サンズ目線を簡潔に砕いて書いたものです。
この作品よく分からない、簡潔に知りたい人向け。
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@hinahiyoko_0915
Valuesfell -サンズ目線-
殺された方が悪い。殺さない方が悪い。
いつから俺たちの世界はこうなったのだろうか。いや、元々か。一度この世界で死んだ俺からすれば死んだら仕方ないよな、という死が更に軽いものになっていたのであの日以来日常的に誰かを殺すという行いを繰り返し、Lv.を上げることで延命行為を続ける俺にはとても都合のいい世界である。
利用して、利用されて。何が悪いのか、何が悪なのか。世界にあった道徳心は昔より薄れていると思う。
それでも利用価値で生かされた俺がいた。
利用価値ってなんだ?誰から受けた価値だ?
子供達の雑音が考える思考を奪い暇を与えてくれない日常で俺はそこで考えるのをやめた。
ああ、今日もまた誰かが価値観で殺されて死んでいるのだろう。くだらない世界だ。
"この世界がくだらないと思えるこの幸せだった記憶は誰のものだ?"
ふと気付けば寝ていた、そんなことがあの日以来続いている。原因は分かっている。
子供達の雑音による寝不足。
意味の分からない言語。意志疎通したいというより感情表現の一種だろうか。とにかくうるさい。黙れと叫んだとしてもそれは子供達には一切届かない。周りからはそれが幻聴の類いだと言われたからだ。直ぐに薬が処方された。飲んで効いた試しは一切なかったが兄弟が心配するからとずっと飲んでいるフリを続けている。
雑音は定期的に聞こえるときもあれば不規則に鳴り響くときもある。それは俺の睡眠を妨げるようになっていき目の下に隈が出来るようになった。
兄弟には化粧だと言い訳をした。
体調が悪いときの態度はおしゃれの一環だと言い訳をした。
兄弟がどんな顔をしていたのかは知らない。
見ることが一切出来なかった。
兄弟のパピルスは俺が一度死んだときに少し壊れてしまった。師匠であり面倒を見てくれていた戦闘狂の血狂いアンダインでさえもパピルスに生まれてしまったそれを拒むレベルだ。
"ごめんな…"
その後の出会いで人間がどういうものか聞く機会があった。
"あの子はね、こんなおぞましい地下世界に落ちてきてさぞ怖かったのでしょうね。最初はとても怯えていたの。でも安心したらよく笑ってくれた。それがとても可愛らしくて、愛しくて…だから最後まで守ってあげたかった"
彼女は泣いていた。そして俺にこう言った。
どうかここを通った人間を私の代わりに守ってほしい、と。
正直人間を守るなんて心底どうでも良かった。興味を持ったのは彼女が人間と過ごした過程で感じた人間が元いた地上だ。くだらないこの地下世界よりまだましだと想像できたからだ。
だから俺は彼女と約束した。その時が来たら人間は守るよ。約束する、と。
そして人間がここに来た。
目的のために俺は兄弟も知り合いも何もかも殺す決断を迫られた。
…あぁ、笑えるな。
代償はいつだって何に対しても必要だよな?
気を使っているのか、ただ黙っているのか。
ただ嘲笑っているのか。
子供達の雑音が聴こえない。
"おやすみ、パピルス…"
"最後まで悪い兄ちゃんでごめんな、…いい夢を"
"おやす…み…兄…ちゃ…ん"
一度死んで心なんて既に壊れている俺から何かが抜け落ちた。涙が溢れてふと思う。
それは絶対に大切なものだった。
けれどもう何だったのかは全く分からない。
その後も殺した。殺し続けた。
殺した先には確かに見たかった景色があった。
"…おやすみ、フリスク"
"俺はお前の幸せを願ってる"
サンズ目線-終-