ」
猿楽「こんなに運動したのは久しぶりだ。人間相手じゃ徳映ちゃん以来かもしれないな」
羽珠女「……っち。まだ余裕そうね」
羽珠女「私だってまだまだ……っ」
猿楽「あぁ、あまり動かない方が良い。もう疲労が限界だろう?」
猿楽「君は良くやった。今日はこのまま帰ると良い。妖怪達には、君を襲わないように伝えておく事にするから」
羽珠女「…………余計なお世話よ。たかがその辺の妖怪なんて、この状態でも叩き潰せるわ」
羽珠女「次に会った時は覚悟しなさい。その余裕そうな表情をした面、思いっ切りへこませてやるから」
猿楽「うん、待ってるよ。あ、それは別として、今度二人でお茶でもどうだい?ほら、里にある茶屋でのんびりと」
猿楽「俺が奢ってあげるからさ。きっと楽しい時間になるよ」
羽珠女「殺すわ」
猿楽「ちぇ、駄目かあ。じゃあ、また君が挑んで来る日を楽しみに待つ事にしよう」
猿楽「ま、人間の寿命じゃ間に合わないだろうけどね。君が妖怪だったら良いのになぁ」
羽珠女「ふざけんじゃないわよ、妖怪なんて。……妖怪なんて、絶対にならない」
羽珠女「私は人間のまま、あんたを追い越してみせる。あんたはその無駄な寿命で怠惰に過ごしていれば良いわ」
猿楽「……嫌な子だなぁ。口を閉じておけば可愛かったのに」
猿楽「ま、良いや。それじゃあ俺はもう行くよ。後は宜しくね」
羽珠女「は?……ってちょっと!なに勝手に逃げてんのよ!」
羽珠女「……これ、絶対怒られるわよね。建物めちゃくちゃだし」
羽珠女「…………私も逃げよ」